画像電子学会の国際標準化教育研究会は2007年の設立以来,標準化人材育成に関する大学,企業,標準化団体および個人が参加する国内唯一の議論の場としての役割を果たしてきました。その10年近くにわたる活動を踏まえ,この研究会で中心的な役割を果たしている方々を講師陣として,標準化人材育成のためのセミナーを企画しました。ICT,バイオ関連などの分野では,研究開発の飛躍的な進展を受けて,標準の意味と標準化対象,さらに標準化人材に必要とされるスキルも大きく変化しています。その一方で,ヒューマンスキルを含めた基本的なスキル,標準および標準化の理解のための基本として以前から受け継がれている基本的な原理や知識の重要性は失われていません。
今回は,標準化人材育成セミナーの第1回「標準化戦略とその実施のための基礎」コースを用意し,これを画像電子学会 第38回秋期セミナーとして位置付けて,標準化の最新動向とともに基本的なスキルとその実践・戦略について取り上げます。
標準化人材育成セミナーを受講されたかたには,コース毎に,日本工業標準調査会が示す標準化スキルスタンダード(http://www.jisc.go.jp/policy/skill/docs/skill-std-hrrs_jpn_v1.01p.htm)が規定する標準化人材スキルの分類項目(スキルカード)に関連したスキルのセミナー受講証を発行します。また,標準化人材育成セミナーの1コースを受講されたかたは,画像電子学会会員の受講料で次回以降のコースを受講できます。
時間 | 課題 | 講師 | 関連する標準化人材スキルの分類項目 |
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概 要 | |||
13:00-13:05 | 開会挨拶 | 上原 まひる (画像電子学会理事/国際標準化教育研究会) | N/A |
13:05-14:00 | 1. 標準化組織構成 | 小町 祐史 (国際標準化教育研究会) | 統括(戦略),人材育成 |
本セミナーが狙う標準化人材のスキルを概説した後,企業・組織の中で標準化活動を適切に推進するために標準化人材をどう評価するか,標準化活動を含む事業計画をどう立案するかについて,その拠り所を示す。 | |||
14:00-14:55 | 2. ビジネスから見た標準化の取り組み方 | 岡本 秀樹 (国際標準化教育研究会) | 標準化戦略 |
IoTに代表されるようにビジネスにおいてグローバル化はもはや日常化しており,その中で標準は必須のツールである。日本だけでビジネスしているからと世界的な標準化の動きを無視することは,もはやリスクでしかない。一方でその標準化をどう活かしていくのかについては,まとまった話がない。ビジネスの中で標準や標準化をどう生かしていくかについて,まとめてみたい。 | |||
14:55-15:05 | 休憩 | N/A | |
15:05-16:00 | 3. 標準化のヒューマンスキル | 高橋 茂樹 (国際標準化教育研究会) | 情報の収集・分析・評価及び標準化戦略案・戦術の作成,渉外(戦略) |
国際標準化の現場は国際規格作成会議であるが,実際は会議の前後にさまざまなアプローチにより各国委員と協力していく。このために国際情勢も含めた様々な情報に基づき,人間関係を構築し標準化を推進していくスキルを細やかな経験の中から述べる。 | |||
16:00-16:55 | 4. 標準化基本知識 | 黒川 利明 (国際標準化教育研究会) | 原案作成,認証取得 |
技術の進展を背景に研究とともにビジネス環境が大きく変化している。この中で標準化も変化しているが,基本的な部分は変わらない。標準化の概念と用語からはじめて標準活用を認証まで含めて取り上げる。標準に対する戦略,標準化のステップ,標準化の分野についても述べる。 | |||
16:55-17:00 | 閉会挨拶 | 上原 まひる (画像電子学会理事/国際標準化教育研究会) | N/A |