アクセシビリティおよびAAL(Ambient Assisted Living)の技術は,高齢化の進んでいる我が国にとって重要性が高まるとともに,国際標準化等において我が国からの寄与が強く求められる分野になりつつある.
マルチメディア関連技術の国際標準化を担当する技術委員会であるIEC/TC 100[1]において,2012年までに議論されてきたアクセシビリティおよびAALの技術の標準化活動について,文献[2]でその概要を紹介した.そこで取り上げた主なトピックは,次のとおりである.
2013年になってから,ヨーロッパからのAAL関連の複数の議題がTC 100/AGS (advisary group on strategy)[3][4]に対して提案され,2013年6月のAGS会議および関連会議で審議されることになった.このトピックについてのヨーロッパの積極姿勢が関係者から通知されており,今後のTC 100の主要課題に位置付けられる可能性が高い.それで,このホットなトピックについて,2013年6月の国際会議での各国の対応をも含めて報告する.
この予稿では,その執筆時期が2013年6月の国際会議の開催前であるため,執筆時までにIEC/TC 100関連のWeb等で公開されていた文書内容の一部を示すにとどめ,企画セション当日においては,国際会議で配布された資料をも含めて,TC 100におけるAAL関連の最新動向を報告する.