SC34は, 広義の文書情報の交換に用いられる文書データの構造記述, ハイパリンク記述, スタイル指定, フォーマット済み文書記述およびそれらに必要なフォント情報に関する標準化を行う.2007年12月より日本が幹事国となり,幹事国代表を木村敏子,議長を,Sam G. Oh(韓国)が務める.2010年度末には,35ヶ国のPメンバと20ヶ国のOメンバが参加して, 次のWGが組織されている.
WG1(マーク付け言語) -- コンビナ: Alex Brown(英国).
SGML, XMLに代表される情報記述言語およびそれに関連するサブセット, API, 試験, 登録などの規格を担当する.
WG2(文書情報表現) -- コンビナ: 小町祐史(日本).
文書のフォーマティング, フォント情報交換, フォーマット済み文書記述およびそれらのAPIを規定する規格を担当する.
WG3(情報関連付け) -- コンビナ: P. Durusau(US).
文書情報のリンク付け, 番地付け, 時間依存情報表現, 知識処理および対話処理を規定する規格を担当する.
WG4(Office Open XML) -- コンビナ: 村田真(日本).
ISO/IEC 29500(OOXML)のメンテナンスを行い,OOXMLに関連するプロジェクトを傘下に置く.
WG5(文書の相互運用性) -- コンビナ: J. Lee(韓国).
異なるISO/IEC文書ファイルフォーマットで表された文書の相互運用性の原則と指針を開発する.
WG6(開放形文書フォーマット) -- コンビナ: F. Cave(英国).
ISO/IEC 26300 開放形文書フォーマットのメンテナンスに関係する活動を行う.ISO/IEC 26300のメンテナンスおよびISO/IEC 26300に関連する他の作業におけるOASIS ODF TCとの共同作業をも含む.
国内では, SC34専門委員会が, 関連する国内意見のとりまとめと国際への対応とを行っている.SC34専門委員会には,2010年度末には24名(エキスパート7名,オブザーバ1名を含む)がメンバ登録されている.その傘下に,6名のメンバからなるSC34/WG2小委員会と,8名のメンバで構成されるSC34/WG3小委員会とがあり, それぞれフォント関連技術とトピックマップ関連技術に関する国際標準化の検討をその担務としている.
会議 | 開催日 | 参加者 | 開催場所 | 開催国 | Agenda | Resol/Recomm | Rep/Min |
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SC34 | 2011-04-01 | 11ヶ国, 2リエゾン/34名, 日本から4名 |
Prague | CZ | SC34 N1548 | SC34 N1611 | SC34 N1632 |
SC34/WG5 | 2011-03-31/04-01 | 日本から0名 | Prague | CZ | SC34 N1562rev3 | ||
SC34/WG6 | 2011-03-31 | 9ヶ国, 1リエゾン/24名, 日本から2名 |
Prague | CZ | SC34 N1562rev3 | SC34 N1626 | |
SC34/WG1 | 2011-03-31 | 4ヶ国, 2リエゾン/19名, 日本から1名 |
Prague | CZ | SC34 N1558 | SC34 N1604 | SC34 N1605 |
SC34/WG2 | 2011-03-30/31 | 4ヶ国/5名,日本から2名 | Prague | CZ | SC34 N1559 | SC34 N1603 | |
SC34/WG4 | 2011-03-28/30 | 日本から2名 | Prague | CZ | SC34 N1561rev2 | SC34 N1607 | SC34 N1619 |
SC34/WG3 | 2011-03-28/29 | 日本から0名 | Prague | CZ | SC34 N1562rev3 | ||
SC34/WG4 | 2011-03-03 | 日本から1名 | Teleconf | SC34 N1557 | tbd | ||
SC34/WG4 | 2011-02-10 | 日本から1名 | Teleconf | SC34 N1557 | tbd | ||
SC34/WG6 | 2011-02-02 | 5ヶ国, 1リエゾン/7名, 日本から0名 |
Teleconf | SC34 N1574 | SC34 N1580 | ||
SC34/WG4 | 2011-01-20 | 4ヶ国, 1リエゾン/8名, 日本から1名 |
Teleconf | SC34 N1557 | SC34 N1590 | ||
SC34/WG6 | 2011-01-19 | 3ヶ国, 1リエゾン/5名, 日本から1名 |
Teleconf | SC34 N1564 | SC34 N1576 | ||
SC34/WG6 | 2011-01-05 | 5ヶ国, 1リエゾン/9名, 日本から1名 |
Teleconf | SC34N | SC34 N1568 | ||
SC34/WG5 | 2010-12-10 | 4ヶ国, 日本から0名 | Beijing | CN | SC34 N1514 | SC34 N1554 | |
SC34/WG6 | 2010-12-08 | 4ヶ国, 1リエゾン/7名, 日本から0名 |
Teleconf | SC34 N1551 | |||
SC34/WG4 | 2010-12-06/08 | 7ヶ国,1リエゾン/21名, 日本から1名 |
Beijing | CN | SC34 N1509 | SC34 N1582 | |
SC34/WG1 | 2010-12-09 | 7ヶ国,1リエゾン/21名, 日本から1名 |
Beijing | CN | SC34 N1511 | ||
SC34/WG1 | 2010-11-17 | 6ヶ国,2リエゾン/20名, 日本から1名 |
Teleconf | SC34 N1515 | SC34 N1552 | ||
SC34/WG4 | 2010-11-05 | 3ヶ国,1リエゾン/9名, 日本から1名 |
Teleconf | SC34 N1510 | SC34 N1581 | ||
SC34/WG6 | 2010-10-27 | 5ヶ国,1リエゾン/8名, 日本から1名 |
Teleconf | SC34 N1544 | |||
SC34/WG1 | 2010-10-20 | 6ヶ国,2リエゾン/19名, 日本から1名 |
Teleconf | SC34 N1515 | SC34 N1545 | ||
SC34/WG4 | 2010-10-14 | 5ヶ国,1リエゾン/12名, 日本から1名 |
Teleconf | SC34 N1510 | SC34 N1539 | ||
SC34/WG6 | 2010-10-13 | Teleconf | |||||
SC34/WG4 | 2010-09-30 | 2ヶ国,1リエゾン/8名, 日本から1名 |
Teleconf | SC34 N1510 | SC34 N1538 | ||
SC34/WG3 | 2010-09-27/28 | Leipzig | DE | SC34 N1472 | |||
SC34/BRM on DIS 14297 |
2010-09-10/11 | 8ヶ国,2リエゾン/27名, 日本から3名 |
Tokyo | JP | SC34 N1441 | SC34 N1506 | |
SC34 | 2010-09-10 | 10ヶ国,3リエゾン/34名, 日本から7名 |
Tokyo | JP | SC34 N1431 | ||
SC34/WG5 | 2010-09-09 | Tokyo | JP | SC34 N1474 | SC34 N1493 | ||
SC34/WG6 | 2010-09-08 | Teleconf | SC34 N1463 | SC34 N1496 | |||
SC34/WG1 | 2010-09-08/09 | 日本から1名 | Tokyo | JP | SC34 N1457 | SC34 N1495 | |
SC34/WG4 | 2010-09-06/08 | 日本から1名 | Tokyo | JP | SC34 N1467 | SC34 N1492 | SC34 N1520 |
SC34/WG2 | 2010-09-06 | 3ヶ国/7名,日本から3名 | Tokyo | JP | SC34 N1470 | SC34 N1490 | |
SC34/WG4 | 2010-08-19 | Teleconf | SC34 N1446 | ||||
SC34/WG6 | 2010-08-18 | 5ヶ国,1リエゾン/6名, 日本から0名 |
Teleconf | SC34 N1468 | SC34 N1478 | ||
SC34/WG4 | 2010-07-29 | Teleconf | SC34 N1446 | ||||
SC34/WG4 | 2010-07-08 | Teleconf | SC34 N1446 | ||||
SC34/WG6 | 2010-07-21 | 5ヶ国,1リエゾン/7名, 日本から1名 |
Teleconf | - | SC34 N1466 | ||
SC34/WG6 | 2010-06-23 | 8ヶ国,2リエゾン/12名, 日本から1名 |
Teleconf | - | SC34 N1448 | ||
SC34/WG5 | 2010-06-15/17 | Helsinki | FI | SC34 N1434 | - | ||
SC34/WG4 | 2010-06-15/16 | 6ヶ国,1リエゾン/17名, 日本から1名 |
Helsinki | FI | SC34 N1427 Rev. | SC34 N1458 | |
SC34/WG1 | 2010-06-14 | 3ヶ国/4名,日本から1名 | Helsinki | FI | SC34 N1421 | SC34 N1453 | |
SC34/WG1 | 2010-05-27 | 3ヶ国/5名,日本から1名 | Teleconf | SC34 N1436 | SC34 N1438 | ||
SC34/WG6 | 2010-05-26 | 5ヶ国,2リエゾン/9名, 日本から1名 |
Teleconf | - | SC34 N1443 | ||
SC34/WG4 | 2010-05-20 | 4ヶ国,1リエゾン/11名, 日本から1名 |
Teleconf | SC34 N1417 | SC34 N1452 | ||
SC34/WG4 | 2010-05-06 | 3ヶ国,1リエゾン/10名, 日本から1名 |
Teleconf | SC34 N1417 | SC34 N1451 | ||
SC34/WG6 | 2010-04-28 | Teleconf | SC34 N1423 | SC34 N1428 | |||
SC34/WG4 | 2010-04-22 | 6ヶ国,1リエゾン/12名, 日本から1名 |
Teleconf | SC34 N1417 | SC34 N1449 | ||
SC34/WG4 | 2010-04-08 | 9ヶ国,1リエゾン/16名, 日本から1名 |
Teleconf | SC34 N1417 | SC34 N1440 |
EPUBの作業がSC34で標準化されることが望ましいかどうかを議論するため,アドホクグループ4(AHG4)を設立し,そのコンビナおよびココンビナとして,それぞれ村田真(日本)およびYong-Sang CHO(韓国)を指名した.
XML等で表現されるデータの構造, データ型, データ制約の定義を行うDSDLに関して, 2010年度に議論された主なパートの動向を次に示す.各パートの規定概要については,以前の報告を参照されたい.
19757-2/Amd1をキャンセルして,19757の新partの生成を計画する.
ISO/IEC 19757-3の第2版に関するCD投票が行われ,DISテキストの準備が進められている.
ISO/IEC 19757-11のプロジェクトに対して,新directivesに規定されるプロセスを用いることにして,DISテキストを作成し,投票に入った.
文書のパッケージ化(ZIP)を国際規格にするためのNPは承認されなかった.そこでZIPフォーマットの調査期間を設けた後,ZIP仕様書(APPNOTE)を参照するマルチパート規格である文書コンテナファイルのPart 1 コアのNPを作成した.以前のNPとの大きな差異は,ZIP仕様書(APPNOTE)を参照することによって,PKWareのZIPとの乖離を生じさせないようにしたことである.
これまでに発行された多くのAmd.とCor.とを含めたISO/IEC 9541の第2版の作成のため,WG2の会議の中でテキストのレビューを行い,FCDテキストを完成した.
レンダリング結果において必要となる文書スタイルを保存したまま文書を交換し合うために,レンダリングシステムが共有しなければならない最小要件をネゴシェーションするための枠組みを規定する.そのパート2(文書レンダリングシステムのためのフォーマット指定)は,最小要件の規定内容に従って,文書レンダリングシステムに対してどのようにフォーマット指定を行うかの指針を与える.
パート2のCDテキストが承認された後,そのステータスをTRに変更することにして,CD投票コメントを反映したDTRテキストを作成し,DTR投票によって承認された.日本,ドイツ,英国から提出されたDTR投票コメントに対する対処に基づいて改訂テキストを作成し,出版用の最終テキストとした.9月のSC34総会の直後に,この投票対処会議(BRM)が開催された.P. Cotton(カナダ)がコンビナになり,各国が重要度が高い順に自国のコメントを1件ずつ議論して回るという手続きでコメント対処が行われた.しかし技術的コメントについて2回しか回せなかったため,一般的コメントについては何も議論されないまま時間切れになった.これらのコメント対処に対して,日本は反対の立場を変えなかった.
9月中旬になって,Minutes(SC34 N1506)が発行され,さらに遅れてConvener's Report(SC34 N1508)は発行され,このDISが承認されなかったことが報告された.
その後,OASIS UOML/TCからのリエゾンとしてP. Jungeが事前登録を行って3月のWG2会議に参加し,新版のUOMLをどのようにして国際規格化するのが適切かの打診を行った.
TMの規格を再構成してマルチパート化を図る作業が2003年度から継続されているが,2010年度に進捗があったパートの動向を示す.各パートの概要については,以前の報告を参照されたい.
10月を期限とするFDIS投票によって承認され,直ちに(11月に)国際規格として出版された.WG3の活動が停滞していたため,この投票と出版は唐突であった.
これまでに報告された多くの欠陥報告に応えるため,WG4はCor.とAmd.とで対応してきたが,それらに対して次の整理と内容追加を行った.
パート1, 4に対してプロジェクト細分割によってAmd.2の作業を開始した.
FDAMテキストが投票で承認された.これらのAmdは規格の対応するパートへの追加を含むが,欠陥報告で提示された課題を解決するために作成された.それでこれらは,無料になっているCor(技術訂正)と同様に利用されるとの判断から,無料化することを求める決定を行った.
Cor.1とAmd.1とを本文に組込んだテキストを,ISO/IEC 29500:2011として投票なしに発行することを決めた.
パート1, 4のAmd.2をAmd.1とし,PDAM投票を開始することにした.
このNPに対する投票は充分な賛同を得てプロジェクトが成立したが,プロジェクトエディタの提供および寄書の提出がないため,プロジェクトをキャンセルした.
NP投票コメントへの対処を受理し,そのNPの表題"Safe Extensions of Office Open XML File Formats"を変更して"Extensions of Office Open XML File Formats"とした.
PDTRテキストが投票で承認され.DTRテキストの作成が行われている.
ODF 1.0はISO/IEC 26300として制定されているが,広く使われている状態ではなく,アクセシビリティの機構も提供していない.ODF 1.1は広く使われていて,アクセシビリティの機構を提供しているが,まだ国際規格にはなっていなかった.そこで,ODF 1.1をISO/IEC 26300のAmd.1とすることにして,その作業が進められている.12月の北京会議では.近日中にFPDAMの手続きに入ることが合意された.
ODF1.2については,パブリックレビュー(SC34 N1460)が9月6日を期限として行われた.