2.3 情報技術標準化フォーラムの開催

2.3.1 XML/SGML

小町 祐史
松下電送システム(株)

(1) SGML/XMLの標準化戦略

XML(Extensible Markup Language)の基本となったSGML(Standard Generalized Markup Language)は, ISO/IEC JTC1によって開発・制定されて以来, 利用者グループ等の支援の下に緩やかな普及を続けてきた。そのコンセプトは,ISOのその後の活動によって, HyTime(Hypermedia/Time-based Structuring Language)としてさらに一般化されると共に, DSSSL(Document Style Semantics and Specification Language)などのフォーマット指定言語にも踏襲され, さらに一連の関連規格等によってSGML利用環境が充実してきた。

SGMLのサブセットとしてW3C(World Wide Web Consortium)によって開発されたXMLは, 関連業界の急速なXML導入によってその普及がさらに加速化されている。幾つかのXML関連規定は, 原案段階で実装され市場にリリースされている。このXMLの普及と業界の関心は, ISOにもフィードバックされ, SGML, HyTimeなどの部分的再検討が行われている。

(2) ISO/IEC JTC1/SC34の動向

SGMLを担当してきたJTC1/SC18/WG8は, その後新たな技術委員会JTC1/SC34として再構築された。このグループは, W3Cとは以前から積極的なLiaison関係を結び, 会議には常にW3Cのメンバ参加を得ている。

1997年には, XMLのコンセプトをSGMLに取り入れてXMLをSGMLの完全なサブセットに位置付けるためのTechnical Corrigendum(TC)が提案され, その後審議された他の訂正項目を含めて, TC2として出版された。XMLとの整合のための同様の検討は, HyTimeおよびTopic Mapに関しても行われている。

(3) 国内での関連規格等の整備

JTC1/SC34が開発した国際規格等のJIS(または標準情報(TR))化作業は, 国際との完全整合をめざして進められ, W3Cが開発しているXML関連勧告についても, 翻訳による標準情報(TR)の制定が推進されている。

まずXML(1997-12版)の翻訳が, 1998年5月にTR X 0008:1998として公表され, XML勧告(1998-02版)に適合したTRは, TR X 0008:1999として1999年5月に公表された。この際にTR X 0008:1998の解説に含まれていた日本語プロファイルは独立して, TR X 0015として公表され, その英語版はW3C NoteとしてW3CのWebに掲載されている。