日本語組版のDSSSLライブラリ

標準一般化マーク付け言語 SGML(JIS X 4151又はISO 8879)又は拡張可能なマーク付け言語 XML(TR X 0008)で記述された日本語のビジネス文書および一般書籍に対して, DSSSL(JIS X 4153)を用いてフォーマット指定を行う場合に用いるDSSSLライブラリを提供する。利用者は, このライブラリを用いることによって, 段組を変えたり要素の見栄えを変え, 日常頻繁に用いるフォーマットのDSSSL指定を行うことができる。

このTR X 0010は, まずDSSSLライブラリで扱う範囲の組版指定要素及びその指定パラメタについて規定する。その主要項目は次のとおりである。

TR X 0010が規定するDSSSLライブラリは次の4部分から成り, 図N.1に示すプロセスで利用する。

図4.1 DSSSLライブラリの構成
(1) 詳細パラメタ生成プログラム
DSSSLライブラリは, 日本語組版の標準的なデフォルト値を用意しているが, このデフォルト値では満足できない場合に, 簡易パラメタに必要な指定を与える。この指定は, 詳細パラメタ生成プログラムで解釈され, 詳細パラメタに変換される。
(2) 関数群
組版指定要素に対応するDSSSL記述上の関数群であって, 詳細パラメタで与えられた各種の指定をもとにconstruction ruleで使用するDSSSLの流し込みオブジェクト生成関数及びそのサポート関数から成る。
(3) ページモデル群
この標準情報(TR)が提供するDSSSLのページモデル記述であり, 詳細パラメタで与えられた各種の指定を使って対応するページモデルを与える。
(4) 特定DTDルール群
特定DTDに対応した具体的なDSSSL指定を与える部分であり, 詳細パラメタ, 関数群及びページモデル群を利用して具体的なDTDのタグに対応してDSSSLの流し込みオブジェクトを生成していくためのconstruction ruleを記述している。