CSS1の作業の目的は,HTML文書のための単純なスタイルシート機構を作成することにあった。現在の規定は,
ウェブ上でスタイルシートを実現するために必要な簡易性とより充実した視覚制御に対する著者からの要求との
バランスしたものとなっている。CSS1は,次を提供する。
CSS1は,次を提供しない。
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画素単位の制御。CSS1は,制御のレベルに関する簡潔さに価値を置く。背景画像とスタイル処理したHTMLとの合成は強力だが,
画素レベルの制御は可能ではない。
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著者の制御。著者は,特定のスタイルシートの利用の強制はできず,提示だけができる。
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レイアウト言語。CSS1は,テキストフロー,重複枠などの多重欄を提供しない。
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構文解析木についての豊富な問合わせ言語。他のスタイルシート言語(例えば,DSSSL[6])
は完全な問合わせ言語をもつが,CSS1は,構文解析木の祖先要素を探すだけとする。
次のいくつかの方向に,CSSが拡張される期待がある。
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紙。HTML文書の印刷のよりよいサポート。
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非視覚メディアのサポート。会話及び点字出力をサポートするために,属性及びそれに対応する値のリストを追加する作業が進行中である。
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カラー名。現在サポートされているリストは,拡張されるかもしれない。
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フォント。既存のCSS1フォント特性を補完するために,より正確なフォント規定のシステムが期待される。
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値及び属性。ベンダによる,値及び属性のCSS1集合への拡張提案が期待される。この方向の拡張は,規定としては些細だが,
異なるUA間での相互運用性としては重要となる。
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レイアウト言語。伝統的なデスクトップ出版における2次元レイアウトのためのサポート。
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他のDTD。CSS1は,いくつかのHTML固有な部分(例えば,'CLASS'属性及び'ID'属性の特別な状態)をもつが,
同様に他のDTDへ適用するために容易に拡張されることが望ましい。
CSSが次の方向に発展することは期待しない。