附属書F "Model and Semantics" Specifications IPP/1.0とIPP/1.1との違い

附属書Fは,IPP/1.1(この規定)とIPP/1.0[RFC2566]との違いを二つのリストに分けてまとめている。 章・節番号は, この規定の章・節番号を参照するもので, 幾つかは,RFC2566とは異なる。 ある変更が複数の章・節に影響する場合, 項目はまず始めに影響する最初の章・節を示し, その後, 残りの影響する章・節番号を指定する。

最初のリストは拡張及び明確化を含み, 2番目のリストはセマンティクス又は適合性の変更を含む。

備考  IPP/1.0のクライアント及びIPPオブジェクトの実装は, この規定の拡張及び明確化の幾つかを 実装してもよい。

次に示す拡張及び明確化は,この規定の中に盛り込まれている。

    a) 2.1 − 用語"client"は, エンドユーザによって制御されるソフトウェアに含まれるか, デバイスを制御するプリントサーバの一部のどちらかであり得ることを明確化した。
    b) 2.4 - 新しい"uri-authentication-supported" Printer Description 属性の記述を追加した。
    c) 3.1.33.1.63.2.5.2など − 操作属性自体のもつ状態コードのエラーの取り扱いを明確化した。
    d) 3.1.7 - 要求にあった属性を返すだけのすべての操作に関するUnsupported Attributesの返却を明確化するために新たに追加した。
    e) 3.1.7及び4.1 - "out-of-band",'unsupported','unknown'の符号化を明確化した。
    f) 3.1.8 - 版数のパラメタだけが, プロトコルの将来の主版数, 副版数に引き繋がれていくことを明確化した。
    g) 3.1.8 - IPP/1.1 Printersは'1.0'版をサポートすることが望ましいこと, 及びすべての前副数がサポートされる必要はないことを示した。
    h) 3.1.8 - 主版数に更新するための要求を軽減した。
    i) 3.1.9及び3.2.5 - 'processing'状態を, Create-Job操作の後に起こるジョブ状態のリストに追加した。
    j) 3.1.9 - スプール機能のないPrinterは, 0個以上の連続するジョブを一つのジョブの処理中に受け付けて, それらのフローを制御してもよいことを明確化した。連続する生成要求は, 'server-error-busy'のエラー状態で拒否される。
    k) 3.2.1.1 - "compression"操作属性の有効性, その"document-format"属性の有効性との関係, 及び返されるUnsupported Attributesを明確化した。
    l) 3.2.1.14.3.8B.1.4.16及びB.1.4.17 - 'client-error-compression-not-supported', 'client-error-compression-error'状態コード, 'unsupported-compression'及び 'compression-error'ジョブ状態理由を追加した。
    m) 3.2.1.1及び4.3.8 - 'unsupported-document-format'と'document-format-error'ジョブ状態理由を追加した。
    n) 3.2.24.3.8及びB.1.4.19 - 'client-error-document-access-error'状態コード及び'document-access-error'ジョブ状態理由を追加した。
    o) 3.2.6 - "limit"は, "which-jobs"及び"my-jobs'に優先するということを明確化した。
    p) 3.2.6.2 - Get-Jobsは, 返すジョブがないとき, 'successful-ok'を返すことを明確化した。
    q) 3.2.73.2.8及び3.2.9 − オプションとして, Pause-Printer, Resume-Printer及びPurge-Jobs操作を追加した。
    r) 3.3.53.3.6及び3.3.7 - オプションとして, Hold-Job, Release-Job及びRestart-Job操作を追加した。
    s) 4.1.9.1 - 'application/octet-stream'自動検知は生成要求時に起き, ジョブ処理及び文書処理時にも起こることを明確化した。
    t) 4.2 - xxx-supportedは, (1setOf(type3 keyword | name))などの配列に括弧を加えることによって複数のキーワード及び/又は名前をもつことを明確化した。
    u) 4.2.2 - 'indefinite'キーワード値を生成操作, Hold-Job及びRestart-Job操作で使用する"job-hold-until"属性に追加した。
    v) 4.2.2 - "multiple-document-handling"は, Printerがジョブ当たり複数の文書をサポートする場合, サポートされなければならないことを明確化した。
    w) 4.2.6 - さらに多くの列挙値を "finishings" Job Template属性に追加した。
    x) 4.3.7 - 何のジョブ状態を獲得できない転送サーバは, 新しい'queued-in-devise'ジョブ状態理由を返す場合に, 'completed'などのジョブ状態を返してもよい。
    y) 4.3.7.1 - Job StatesにPartitioningを追加した。
    z) 4.3.8 - 'job-data-insufficient'ジョブ状態理由を, 十分なデータが文書が処理されることを開始するために到着したかどうかを示すために追加した。
    aa) 4.3.8 − 'document-access-error'ジョブ状態理由をどのようなアクセスエラーをも示すために追加した。
    ab) 4.3.8 - 'job-queued-for-marker'ジョブ状態理由を, ジョブが幾つかの処理を完成したか, 実行を待機しているかどうかを示すために追加した。
    ac) 4.3.8 - 'unsupported-compression'及び'compression-error'のジョブ状態理由を, 生成が受け付けられた後, 未サポートの圧縮又は圧縮処理ラーを示すために追加した。
    ad) 4.3.8 - 'unsupported-document-format'及び'document-format-error'のジョブ状態理由を, 生成が受け付けられた後, 未サポート文書又は文書フォーマット処理エラーを示すために追加した。
    ae) 4.3.8 - 'queued-in-device'ジョブ状態理由を, 何のジョブ状態も供給しない印刷システム又はデバイスに転送されるジョブであることを示すために追加した。
    af) 4.4.3 - "uri-security-supported"は, 'none'がClient Authenticationを除外しないために, Client Authenticationとは無関係であることを明確化した。
    ag) 4.4.12 - 'moving-to-paused'キーワードをPause-Job操作に使用する"printer-state-reasons"属性に追加した。
    ah) 4.4.12 - 重複して使う'market-supply-low'キーワードを, "printer-state-reasons"属性で欠けている'toner-empty'キーワードに置き換えた。
    ai) 4.4.15 - 列挙値を新しい操作の"operations-supported"属性に追加した。この属性の値が幾つかの列挙を, すなわち32ビット値として符号化されていることを明確化した。
    aj) 4.4.36及び4.4.37 - オプションとして, "pages-per-minute"及び"pages-per-minute-color"のPrinter Description属性を追加した。
    ak) 4.4.30 - "printer-current-time"のdateTime値が "best efforts basis"にあることを明確化した。適当な日時が得られない場合, 実装は'no-value-time' 領域外値を返す。時間帯はデバイスの近くにいる人間が使用するものである必要はないこと, 及びクライアントはユーザの現地時間のdateTime属性を表示することが望ましいことを明確化した。 
    al) 5.1 - 何の応答も追加の属性グループ, 属性又は属性値を含むことを明確化した。
    am) 5.1 - クライアントは, チャネルがIPP Printerによってフロー制御されているとき, チャネルを妨げて, より低い層によって閉ざされないことに最善を尽くすことが望ましいをことを明確化した。
    an) 8.3 - 各Client Authentication 機構のURIの使用を明確化した。
    ao) 8.5 − 新しい操作者の操作でのセキュリティ検討を追加した。
    ap) B.1.4.16 - client-error-compression-not-supported(0x040F)を追加した。
    aq) B.1.4.17 - client-error-compression-error(0x0410)を追加した。
    ar) B.1.4.18 - client-error-document-format-error(0x0411)を追加した。
    as) B.1.4.19 - client-error-document-access-error(0x0412)を追加した。
    at) B.1.5.10 - server-error-multiple-document-jobs-not-supported (0x0509)を追加した。
    au) 附属書E - オプションとして, Directoryスキーマに"pages-per-minute"及び"pages-per-minute-color" Printer 属性を追加した。
    av) 附属書E - オプションとして, Directoryスキーマに "multiple-document-jobs-supported"を追加した。
    aw) 附属書E - 推奨として,Directoryスキーマに"uri-security-supported", "compression- supported", "ipp-versions-supported" を追加した。

次に示すセマンティクス及び/又は適合性は, この規定の中に盛り込まれている。

    a) 3.1.85.2.4及びB.1.5.4 - クライアント及びIPPオブジェクトは, IPP/1.1をサポートしなければならず, IPP/1.0をサポートすることが望ましい。
    b) 3.2.1.1及び4.4.32 - "compression"及び"compression-supported"属性をオプションから必す(須)に変更した。
    c) 3.2.1.2及び4.3.8 - "job-state-reasons"を推奨から必す(須)に変更して, "job-state-reasons"は生成操作応答において返されなければならない, とした。
    d) 3.2.43.3.14.4.16及び附属書E - Creat-Job及びSend-Documentが, 一つだけの文書ジョブをサポートしていても実装されてもよいに変更した。"multiple-document-jobs-supported"の論理型Printer Description属性をCreat-Job及びSend-Documentが複数の文書ジョブをサポートしているのかいないのかを示すために追加した。さらに, Directoryスキーマを追加した。
    e) 4.1.9 - 'text/Plain; charset=iso-10646-ucs-2'を, 2進数が'text'型として正しくないので削除した。
    f) 4.3.8 - "job-state-reasons"を, 推奨から必す(須)に変更した。
    g) 4.3.12 - オプションとして, 'dateTime'属性構文を'1.1'版の応答の使用のために, "time-at-creation", "time-at-processing"及び"time-at-completed"のJob Description属性に追加した。
    h) 4.3.12 - "time-at-creation", "time-at-processing" 及び"time-at-completed" Event Time Job Description属性をオプションから必す(須)に変更した。
    i) 4.3.12.4 - 必す(須)として"job-printer-up-time(integer(1:MAX))" Job Description属性を, ジョブ時間をかせぐ操作回数を減らすための"printer-up-time"の別名として追加した。
    j) 4.4.11 - 必す(須)として, "uri-authentication-supported(1setOf type2 keyword)" Printer Description 属性を各Printer URIに使用されるClient Authenticationを記述するために追加した。
    k) 4.4.11 - 'processing’状態にあるすべてのジョブのうち, 一つのジョブを実行している間に一つ以上のジョブ(rip)を解釈することをPrinterに認める"printer-state"を明確化した。
    l) 4.4.12 - "printer-state-reasons" Printer Description属性をオプションから必す(須)に変更した。
    m) 4.4.14 - 必す(須)として"ipp-versions-supported(1setOf keyword)" Printer Description 属性を, IPP/1.1 Printers が'1.0'版をサポートする必要がないので追加した。
    n) 4.4.16 - 必す(須)として"multiple-document-jobs-supported(boolean)"Printer Description属性を, クライアントがCreate-Jobs/Send-DocumentをサポートしているPrinterで複数の文書ジョブをサポートするかしないかを表すことができるように追加した。
    o) 4.4.24 - "queued-job-count" Printer Description 属性を推奨から必す(須)に変更した。
    p) 4.4.32 - "compression-supported (1setOf type3 keyword)"Printer Description属性をオプションから必す(須)に変更した。
    q) 5.1 - クライアントセキュリティ要求を, IPP/1.1 符号化及びトランスポートの規定[IPP-PRO]に定義されているクライアント認証でサポートする標準でないSSL3を, 推奨から必す(須)又は望ましいに変更した。これは, 領域ディレクタとの相談の上で決定される。クライアントは, IPP/1.1 符号化及びトランスポートの規定[IPP-PRO]に定義されている操作プライバシ及びサーバ認証をサポートすることが望ましい。
    r) 5.2.7 - IPPオブジェクトセキュリティ要求を, IPP/1.1 符号化及びトランスポートの規定[IPP−PRO]で定義されるクライアント認証のサポートを含む標準でないSSL3をオプションから必す(須)又は望ましいに変更した。これは, 領域ディレクタとの相談の上で決定される。Printerへの実装は, 管理者に0個以上のユーザが認証されるようにPrinterを構成することを認めてもよい。IPP Printer実装は, IPP/1.1 符号化及びトランスポートの規定[IPP−PRO]で定義される操作プライバシ及びサーバ認証のサポートを含んでいることが望ましい。Printer実装は,管理者に操作プライバシ及びサーバ認証のある程度のサポートを構成することを認めてもよい。

IPP/1.0 [RFC2565]と IPP/1.1 [IPP-PRO]と の違いに関しては, "IPP/1.1 符号化及びトランスポート" [IPP-PRO]の規定を参照のこと。