日本工業規格
JIS X 4167-1:2002
(ISO/IEC 10175-1:1996)文書印刷応用 (DPA)
第1部: 抽象サービス定義及び手続きDocument Printing Application (DPA)
Part 1: Abstract service definition and procedures
この規格は, 1996年に第1版として発行されたISO/IEC 10175 [Information technology — Text and office systems — Document Printing Application (DPA) — Part 1: Abstract service definition and procedures]について, 技術的内容を変更することなく日本工業規格として採用するために作成された。1.については,原国際規格の同項目を全文翻訳し, 2.以降については,それぞれ原国際規格の同項目の内容を引用するものとした。
JIS X 4167は, 次の3部から構成される。
JIS X 4167-1は, 次の内容を規定する。
文書印刷応用は, 最近の分散オフィスの印刷要件を充足するのに必要な機能及び規格の調和した集合の一つの構成要素とする。それが提供する能力は, 協調して, 利用者が高品質オフィス文書を, 一貫性のあるあいまいさのない方法で, 生成・生産することを可能にする。
特にJIS X 4167は, 分散形開放システム環境の利用者が, 地理的に分散することが多い共有プリンタに電子文書を送り, その文書を利用者の要望に応じて印刷させることを可能にする文書処理のあり方に言及する。JIS X 4167の目的のために, その文書は, 文書印刷応用の導入以前に送付先印刷システムと互換性のある形式で, 既に構成されているものとする。
他の規格は, 電子文書の生成及びフォーマット化, 並びに電子文書を印刷システムに転送するのに用いる基本プロトコルなどの, 文書処理の関連するあり方を扱う。 JIS X 4167は, これらの関連規格と適切に連携し, それらと共通な情報を共有する。2.は, この第1部に直接適用可能なそれらの規格を特定する。
JIS X 4167が定義する文書印刷応用は, 分散オフィス応用モデル(ISO/IEC 10031-1)のモデル, 体系的枠組み及び設計原理と一貫性をもつ。この文書印刷応用の規格は, サービスを定義し, 開放型システム間相互接続(OSI)の基本参照モデル(JIS X 5003)の応用層で利用可能なアクセスプロトコルを規定する。
さらに, 印刷システムはさまざまなネットワーク環境の内外で動作可能とする潜在的要件が確認されている。特に文書印刷応用は, Internet Engineering Task Force(IETF), Desktop Management Task Force, IEEE Computer SocietyのPOSIX project, X/Openなどの他の場所での関連する標準化活動に寄与し, そこから寄与を受けた。
文書印刷応用は, 文書処理サイクルの最終段階, つまり, マーク付けエンジン, 並びに他の画像生成装置及び補助機器における完全組み版済み形式の文書の待ち行列, 準備, 可視化及び仕上げ, を構成する。このサイクルは, 文書生成, 公衆網及び専用網を通した文書交換などの他の処理を含む。
JIS X 4167は, すべての文書処理機能要件の次に示す部分集合の充足を指向する。
したがって, JIS X 4167が定義する抽象サービスは, 確実な印刷ジョブのスケジューリング及び生成に関する利用者の要望を表現するために必要なパラメタに従って, 利用者が文書ファイルを文書印刷サーバに運ぶことを可能にする。さらに抽象サービスは, 利用者が, 能力, フォーマット, 調達の便, 費用, 所属, 利用可能性に応じて多様な印刷装置から選択するために, 文書印刷サーバの状態, 能力及び特性について調べることを許容する。
抽象サービスは, 利用者が, ジョブについて調べ, ジョブの特性及び進行を変更して, ジョブに関するフィードバックを得ることも許容する。
多くの異なった文書フォーマットが, 印刷目的に開発されてきた。そしてそれらは, 広く利用されている。そこで, 文書印刷応用は, 任意の文書フォーマットを透過的な方法で支援することを視野に入れて開発された。つまり, 電子文書の固有内容又は固有フォーマットは, JIS X 4167が定義するアクセスプロトコルには依存しない。唯一の要件は, 宛先印刷システムが転送された文書のフォーマットを扱えて, その文書を成功裏に可視化するのに必要な機能をもつこととする。
しかし, このフォーカスの一般性にも関わらず, JIS X 4167は特に, 標準ページ記述言語(SPDL, JIS X 4154)との連携への指向性をもつ。それによって, DPAが, SPDL文書の転送及び正確な可視化の支援に必要な機能を含むことを確実にする。
備考 | この規格の対応国際規格を次に示す。 なお, 対応の程度を表す記号は, ISO/IEC Guide21に基づき, IDT(一致している), MOD(修正している), NEQ(同等ではない)とする。 ISO/IEC 10175 [Information technology — Text and office systems — Document Printing Application (DPA) — Part 1: Abstract service definition and procedures (IDT) |
ISO/IEC 10175-1:1996の 2. Normative references による。
ISO/IEC 10175-1:1996の 3. Definitions による。
ISO/IEC 10175-1:1996の 4. Abbreviations による。
ISO/IEC 10175-1:1996の 5. Conventions による。
ISO/IEC 10175-1:1996の 6. DP abstract model による。
ISO/IEC 10175-1:1996の 7. Abstract-association information による。
ISO/IEC 10175-1:1996の 8. Abstract-operations による。
ISO/IEC 10175-1:1996の 9. Print-service attributes による。
ISO/IEC 10175-1:1996の 10. Overview による。
ISO/IEC 10175-1:1996の 11. Supply of the DP-User abstract-service による。
ISO/IEC 10175-1:1996の 12. Supply of the DP-administrator abstract-service による。
ISO/IEC 10175-1:1996の 13. Port realization による。
ISO/IEC 10175-1:1996の Annex A Formal assignment of DPA standard object identifiers による。
ISO/IEC 10175-1:1996の Annex B Formal definition of DPA abstract service による。
ISO/IEC 10175-1:1996の Annex C Formal definition of DPA standard attributes による。
ISO/IEC 10175-1:1996の Annex D Formal definition of DPA standard parameter upper and lower bounds による。
ISO/IEC 10175-1:1996の Annex E Conformance requirements による。
ISO/IEC 10175-1:1996の Annex F Document Format Definitions による。
ISO/IEC 10175-1:1996の Annex G List of Object Identifier Characteristics による。
ISO/IEC 10175-1:1996の Annex H Future Work による。