資源定義

資源は,提示プロセスの環境内で利用可能な,特定のクラスの情報 オブジェクトとする。 次に示す資源のクラスを,この規格で定義し,使用する。

and . The semantics of the resources are defined in the clauses which specify content processing. ]]> これら資源の各々のクラスに対して,この規格では, 文書の処理における資源の利用方法及び資源を使うことの効果を定める。 資源の定義及びアクセスに用いられる構造要素群の構造と処理について は,及びで定める。 資源の意味は,内容処理を規定する箇条で定義する。

一般事項

資源定義

この規格で定める資源は,資源定義構造要素によって定義する。 資源定義構造要素は,次のいずれかの構造要素の下位にあってもよい。

環境内資源の下位にある資源定義は,提示プロセスの環境内に 取り入れるために資源を定義する。 その資源定義の有効範囲は,システム依存とする。

文書の下位にある資源定義は, その文書の処理で使用するために資源を定義する。 その資源定義の有効範囲は,その資源定義の 最も近い上位ブロックの中にあり, 並び順の上ではその資源定義に続くすべての構造要素の集合及びそれらの すべての下位要素群とする。

資源の識別

提示プロセスの環境内での資源は,次のものの組合せによって識別する。

  • 資源クラス
  • 環境内識別子

環境内識別子は,資源をあいまいさなく識別するために,ある特定の資 源クラスの内部で一意であることだけが要求される。

環境内資源構造要素の下位にある資源定義は, 環境内識別子をその提示プロセスの環境内で定義されている資源に結合する。 この結合の有効範囲は,システム依存とする。

文書中の資源定義は,その文書の処理のために, ある環境内識別子を定義された資源に結合する。 この結合の有効範囲は,その結合を定義する資源定義の 最も近い上位ブロックの中にあり, 並び順の上ではその資源定義に続くすべての構造要素の集合とする。

資源定義解除

提示プロセスの環境内の資源は,資源定義解除構造要素によって その定義を解除することができる。 資源の定義解除の結果, その資源とその資源を識別する環境内識別子の結びつきは無効になり, 以後その環境内識別子によってその資源を参照することはできなくなる。

資源参照オブジェクト

. ]]> 文脈辞書を例外として,内容処理中で使われる資源は,参照オブジェクト によって表現される。 資源を表現するために用いる参照オブジェクトの型は,に示すとおり, その資源のクラスに依存する。 資源 参照オブジェクト 文脈辞書 辞書参照 指標付きフォント 辞書参照 グリフ指標対応表 ベクタ参照 色空間 ベクタ参照 データソース ストリームオブジェクト フィルタ オクテット列参照 パターン 辞書参照 フォーム 辞書参照

資源宣言

資源を使用する文書は,使用する資源を資源宣言内で宣言しなければならない。 この宣言によって,解釈文脈の一部として資源を内容プロセサで利用することが 可能になる。

資源宣言は,資源を参照する参照オブジェクトに,何らかの名前を結合する。 文脈辞書を除いて, 資源宣言によって宣言された資源は,次のいずれかを実行することで 内容処理のために利用することが可能になる。

  • 資源クラス識別子及び資源宣言を用いて資源に結びつけられた 名前を引数とするFindResource演算子。
  • 資源宣言によって指標付きフォントに結び付けられた名前を 引数とするFindFont演算子。

文脈辞書は,これとは対照的に,文脈宣言又は文脈追加構造要素 を用いて文脈スタックに文脈辞書を置くことによって利用可能になる。

RESOURCE DEFINITION -> RESOURCE DECLARATION ]]> 資源宣言の有効範囲,及び 資源宣言による参照オブジェクトへの名前の結合の有効範囲は, その資源宣言の最も近い上位ブロックの中にあり, 並び順の上ではその資源定義に続くすべての構造要素の集合及び それらのすべての下位要素群とする。 資源宣言による参照オブジェクトと名前との結合の効果は, 同じブロック内又は下位ブロック内の 後続の資源宣言によって覆すことができる。

環境内資源(ENVIRONMENT RESOURCE)

環境内資源構造要素は,次に示す直接の下位要素群からなる複合構造要素 とする。

  • 0個以上の外部宣言構造要素
  • 0個又は1個の参考情報宣言構造要素
  • 任意の順序で現われる0個以上の資源宣言又は文脈追加構造要素
  • 1個の資源定義又は資源定義解除構造要素

これらは,ここに示したとおりの順序で現れなければならない。

資源定義解除(RESOURCE UNDEFINITION)

資源定義解除構造要素は,次に示す直接の下位要素群からなる複合構造要素 とする。

  • 1個の資源クラス識別子構造要素
  • 1個の環境内資源識別子構造要素

これらは,ここに示したとおりの順序で現れなければならない。

環境内資源の処理

環境内資源構造要素の処理は, システム依存の管理方針,及びシステム資源の利用可能性に依存する。 それは,次のいずれであってもよい。

  • ここで述べるとおりに環境内資源構造要素を処理する。
  • 環境内資源構造要素を無視する。

管理方針及びシステム資源の利用可能性,及び 環境内資源処理の効果は, 環境内資源ごと,又その都度異っていてもよい。

下位の資源定義

下位要素として資源定義をもち,無視されない環境内資源構造要素 の処理は,次の各段階からなる。

  1. 環境内資源構造要素用のブロック状態を生成する。
  2. 下位に外部宣言構造要素があれば,それを処理する。
  3. 下位に資源宣言又は文脈追加構造要素があれば, それを処理する。
  4. 下位の資源定義構造要素を処理する。
  5. 段階1で生成したブロック状態を破棄する。

下位の資源定義の処理が,構造エラー又は構造警告になった場合, 構造エラーが発生する。

下位要素の資源定義解除

下位要素として資源定義解除をもち,無視されない 環境内資源構造要素の処理は, 下位の環境内資源識別子の値である環境内識別子と, 提示プロセスの環境内の次の条件を満たす任意の資源との 結合を解除する。

  • 下位の資源クラス識別子によって指定される資源クラスである。
  • 下位の環境内資源識別子の値によって識別される。

提示プロセスの環境内にこれらの条件を満足する資源がない場合, 構造警告が発生する。

その資源が提示プロセスの環境から実際に削除されるかどうかは, システムに依存する。 その資源が2個以上の環境内識別子によって識別されている場合,システムは, その資源自体を削除(その資源への他の環境内識別子の結合も削除)して もよく,又はその資源への現環境内識別子の結合だけを削除(資源自体及び他 の環境内識別子の結合は保持)してもよい。

資源定義(RESOURCE DEFINITION)

資源定義構造要素は,次に示す直接の下位要素群からなる複合構造要素 とする。

  • 1個の資源クラス識別子構造要素
  • 1個の環境内資源識別子構造要素
  • 1個の資源仕様構造要素

これらは,ここに示したとおりの順序で現れなければならない。

資源クラス識別子(RESOURCE CLASS IDENTIFIER)

. ]]> 資源クラス識別子構造要素は,基底構造要素とする。 資源クラス識別子構造要素の値の型は,列挙型とする。 この型の値,及びその値によって識別する資源のクラスは,に示すとおりとする。 資源のクラス Dictionary 文脈辞書 IndexedFont 指標付きフォント GlyphIndexMap グリフ指標対応表 ColorSpace 色空間 DataSource データソース Filter フィルタ Pattern パターン Formフォーム

環境内資源識別子(ENVIRONMENT RESOURCE IDENTIFIER)

環境内資源識別子構造要素は,基底構造要素とする。 環境内資源識別子構造要素の値は,環境内識別子型の値とする。

環境内資源の下位要素である環境内資源識別子の値は, オブジェクト識別子又は登録済み公開識別子とする。

資源仕様(RESOURCE SPECIFICATION)

資源仕様構造要素は,次のいずれかとする

  • 辞書仕様構造要素
  • フォント仕様構造要素
  • グリフ指標対応表仕様構造要素
  • 色空間仕様構造要素
  • データソース仕様構造要素
  • パターン仕様構造要素
  • フォーム仕様構造要素

この規格が定義するフィルタ仕様構造要素は、ない。

資源定義の処理

資源定義構造要素の処理は,次の各段階からなる。

  1. 資源仕様が,直接の下位要素資源クラス識別子の値によって 指定する資源クラスの資源を定義することを確認する
  2. 資源を定義するために直接の下位にある要素資源仕様を処理する
  3. 資源定義の有効範囲内で,提示プロセスの環境に 直接の下位にある要素資源仕様によって定義された資源を追加する
  4. 資源定義の有効範囲内で, 直接の下位にある要素資源仕様によって定義された資源に その環境内資源識別子の値を結びつける

資源仕様によって定義された資源が, 資源クラス識別子の値によって識別される資源クラスの資源ではない場合, 構造警告が発生する。

資源定義が文書の下位にある要素で, かつ資源仕様で定義された資源を 利用可能空間の制限のために,提示プロセスの環境に追加できない場合, 構造エラーが発生する。

提示プロセスの環境内に次に示す二つの条件を共に満たす資源がある場合, その資源への環境内資源識別子の値の結合は, その資源定義の有効範囲内では, 段階4で定義した結合によって置き換えられる。

  • 資源クラスの資源によって指定される資源クラスである。
  • 環境内資源識別子の値によって提示プロセスの環境内で識別される。

資源宣言(RESOURCE DECLARATION)

資源宣言構造要素は,次に示す直接の下位にある要素群からなる複合構造要素 とする。

  • 1個の資源クラス識別子構造要素
  • 1個の内部資源識別子構造要素
  • 1個の環境内資源識別子構造要素

これらは,ここに示したとおりの順序で現れなければならない。

内部資源識別子(INTERNAL RESOURCE IDENTIFIER)

内部資源識別子構造要素は,基底構造要素とする。 内部資源識別子の値は,名前型の値とする。

資源宣言の処理

資源宣言構造要素の処理は,次の各段階からなる。

  1. ; ]]> で規定するとおりに,宣言済みの資源を識別する
  2. ; ]]> で規定するとおりに, 直接の下位にある要素内部資源識別子の値を参照オブジェクトに結合する
  3. 参照オブジェクト及び資源を,最も近い上位ブロックのブロック状態の 宣言済み資源の集合に追加する

資源の識別,及び名前の結合の処理は, からで規定する。

資源の識別

次の二つの条件を満たす資源定義が,資源宣言の文脈内にある場合, 宣言済み資源は,次の二つ条件を満たす 最も近い上位の資源定義によって定義された資源とする。

  • 資源クラス識別子によって規定された資源クラスの資源を定義する
  • その資源を参照する参照オブジェクトへ, 環境内資源識別子の値と同じ値の環境内識別子を結びつけている

そのような資源定義がない場合, 次の二つの条件を満たす資源が提示プロセスの環境内にあれば, それが宣言される資源となる。

  • 資源クラス識別子によって指定される資源クラスの資源である。
  • 環境内資源識別子の値によって提示プロセスの環境内で 識別される資源である。

名前の結合

RESOURCE DEFINITION -> RESOURCE DECLARATION ]]> 宣言した資源を参照する参照オブジェクトへの 内部資源識別子の値の結合の有効範囲は, 同一のブロック又は下位のブロック中にある後方の資源宣言によっ て覆されない限り,その内部資源識別子を含む資源宣言の 最も近い上位ブロックの中にあり, 並び順の上ではその資源宣言に続くすべての構造要素の集合 及びそれらのすべての下位にある要素群とする。

資源宣言が,先行する他の資源宣言の有効範囲内で, 先行する他の資源宣言と同じクラスの資源を参照する参照オブジェクトに 同じ名前を結合する場合, 後から行われた結合のほうが,それ自身の有効範囲内では優先される。

資源がない場合

資源クラス識別子の値によって指定されるクラスに属し,かつ環境内資 源識別子の値によって識別される資源が存在しない場合,構造処理エラー 及び警告は発生しない。 しかし,最も近い上位ブロックのブロック状態の変更は,行われない。 その資源宣言を処理することによって,内部資源識別子の値である 名前が参照オブジェクトに結合されることもない。 結果として,トークン列の内容の処理中における,その名前を用いた資 源への参照は,内容処理エラーとなる。

文脈辞書

文脈辞書は,辞書仕様構造要素によって定義される辞書とする。 文脈辞書は,その文脈辞書を定義する辞書仕様が処理された後では変更できない。

. The term "Context Dictionary" is not a generic term for any Dictionary on the Context Stack, but refers explicitly to a Dictionary created by DICTIONARY SPECIFICATION. When a distinction is necessary, the term "non-context Dictionary" shall be used to indicate any Dictionary that is not a Context Dictionary. ]]> 辞書は,で定義する。 用語文脈辞書は, 文脈スタック上の任意の辞書を示す一般的な用語ではなく, 辞書仕様によって作られた辞書を明示的に参照する用語とする。 区別する必要がある場合,用語非文脈辞書を, 文脈辞書以外の任意の辞書を示すものとして使用する。

辞書仕様(DICTIONARY SPECIFICATION)

辞書仕様構造要素は,次に示す直接の下位にある要素群からなる複合構造要素 とする。

  • 1個以上のトークン列構造要素

これらは,ここに示したとおりの順序で現れなければならない。

辞書仕様の処理

辞書仕様構造要素の処理は,次の各段階からなる。

  1. 次に示すものを与えて内容プロセサを呼び出す。
    • 辞書仕様の直接の下位にある要素である トークン列構造要素群の値を連結することによって得られる内容値
    • ; ]]> 最も近い上位ブロックのブロック状態から得られる解釈文脈 (で規定)。
  2. 内容処理の完了時に,内容プロセサが返す仮想機械状態のオペランド スタックの一番上の要素が辞書参照であることを確認する
  3. 内容プロセサが返す仮想機械状態のオペランド スタックの一番上にある辞書参照で参照される辞書を,読み込み専用にする

内容プロセサが返す仮想機械状態のオペランド スタックの一番上にある辞書参照で参照される辞書を, その資源仕様によって定義された文脈辞書と呼ぶ。

内容プロセサが返す仮想機械状態のオペランド スタックの一番上の要素が辞書参照ではない場合, または内容プロセサが返す状態が正常ではない場合, 構造警告を発生する。

色空間

. ]]> 色空間は,で規定する構造をもつベクタである 色空間オブジェクトによって表現される。

色空間ファミリ識別子

各色空間は,色空間ファミリの一員とする。 色空間オブジェクトの最初の要素は,色空間ファミリ識別子とする。 色空間ファミリ識別子は, ISO/IEC 646を用いて符号化された色空間ファミリを識別する (ISO/IEC 9070で定義された)公開識別子の正規文字列形式を 含むオクテット列を参照するオクテット列参照とする。

. ]]> 各提示プロセスは,サポートできる各色空間ファミリに対して 色空間ファミリ識別子をもつ。 この規格で定義する色空間ファミリ,及び対応する各色空間ファミリ識 別子によって参照されるオクテット列の内容によって表現される公開識 別子は,のとおりとする。 色空間ファミリ 公開識別子(正規文字列形式) DictionaryContext Dictionary IndexedFontIndexed Font GlyphIndexMapGlyph Index Map ColorSpaceColor Space DataSourceData Source FilterFilter PatternPattern FormForm

色空間仕様(COLOR SPACE SPECIFICATION)

色空間仕様構造要素は,次に示す直接の下位にある要素群からなる複合構造要素 とする。

  • 1個の色空間ファミリ識別子構造要素
  • 0個又は1個の原色集合識別子構造要素
  • 1個以上のトークン列構造要素

これらは,ここに示したとおりの順序で現れなければならない。

色空間ファミリ識別子(COLOR SPACE FAMILY IDENTIFIER)

色空間ファミリ識別子構造要素は,基底構造要素とする。 色空間ファミリ識別子構造要素の値は,公開オブジェクト識別子型の値とする。 . ]]> この規格で定義する公開オブジェクト識別子値に対するオブジェクト名,及び 色空間ファミリ識別子によって識別される色空間ファミリは,のとおりとする。 オブジェクト名 色空間ファミリ ColorSpaceFamily::CIELABCIELAB ColorSpaceFamily::CIELUVCIELUV ColorSpaceFamily::CIEBasedABCCIEBasedABC ColorSpaceFamily::CIEBasedACIEBasedA ColorSpaceFamily::DeviceRGBDeviceRGB ColorSpaceFamily::DeviceCMYKDeviceCMYK ColorSpaceFamily::DeviceKXDeviceKX ColorSpaceFamily::DeviceGrayDeviceGray ColorSpaceFamily::IndexedIndexed ColorSpaceFamily::NamedColorNamedColor

原色集合仕様(PRIMARY SET SPECIFICATION)

原色集合仕様は,色空間で参照される色パラメタを特徴付ける ヒントを提供する。 原色集合仕様は,色データを生成する際の基準となる原色の集合を規定する。 この情報は,装置色空間に対して有益であり,パラメタ化された色指定 から装置の色材への無指定時の対応付けに影響を与えるために用いてもよ い。 色座標による(CIEに基づく)色空間の処理では,無視してもよい。

原色集合識別子構造要素は,次のうちのいずれかとする

  • 原色集合識別子構造要素
  • 原色リスト構造要素

原色集合識別子(PRIMARY SET IDENTIFIER)

原色集合識別子構造要素は,基底構造要素とする。 原色集合識別子構造要素の値は,公開オブジェクト識別子型の値とする。 この規格では,原色集合識別子の公開オブジェクト識別子値を定義しない。

原色リスト(PRIMARIES LIST)

原色リスト構造要素は,次に示す直接の下位にある要素群からなる複合構造要素 とする。

  • 1個以上の原色識別子構造要素

原色識別子(PRIMARY COLOR IDENTIFIER)

原色識別子構造要素は,基底構造要素とする。 原色識別子構造要素の値は,公開オブジェクト識別子型の値とする。 この規格では,原色識別子の公開オブジェクト識別子値を定義しない。

色空間仕様の処理

色空間仕様構造要素の処理は,次の各段階からなる。

  1. 次に示すものを与えて内容プロセサを呼び出す
    • 色空間仕様の直接の下位にある トークン列構造要素の値を結合することによって得られる内容値
    • , with the exception of the replacement of the Operand Stack of the Virtual Machine State with an Operand Stack consisting of a single element which is the Color Space Family Identifier for the Color Space Family identified by the value of the COLOR SPACE FAMILY IDENTIFIER. ]]> 最も近い上位ブロックのブロック状態から得られる解釈文脈 (で規定)。 ただし,その仮想機械状態のオペランドスタックは, 色空間ファミリ識別子の値によって識別される 色空間ファミリに対応する色空間ファミリ識別子だけを 唯一の要素として含むオペランドスタックで置き換える。
  2. 内容処理の完了時に,内容プロセサが返す仮想機械状態のオペランド スタックの一番上の要素がベクタ参照であることを確認する。
  3. 被参照ベクタの要素のうち指標値0に対応するものが,内容プロセサを 呼び出した際の仮想機械状態のオペランドスタックの一番上にあった色 空間ファミリ識別子であることを確認する。

内容プロセサが返す仮想機械状態のオペランド スタックの一番上にあるベクタ参照によって参照されるベクタ(又はベクタ参照自身)を, その色空間仕様によって定義される色空間オブジェクトと呼ぶ。

, if the element of the referenced Vector corresponding to the index value of zero is not the same as the OctetStringReference on the top of the Operand Stack of the Virtual Machine state of the call to the Content Processor, or if the status returned by the Content Processor is other than OK. ]]> 内容プロセサが返す仮想機械状態のオペランド スタックの一番上の要素がベクタ参照ではない場合, 参照されたベクタがで定義される色空間オブジェクトではない場合, 参照されたベクタの指標0の要素が 内容プロセサを呼び出した際の仮想機械状態のオペランド スタック上のオクテット列参照と同じではない場合, 又は内容プロセサが返す状態が正常ではない場合には, 構造警告を発生する。

標準の色空間資源

. ]]> この規格では,幾つかの色空間資源を識別する公開オブジェクト識別子値を 定義する。 それらの色空間それぞれに対するベクタ参照によって参照されるベクタ は,その色空間ファミリに対する色空間識別子である単一の要素からなる。 この規格で対応する公開オブジェクト識別子値を定義するオブジェクト 名及びそれらの値によって識別される色空間の色空間ファミリは のとおりとする。 オブジェクト名 色空間ファミリ ColorSpace::DeviceRGBDeviceRGB ColorSpace::DeviceCMYKDeviceCMYK ColorSpace::DeviceKXDeviceKX ColorSpace::DeviceGrayDeviceGray

データソース

. ]]> データソースは,で 定義するストリームオブジェクトによって表される。

データソース仕様(DATA SOURCE SPECIFICATION)

データソース仕様は,次のいずれかとする。

  • 位置識別子構造要素
  • データブロック構造要素

データブロック(DATA BLOCK)

データブロック構造要素は,基底構造要素とする。 データブロック構造要素の値は,オクテット列型の値とする。

データブロック構造要素の値は,オクテットの並びを表現する。 データブロックによって表現されるオクテットの並びは,次に示すとお り,用いられている構造表現交換様式に依存する。

  • 平文構造表現交換様式が用いられる場合, データブロック構造要素の値は,ASCII85符号を用いて符号化された オクテットの並びを表現する。
  • 進構造表現交換様式が用いられる場合, データブロック構造要素の値は,オクテットの並び自身を表現する。

データブロック構造要素の値によって表現されるオクテットの並びの決定 は,データソース仕様構造要素によって定義されたストリームオブジェクトの 生成の一部として暗黙的に実行される。

データソース仕様の処理

位置識別子データソース仕様の処理

位置識別子であるデータソース仕様の処理は,次の各段階からなる。

  1. その位置識別子によって識別されるデータブロックを識別する
  2. 段階1で識別したデータブロックを含み,データ終了の印までの オクテットの列からなるデータに対して,データソース資源を定義する。

段階2で定義されたデータソース資源を, そのデータソース仕様によって定義されたデータソース資源と呼ぶ。

データブロックデータソース仕様の処理

データブロックであるデータソース仕様の処理は, データブロック構造要素の直接の下位にある要素の値から, データ終了の印までの オクテットの並びからなるデータに対するデータソース資源の定義からなる。 オクテットの並びは,用いられる構造表現交換様式に依存する。

  • to the sequence of octets which comprise the value of the DATA BLOCK structure element. ]]> データブロック構造要素が平文構造交換様式を用いて符号化されている 場合,そのオクテットの並びは,そのデータブロック構造要素の値を構 成するオクテットの並びにで定義する ASCII85フィルタを適用した結果からなる。
  • データブロック構造要素が2進構造交換様式を用いて符号化されている 場合,そのオクテットの並びは,そのデータブロック構造要素自身の値 からなる。

標準データソース資源

. ]]> この規格は,データソース資源を識別する 2個の公開オブジェクト識別子値を定義する。 この規格で定義する公開オブジェクト識別子に対するオブジェクト名 ,及びその値によって識別されるデータソースは, のとおりとする。 オブジェクト名 データソース DataSource::DocumentDocument

. ]]> データソース資源で定義するとおりに内容プロセサによって処理されている内容 値中のトークンに含まれるデータを表す。

フィルタ

. ]]> フィルタ資源は,フィルタ識別子を用いて表現する。 フィルタ識別子は, フィルタを識別する(ISO/IEC 9070で定義された)公開識別子の正規文字列形式を 含むオクテット列を参照するオクテット列参照とする。 この規格で定義するフィルタ資源,及び 個々の対応するフィルタ識別子で参照されるオクテット列の内容によって 表現される公開識別子は,のとおりとする。 フィルタ 公開識別子(正規文字列形式) ASCIIHexDecodeISO/IEC 10180//Filter::ASCIIHexDecode ASCII85DecodeISO/IEC 10180//Filter::ASCII85Decode RunLengthDecodeISO/IEC 10180//Filter::RunLengthDecode CCITTFaxDecodeISO/IEC 10180//Filter::CCITTFaxDecode NullDecodeISO/IEC 10180//Filter::NullDecode

フィルタの資源仕様

この規格では,フィルタ資源を定義する資源仕様構造要素は定義しない。 提示プロセスの環境内に導入されたフィルタ資源を提示プロセスの環境内に 組み込むプロセスは,この規格の適用範囲外とする。

標準のフィルタ

. The Object Names for which Public Object Identifier values are defined by this International Standard, and the Filter resources identified by those values, are shown in . ]]> この規格は,で定義するフィルタそれぞれに 対するフィルタ資源を識別する公開オブジェクト識別子値を定義する。 この規格で定義する公開オブジェクト識別子値に対するオブジェクト名及び それらの値で識別されるフィルタ資源は,のとおりとする。 オブジェクト名 フィルタ Filter::ASCIIHexDecodeASCIIHexDecode Filter::ASCII85DecodeASCII85Decode Filter::RunLengthDecodeRunLengthDecode Filter::CCITTFaxDecodeCCITTFaxDecode Filter::NullDecodeNullDecode

パターン

. ]]> パターンは,で定義するとおり, パターン辞書によって表現する。

パターン仕様(PATTERN SPECIFICATION)

パターン仕様構造要素の値は,次に示す直接の下位にある要素からなる複合 構造要素とする。

  • 1個以上のトークン列構造要素

パターン仕様の処理

パターン仕様構造要素の処理は,次の各段階からなる。

  1. 次に示すものを与えて内容プロセサを呼び出す
    • パターン仕様の直接の下位にある トークン列構造要素群の値を連結することによって得られる内容値
    • ; ]]> 最も近い上位ブロックのブロック状態から得られる解釈文脈 (で規定)。
  2. 内容処理の完了時に,内容プロセサが返す仮想機械状態のオペランド スタックの一番上の要素が辞書参照であることを確認する

内容プロセサが返す仮想機械状態のオペランド スタックの一番上にある辞書参照で参照される辞書を, そのパターン仕様によって定義されたパターン辞書と呼ぶ。

内容プロセサが返す仮想機械状態のオペランド スタックの一番上の要素が辞書参照ではない場合, 又は内容プロセサが返す状態が正常ではない場合, 構造警告を発生する。 パターン仕様によって定義された パターンオブジェクトが,妥当なパターン辞書ではない場合, 構造プロセサは,構造警告を発生してもよいが,必ずしもそうする必要はない。

フォーム

. ]]> フォームは,で定義するとおり フォーム辞書によって表現する。

フォーム仕様(FORM SPECIFICATION)

フォーム資源仕様は,次に示す直接の下位にある要素群からなる 複合構造要素とする。

  • 1個以上のトークン列構造要素

フォーム仕様の処理

フォーム仕様構造要素の処理は,次の各段階からなる。

  1. 次に示すものを与えて内容プロセサを呼び出す
    • フォーム仕様の直接の下位にある トークン列構造要素群の値を連結することによって得られる内容値。
    • ; ]]> 最も近い上位ブロックのブロック状態から得られる解釈文脈 (で規定する)。
  2. 内容処理の完了時に,内容プロセサが返す仮想機械状態のオペランド スタックの一番上の要素が辞書参照であることを確認する

内容プロセサが返す仮想機械状態のオペランド スタックの一番上にある辞書参照で参照される辞書を, そのフォーム仕様によって定義されたフォーム辞書と呼ぶ。

内容プロセサが返す仮想機械状態のオペランド スタックの一番上の要素が辞書参照ではない場合, 又は内容プロセサが返す状態が正常ではない場合, 構造警告を発生する。 フォーム仕様によって定義された フォームオブジェクトが,妥当なフォーム辞書ではない場合, 構造プロセサは,構造警告を発生してもよいが,必ずしもそうする必要はない。