この規格は、1995年に発行されたISO/IEC 10180 [Information Technology - Processing Languages - Standard Page Description Language (SPDL)] を翻訳し、技術的内容及び規格票の様式を変更するこ となく作成した日本工業規格である。
1970年代初めにおけるレーザプリンタの開発によって、文字テキストだけでなく多様な図形的素材をも含んだ文書を、安価に印刷することが可能となった。 その結果、文書作成システムからそれらのプリンタの能力を活用可能にする、標準プリンタインタフェースに対する関心が高まった。 それらインタフェースを提供しようとする初期の試みは、大別して二つの方向をとった。 その一つは、プリンタに付加された能力を利用可能にするために既存のプリンタインタフェースを改良すること、もう一つは、新しい印刷技術が提供する強力な画像生成能力によりふさわしい、新たな文書記述方式を開発することであった。 これらの試みのうちで最も成功を収めているのは、その当時のテキスト 印刷に関する技法又は規格から離れ、計算機言語のモデルに基づいた技法を積極的に取り入れたものである。 それらのプリンタインタフェースは、"ページ記述言語(Page Description Languages)"又は"PDL"として知られている。
この規格は,テキスト及び図形的素材からなる文書を紙及びその他の媒 体上に提示する際に用いる,装置非依存の記述手段を定義する。 SPDLは、文書からページ又はその他の一部分を取り出して利用する、 提示プロセス以外のプロセスをも許す。
この規格の構成を次に示す。
この規格は、白黒2値、白黒多階調又はフルカラーのテキスト、画像及び幾何図形から構成される電子化文書を、提示(印刷又は他の適当な媒体上への表示)に適した形式で記述するための言語を定義する。
この規格は、将来における画像生成技術の発達に対応可能にするために、拡張性を考慮している。
この規格は、多様な接続要求に対応したさまざまな機器構成のもとで用いることを意図し、特にOSI通信網上における使用に適している。
文書像の表現方法を規定することに加えて、この規格は、文書作製命令が文書の提示にどのように影響を与えるかについても規定する。
この規格は、次に示すものを含む、多種多様な印刷及び出版の環境下で用いることを意図している。
この規格に適合する文書をSPDL文書と呼ぶ。 SPDL文書は、次に示す操作の対象となる。
この規格に適合する文書の文書構造は、2進符号化を用いる場合には&isoiec8824;及び&isoiec8825;に、平文符号化を用いる場合にはISO 8879に従って符号化する。
この規格は、&isoiec9541;の体系に適合したフォント資源を文字テキストの提示に用いた場合に生じる結果について、詳細な規定を与える。 この規格中でグリフ識別に用いる構造化名は、&isoiec9541-2;及びISO 9070による。
この規格は、ODAシステムが印刷用に生成した文書を表現するための単純かつ効率的な方法を提供する。 さらに、SGML応用システムが生成し、&isoiec10179;を用いて書式指定 した文書を表現する能力をも提供する。
この規格は、ISO/IEC 10175に準拠し、 文書提示用にSPDL提示プロセスを組み込んだ印刷サービスを 効率的に実装可能にしている。 さらに、適用可能な文書作製命令について、その具体的な意味を規定する。