TR X 0038:2001

DVD-書換形ディスクのボリューム構造及びファイル構造
解説



1. 公表の趣旨及び経緯

財団法人光産業技術振興協会の光ディスク標準化委員会は, DVDに代表される高密度光ディスクによる大容量情報交換を容易にするため, 通商産業省工業技術院の委託を受けて, ISO/IEC 13346 (Volume and file structure of write-once and rewritable media using non-sequential recording for information interchange)を翻訳してJIS X 0607 (非逐次記録を用いる追記形及び書換形の情報交換用媒体のボリューム及びファイルの構造)の原案作成を行うとともに, そのサブセットに位置付けられるOSTA (Optical Storage Technology Association)の一連のUniversal Disk Format(UDF)の標準情報(TR)の原案を開発してきた。

DVDフォーラムは, UDF Revision 1.50に対してさらに値指定などによるサブセティングを施した, DVD-書換形ディスクのボリューム構造及びファイル構造を, DVD Specifications for Rewritalbe Disc(DVD-RAM) - Part 2: FILE SYSTEM SPECIFICATIONS version 1.0として1997年7月に発行している。DVDフォーラムが光ディスク標準化委員会にこの規定の標準情報(TR)原案作成を委託したことを受けて, 同委員会は, DVD-書換形ディスクによる情報交換の必要性を認識して, フォーマット分科会に対して, この規定に基づく標準情報(TR)の原案を作成することを指示した。

この指示に従ってフォーマット分科会は, DVD Specifications for Rewritalbe Disc(DVD-RAM) - Part 2: FILE SYSTEM SPECIFICATIONS version 1.0 及びVersion-up Information(from 1.0 to 1.1) の翻訳並びに標準情報(TR)としての様式に則った原案作成を開始した。標準情報(TR)原案は2000年2月に完成し, フォーマット分科会から経済産業省産業技術環境局に提出された。


2. 審議中の主要検討課題及び懸案事項

2.1 訳語

原案作成委員会では, 関連するJIS(JIS X 0607, JIS X 0609[1])及び標準情報(TR X 0039, TR X 0006[2])との整合を考慮して, 訳語を選定した。


2.2 構成

2.2.1 章・節構成

DVDフォーラムの規定は, 必ずしもJIS又は標準情報(TR)の様式には整合していないため, 整合化の対応が必要である。しかしTRの読者が原規定を参照する際の便を考慮すると, 章・節構成はなるべく原規定のそれを保存することが望まれる。そこで, 次に示すだけの修正(章・節番号の変更なし)を施して, この標準情報(TR)を構成した。

2.2.2 その他の翻訳表記上の規則

原規定は, ハードコピーテキストとして提供されている。この標準情報(TR)は, 翻訳作業に際してテキストにHTMLタグを付与し, 将来のウェブ配布に備えている。タグ付けは, 原規定の文書スタイルから読み取れる構造をできるだけ保存するものとし, 次の配慮を施した。


3. 参考文献

[1] JIS X 0609:1998, 情報交換用非逐次記録高密度光ディスクのボリューム構造及びファイル構造, 1998-02-20

[2] TR X 0006:1998, DVD-再生専用ディスクのボリューム構造及びファイル構造, 1998-01-01


4. 原案作成委員会

この追補の原案は,財団法人光産業技術振興協会に設置された光ディスク標準化委員会のフォーマット分科会で作成され,光ディスク標準化委員会のレビューを受けた。これらの委員会の委員構成を, それぞれ解説表4.2及び解説表4.1に示す。

解説表4.1 光ディスク標準化委員会の構成
氏名所属
(委員長)板生 清東京大学
(副委員長)小町 祐史松下電送システム株式会社
石井 正則日本電気株式会社
土屋 洋一三洋電機株式会社
吉岡 誠富士通株式会社
増井 久之財団法人マルチメディアソフト振興協会
木目 健次朗三菱電機株式会社
入江 満三菱電機株式会社
八田 勲経済産業省産業技術環境局
横川 文彦パイオニア株式会社
菅谷 寿鴻株式会社東芝
入江 英之株式会社東芝
高橋 正彦株式会社日立製作所
徳丸 春樹日本放送協会
田辺 隆也日本電信電話株式会社
応和 英男ソニー株式会社
松林 宣秀オリンパス光学工業株式会社
戸島 知之NTTインテリジェントテクノロジ株式会社
三和 邦彦日本アイ・ビー・エム株式会社
村上 善照シャ−プ株式会社
山田 昇松下電器産業株式会社
金沢 安矩
橋本 進財団法人日本規格協会
(事務局)増田 岳夫光産業技術振興協会
(事務局)杉森 輝彦光産業技術振興協会
(事務局)田辺 正剛光産業技術振興協会

解説表4.2 光ディスク標準化委員会 フォーマット分科会の構成
氏名所属
(統括)小町 祐史松下電送システム株式会社
(副統括)八谷 祥一株式会社アプリックス
(副統括)高橋 正悦株式会社リコー
石井 正則日本電気株式会社
伊藤 精悟株式会社東芝
工藤 芳明大日本印刷株式会社
後藤 芳稔松下電器産業株式会社
沢田 要川鉄情報システム株式会社
徳丸 春樹日本放送協会
徳光 健司株式会社日立製作所
中根 和彦三菱電機株式会社
八田 勲経済産業省産業技術環境局
吉岡 誠富士通株式会社
(事務局)増田 岳夫光産業技術振興協会
(事務局)松川 茂樹光産業技術振興協会