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17. コンテナ提供者の責任
17.1 エンタプライズBean配置ツール
17.1.1 ejb-jar読み取りツール
コンテナは,ejb-jarファイル書式にパッケージされたエンタプライズBeanの配置をサポートするツールを包含しなければならない。
ツールは,ejb-jarManifestファイルを読み取ることによって,JARファイルにあるエンタプライズBeansをすべて発見しなければならない。Manifestファイルは,ser.filesなどの直列化配置記述子の相対名を提供する。
ejb-jarファイルの各エンタプライズBeanに関して,ツールは次の事項を必要とする。
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配置記述子を非直列化し,ゲッタメソッドを使用してBeanの配置記述子に含まれる情報を読み取る。情報は,トランザクション属性及びセキュリティ属性といったエンタプライズBeanの宣言属性に対応して設定するデフォルトを提供する。配置記述子は同様に,Beanの環境特性の初期値を含み,エンタプライズBeanクラスに対応するクラス名,遠隔インタフェース及びホームインタフェース並びに一次キー型のクラス名を提供する。
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6.11及び9.8で指定されたように,コンテナ固有のクラスを生成する。
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使用中の分散オブジェクトプロトコルによって使用されるスタブ及びスケルトンに対応するクラスを生成する。
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クライアントがエンタプライズBeanを発見し,アクセスできるようにJDNIでエンタプライズBeanのホームインタフェースを利用できるようにする。
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エンタプライズBeanの環境特性を実行時のBeanインスタンスに利用できるようにする。
17.1.2 配置記述子属性管理ツール
EJBコンテナは,EJB配置者がエンタプライズBeanの配置記述子からインポートされた情報を変更できるツールを提供する場合がある。ツールが配置記述子属性をいくつか又はすべて変更することによって,配置者を限定するといったシナリオもある。EJB規定は,配置時にどの属性を変更できるか,どの属性を変更できないかを指定しない。
17.1.3 業務論理をカスタム化するツール
EJBコンテナは,EJB配置者が配置されたエンタプライズBeansの業務論理をカスタム化できるツールを提供してもよい。例えば,ツールによって配置者が業務メソッドに対応するラッパー機能を書き込んでもよい。ツールベンダが最大限に自由に利用できるように,EJB規定はカスタム化を構成する。
17.1.4 コンテナ管理永続性に対応するツール
コンテナ管理永続性をサポートするEJBコンテナは,配置者がコンテナ管理フィールドをエンタプライズの現存のデータソース又はアプリケーションシステムにマップできるツールを提供しなければならない。これらのツールは,在来データソース又はアプリケーションシステムに固有である。
17.2 実行時インフラストラクチャ
EJBコンテナは,EJB規定に従った実行時インフラストラクチャを提供しなければならない。特にコンテナは次の事項を必要とする。
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5.及び6.で記述したSessionプロトコルを実装する。
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コンテナが実体をサポートする場合,8.及び9.で記述したEntityプロトコルを実装する。
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11.で記述したトランザクションに対するサポートを実装する。
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14.で記述したセキュリティに対するサポートを実装する。
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12.で記述したとおり例外を処理する。
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エンタプライズBeanの環境特性を実行時にインターフェースjavax.ejb.EJBContextを介してBeanインスタンスに利用できるようにする。
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コンテナが分散オブジェクトプロトコルとしてIIOPを使用する場合,[6]で定義されたCORBAマッピングにEJBを実装しなければならない。
17.3 実行時管理ツール
コンテナは,コンテナで実行するエンタプライズBeansの実行時管理及びモニタリングが可能なツールを提供しなければならない。
17.4 展開管理ツール
コンテナは,配置者及びシステム管理者がエンタプライズBeansの実装の展開を管理できるツールを提供しなければならない。例えば,ツールは,エンタプライズBeanクラスの新バージョンのインストールによって,エンタプライズBeanが実装する業務論理を更新できなければならない。
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