この標準情報(TR)は, 財団法人日本規格協会情報技術標準化センター(INSTAC)の電子出版技術調査委員会の1999年度の成果をもとに工業標準化の促進に関連して特に重要と判断される技術情報をまとめ, 日本工業標準調査会の審議を経て, タイプUの標準情報(TR)として公表するものである。
この規格は,電子出版技術(詳細を解説 4.に示す。)に関連する用語を体系的に整理し,各用語の読み,定義及び対応する英語を規定する。
備考 1. この標準情報(TR)は, 2.に示す各規格がその定義の節又 は本文中で規定する用語の一部を含む。
備考 2. 番号の右肩に星印"*" が付いていない用語の対応英語は参考とす る。
この標準情報(TR)は, その用語規定において次の規格を引用する。
JIS X 4153:1998 文書スタイル意味指定言語
備考 ISO/IEC 10179:1996 Document Style Semantics and Specification Language が, この規格に一致している。
JIS X 4154:1997 標準ページ記述言語
備考 ISO/IEC 10180:1995 Standard Page Description Language が, この規格に一致している。
ISO TR 9544:1988 Information processing - Computer-assisted publishing - Vocabulary
JIS Z 8123-1995 印刷用語 - 基本用語
JIS X 4051-1995 日本語文書の行組版方法
JIS X 0023-1995 情報処理用語(テキスト処理)
備考 ISO/IEC 2382-23:1994 Vocabulary - Part 23: Text processing が, この規格に一致している。
JIS B 0191-1986 日本語ワードプロセッサ用語
a) 番号は, 小数点で分離した2けた10進数の列によって示す。最も左の2けた10 進数が, 最上位分類項目を示し, 右に進むに従って下位の分類項目となる。最も右の2け た10進数は, 同一分類内の一連番号とする。
b) 2けた10進数の上位の0は空白にしない。
分類項目ごとに区分して, 関連する概念の用語をまとめる。主となる概念があれば, それ に対応する用語を先に, 従となる概念に対応する用語を後にして, 順次系統的に並べる。
a) 同一の概念(定義)を表す用語が二つ以上ある場合は, “,”で区切って併記す る。それらの用語は, 記載してある順位に従って優先使用する。
b) 漢字が常用漢字表にない場合には, そこを仮名で記述し, それに引き続く丸括弧“()”内に該当する漢字を示す。ただし, この標準情報(TR)において出現頻度の高い 表1に示す用語の"と(綴)じ"及び"けい(罫)"だけに関しては, この表記法に従わず, 仮名表記を省略した簡素化表記を行う。
この標準情報(TR)での簡素化表記 | 通常の表記 |
---|---|
綴じ | と(綴)じ |
罫 | けい(罫) |
本 | 書籍及び/又は雑誌 |
c) 用語の一部が丸括弧"( )"で囲まれている場合は, その部分を省略してもよい。括弧内を省略した用語と省略しない用語とのいずれを優先使用するかは, その欄の備考又は参考の記述による。備考又は参考がない場合には, 優先順位はない。
d) 類似の定義をもち, しかもその記述がほとんど同一である二つ以上の用語は, 角括弧"[ ]"を用いて一つにまとめて規定する。この場合, 必要に応じて用語の"[ ]"に対して, 定義の"[ ]"内記述が対応する。
e) 文法上の用法又は短縮形などを, 用語に引き続く丸括弧"( )"内に示す。
f) 商標登録され, 広く関連業界に普及している用語で, しかもその所有者の承認のある用語は, その旨を備考又は参考に記載する。特許, 意匠などがある場合も, 備考又は参考に示す。
a) 難読な用語, 誤読のおそれがある用語, 幾通りもの読み方を統一する必要が ある用語に限って, 用語に引き続く丸括弧“()”内に読みを表記する。
a) 用語が幾つもの定義をもつ場合は, それらを個々に規定し,定義の前に "(1)","(2)", ...と番号を付けて併記する。
b) 角括弧の使い方については, 3.3 d)のとおりとする。
c) 一つの用語が分類によって異なる定義を必要とする場合には, 分類ごとにそれぞれの定義を規定し, その欄の備考又は参考で他の分類の定義との関係を示す。
a) 対応英語は, 2.に示す国際規格などでの表記を示す。ただし,番号の右肩に 星印"*" が付いていない用語の対応英語は参考とする。
b) 対応英語について使用上の注意事項がある場合には,対応英語に引き続く丸括 弧"()"内にそれを示す。
電子出版技術関連用語を次のとおりに分類する。
ここで, 印刷用語及び機器関連用語は対象外[解説 3. b)を参照]とし, 05.においては文字扱いを含み, 06.においては主として論理要素に限定して, 最近の日本の書籍及び雑誌を中心にまとめる。
04.の電子文書記述分野は, ISO/IEC JTC1/SC34"文書の記述と処理の言語"のオペレーショナルモデル(解説 5.[13]参照)の中で, この標準情報(TR)の適用範囲に含まれる分野とする。
電子出版技術関連用語を次のとおりに規定する。
定義文の最後に括弧でくく(括)って参照規格を示した定義は, その参照規格に示された適用範囲内で有効である。参考のため, この標準情報(TR)のより広い適用範囲に関して有効な定義を, 解説 3. e)に示す。