ビーンズの設計は,小規模制御からウェブページなどの簡単な複合文書にまで及ぶ。 しかし,ClarisWorks,Microsoft Officeなどの全機能文書システムの典型である 高機能文書統合は提供しない。OLE Control又は ActiveX APIに類似したAPIを提供するが, OpenDocなどによって提供される高機能文書APIすべては提供しない。しかし, ビーンズを部品として高機能複合文書内に組み込むことは可能とする。ワードプロセッサ, 表計算などの一連の主要文書部品が,Java Beansとしてサポートされることを望む。
一般に,Java Bean部品は小中規模制御を行い,単純な問題を容易にし,
できるだけ多くの振舞いに対応する。
Java Beans体系は,プラットフォ−ムによらない部品体系を提供することを, 主たる目的の一つとする。Java Beanを別のJava Beanの内部に入れ子にする場合, すべてのプラットフォームへの移植性を達成する。しかしトップレベルで, Java ビーンが,プラットフォーム特有な,Word,Visual Basic,ClarisWorks, Netscape Navigatorなどのコンテナに組み込まれる場合,Java Beans APIは, プラットフォーム固有の部品体系に統合することが望ましい。
この意味を次に例示する。Microsoftプラットフォームにおいて,Java Beans APIは,COM及びActiveXにブリッジされる。同様に,OpenDoc の Live Object 部分としてビーンを処理したり,又はNetscape Navigator内部の LiveConnect でビーンを統合することができる。
単体のJava Beanは,広範囲の様々な環境で実行できることが望ましい。 それぞれの環境内で,他の部品同様にイベント,サービスメソッド呼出しなどを, 起動できるのがよい。
様々なブリッジを,この規定の一部で個々に記述することはない。 ブリッジの存在はJava Beanの開発者には見える必要が無く,この規定が定義する Java Bean APIは,プラットフォーム固有の体系にブリッジされる。
特にOpenDoc,OLE/COM/ActiveX及びLiveConnectの部品モデルへのブリッジは,
Java Beans APIを設計する際の制約であった。ビーンズ APIが,
この3主要部品モデルに変換できることは,注意深く確認した。
例えば,プラットフォームがメニューバーの併合処理をサポートしない場合, Java Bean部品は,文書のメニューバーへの併合の代わりに, ポップアップメニューバーを提供する。
つまり,Java Bean部品の作成者は,一貫性のあるAPIの集合を,
あらゆる場所で動作するようプログラムできる。ビーンの作成者が,
現プラットフォームにおいてどの機能がサポートされているかを見つけるために検査を行う必要性は,
できるだけ避けることとする。
原則として,引き継がなければならない,多くのクラス java.beans.Everythingは作らない。 むしろ,Java Bean実行環境が通常のオブジェクトにデフォルトの振舞いを用意し, 適当なインタフェース継承によって,そのデフォルトの振舞いを上書き可能とする。
Java Beansの基本概念をすばやく習得でき,単純な部品の作成及び使用が容易にでき,
さらに,より高機能なAPIを使用できることを目的とする。