附属フレキシブルディスクの収録内容

この規格には, MS-DOS様式のフレキシブルディスクが1枚附属してい る。このフレキシブルディスクに収録されているファイルのファイル名 とその内容を次に示す。

この解説は,本体及び附属書に規定した事柄,並びにこれらに関連した事柄を説明 す るものであって,規格の一部ではない。

制定の趣旨

ISO中央事務局は,規格出版作業の合理化のためにISOで開発した国際規 格及び技術報告をSGML (標準一般化マーク付け言語,Standard Generalized Markup Language)を使って電子化する方針を決めた。その 実行に向けて,ISO/IEC JTC1/SC18/WG8は,当時ISO中央事務局員であっ たAnders Berglundをプロジェクトエディタとするプロジェクトを設立 して,ISOの出版仕様に基づくDTD (文書型定義,Document Type Definition)の開発を開始し,そのDTDを1992年9月にISO/IEC TR 9573-11として出版した。

その活動と併行して,ISOのSTACOは,情報技術によってあらゆる規 格文書(国際規格,国内規格,地域規格,社内規格など)の文書を,出版・ 流通・配布するプランを立案し(文献()),規格文 書記述用DTDとして,このTR 9573-11を勧告した(文献())。STACOでの審議に際して,参加各国の規格を適切に記 述するためのTR 9573-11の修正要求を各国に求める決定がなされた。

各国のコメントは,文献()にまとめられたが, TR 9573-11の大幅な修正を要求するコメントはなく,多少の修正によっ て各国の規格文書の記述が可能であることが示された。 それに先立ち, IMPACT Eurostand (欧州規格, 文献())及びDIN (ドイツ規格, 文献()())がそれ ぞれTR 9573-11を承認して,それぞれの規格文書の電子化を開始してい る。

ISO中央事務局は,各国から提出されたコメントを反映したTR 9573-11 の改訂を求めると共に,技術報告ではなく国際規格として出版すること をSC18/WG8に要求している。

このような国際動向への呼応が必要であると共に,国内からもJIS文 書の電子化による効率的出版への要求があり,そのためのDTDが求めら れていた。それらに応えるために,通商産業省工業技術院は,ISO/IEC TR 9573-11の翻訳によるJIS原案作成を日本事務機械工業会に委託した。 これを受けて日本事務機械工業会は,文書記述・フォントJIS原案作成 委員会において,その作業を1995年6月から開始し,1996年3月にJIS原 案を提出している。

規格文書用DTDに対する要求

JISは公的な規格であり,誰もが何時でも何処でも低価格に参照できる ことが望まれる。しかしこれまでのハードコピーによる出版物としての JISによっては,必ずしもこの要求が満たされるとは限らない。例えば JISを購入できる書店は限定されている。

そこで電子化されたソフトコピーによるJIS出版が注目され,交換又は 記憶に都合よく文書データがSGMLによってマーク付けされていることが 望まれている。その際に用いるDTDは,規格文書に最適化されている必 要があり,しかも広範囲な交換・配布を行うには,標準化されているこ とが不可欠である。

この要求を満たす試行が,平成7年度に日本規格協会によって行われ た(文献())。つまり,G部門(鉄鋼),H部門(非鉄 金属)及びX部門(情報処理)のJISを対象として,このプロジェクトにお いて開発された固有のDTDを用いて,既存のハードコピーJISの電子化が 行われ,2枚の光磁気ディスクに記録され,情報基盤センター新産業創 造データベースセンターに納品された。この試行によって得られた経験 は,この規格の翻訳・編集に活用されている。

審議中の主要検討課題

ISO/IEC TR 9573-11が規定するDTDをJISの規格文書の記述に適用す るには, JIS規格文書の構造及びその処理手続きに対応した修正を加え る必要があるため, 修正内容の検討を行った。この検討の結果開発され たDTDは, この規格の附属書Cで定義されている。

懸案事項

ISOのSTACOによる呼びかけに際して提出した日本コメントに加えて, このJIS原案作成作業中に明らかになった原規格の誤り及びDTD共通部分 の追加・修正などをまとめて,エラーレポートをISO/IEC JTC1/SC18/WG8に提出している。これに基づくISO/IEC JTC1/SC18/WG8に よる技術訂正の開発を確認して,この規格の国際整合を図ることが望ま れる。

参考文献
  1. ISO/STACO Seminar Proceeding, Faster and Better, 1991-06.
  2. Resolutions of Ad-Hoc WG ISO/STACO, 1992-01.
  3. AHG-IT Appl.022, Responses to a questionnaire on IT applications in standards developmemt, 1993-08.
  4. IMPACT Eurostand-SGML-1155 D/3-b22, Content of the DTD for euros td, 1993-04.
  5. DIN V 33 900, Rechnergestützte Dokumentbearbeitung von Normen , teil 1: SGML-Syntax und gemeinsamer Teil der Dokumenttypfestlegung (DTD) für Norm en, 1992-10.
  6. DIN V 33 900, Rechnergestützte Dokumentbearbeitung von Normen , teil 2: Spezifischer Teil der Dokumenttypfestlegung (DTD) für DIN-Normen, 1992-10 .
  7. 日本規格協会,基盤情報センター新産業創造データベースセンターにお ける日本規格協会関連工業規格の電子化作業(データ仕様説明書),6情推第199号,1995 -03.

原案作成委員会

原案作成委員会である日本事務機械工業会の文書記述・フォントJIS 原 案作成委員会は,学識経験者,メーカ及び利用者で構成され,その委員 会の中に他の文書関連JIS 開発との整合をとるプロジェクトリーダ会議 と,実際の翻訳作業を行うハイパメディアプロジェクトとが設置されて いる。それらの構成員を次に示す。 日本事務機械工業会 文書記述・フォントJIS原案作成委員会 池田 克夫京都大学 小町 祐史SC18/WG8国内委員会(松下電送株式会社) 三宅 信弘通商産業省機械情報産業局 竹田原 省二通商産業省工業技術院標準部 兼谷 明男通商産業省工業技術院標準部 渡辺 清財団法人日本規格協会 篠崎 徳量愛知女子短期大学 小笠原 治社団法人日本印刷技術協会 宮内 久男株式会社岩波 田中 洋一凸版印刷株式会社 空閑 明共同印刷株式会社 高沢 通大日本スクリーン株式会社 石井 裕大日本印刷株式会社 吉野 順NTTデータ株式会社 宮本 義昭日本ユニシス株式会社 武居 則幸セイコーエプソン株式会社 伊藤 晃日本情報科学株式会社 藤田 克彦株式会社リコー 柳沢 一大日本電気株式会社 高橋 亨株式会社日立製作所 安達 淳沖データ株式会社 佐々木 好洋社団法人日本事務機械工業会 プロジェクトリーダ会議 小町 祐史SC18/WG8国内委員会(松下電送株式会社) 小笠原 治社団法人日本印刷技術協会 小田 宏行通商産業省工業技術院標準部 高橋 亨株式会社日立製作所 安達 淳沖データ株式会社 田中 洋一凸版印刷株式会社 今郷 詔株式会社リコー 筧 捷彦早稲田大学 ハイパメディアプロジェクト 小町 祐史SC18/WG8国内委員会(松下電送株式会社) 今郷 詔株式会社リコー 田中 洋一凸版印刷株式会社 土屋 哲富士通株式会社 小林 直樹NTT 株式会社 内藤 広志キヤノン株式会社 安達 淳沖データ株式会社 奥井 康弘日本ユニテック株式会社 藤井 雅之財団法人日本規格協会 高橋 亨株式会社日立製作所