この標準情報(TR)は,1997年度のマルチメディア/ハイパメディア調査研究 及び1998年度の高速Web環境における標準化に関する調査研究をもとに 工業標準化の促進に関連して特に重要と判断される技術情報をまとめ, 標準情報(TR)タイプIIとして公表するものである。
この標準情報(TR)は,TR X 0004(日本工業規格,国際規格及び技術報告の 文書情報交換のための規格事務局応用)に基づいて, 標準一般化マーク付け言語SGML(ISO 8879又はJIS X 4151)によって 記述された日本工業規格又は標準情報(TR)などの規格文書に対し, JIS X 4153[文書スタイル意味指定言語 (DSSSL)]を用いて フォーマット指定を与えるためのDSSSL指定を規定する。
この標準情報(TR)の規定によるDSSSL指定は, SGMLで記述された規格文書インスタンスと共に保存又は転送されて フォーマット情報を可能な限り保存した規格文書の情報交換を可能にし, DSSSL処理系に入力することによってフォーマット済み文書を出力することができる。
TR X 0004が規定する,規格文書のための文書型定義(DTD)は, 次の要素集合からなる。
a) ISO/IEC TR 9573-11と共通な部分
1) 文書本体部分b) JIS規格文書に固有な部分
2) 用語部分
3) 表部分
4) 数式部分
5) 化学式部分
1) 書誌情報この標準情報(TR)では,ISO/IEC TR 9573-11と共通な部分のうち 数式部分及び化学式部分については対象としていない。
2) 前書き類
3) 後書き類
4) 附属書類
次の規格及び標準情報(TR)に含まれる規定内容は, この標準情報(TR)の文中での引用によって,この標準情報(TR)の規定の一部となる。 表示された版は,この標準情報(TR)の出版の際に有効であったものである。
JIS X 4153及びTR X 0004の定義をこの標準情報(TR)に適用する。
TR X 0004 に基づいてSGMLで記述された規格文書は,その論理構造に 関する完全な情報交換,検索,比較などの電子的な情報処理を可能にする。 SGMLによる記述は,表現の媒体又は形式に依存せず, 論理構造の保持に関して一意性を保つことができる。
一方,規格文書の閲覧及び参照のためには,その論理構造を何らかの媒体の上に 表現したものが必要である。 DSSSL指定は,一つのSGML文書に対して,さまざまな表現形式を 文書型定義(DTD)に対応して指定できる。 DSSSL指定は,情報処理機器の画面又は紙を用いた印刷物など, 必要に応じて適切な媒体を用いたスタイル情報を, 論理構造と分離しかつDSSSLという単一の言語によって定義し交換することができる。 これによって,局面ごとに,特定のワードプロセッサ又は表示ツール を使いわける不便が解消され,論理構造の一貫性が失われる危険性がなくなる。
この標準情報(TR)で規定するDSSSL指定は,規格文書の印刷出版のための スタイルとする。 これを基礎として,DSSSL指定を 電子出版又は電子的な規格文書情報の流通・利用に応用することも可能である。 したがって,TR X 0004及びこの標準情報(TR)は, 印刷された規格文書を対象としたJIS Z 8301を 補完し発展させる。