INSTACの次世代コンテンツの標準化に関する調査研究委員会(NGC)は, SMIL及びSVG関連技術の標準化動向に着目して調査研究を行ってきた。W3Cが, 2001年8月にSynchronized Multimedia Integration Language (SMIL 2.0)[1]の勧告を公表し, 2001年9月にSMIL Animation[2]及びScalable Vector Graphics (SVG) 1.0 Specification[3]の勧告を公表すると, 同委員会は直ちにその内容レビューを行い, それが携帯端末等のコンテンツ記述に極めて重要な技術であるため, 標準情報(TR)として国内に示す必要があることを報告した。
さらに同委員会は, 2002年度の活動としてこれらのTR原案作成を計画し, 作業グループWG3がこの作業を担当した。WG3は, Scalable Vector Graphics (SVG) 1.0 Specificationを要約し, 2003年1月に変倍ベクタ図形(SVG) 1.0のTR原案を完成して, 経済産業省産業技術環境局に提出した。
翻訳箇所において採用した主な訳語を解説表2.1に示し, 今後の関連規定の作成等に際しての参考とする。
原語 | 訳語 |
---|---|
accessibility | アクセシビリティ |
alpha mask | アルファマスク(不透明度マスク) |
attributes and properties | 属性及び特性 |
basic shapes | 基本形状 |
clipping paths | 切抜きパス |
composite | 合成する |
event handler | イベントハンドラ |
gradient | 色勾配 |
graphics | 図形 |
images | 画像 |
interactivity | 対話性 |
original source document | 原ソース文書 |
rich set | 高機能セット |
scripting | スクリプト書き |
scripting language | スクリプト言語 |
sophisticated applications | 高度な応用 |
styling | スタイル付け |
supplemental scripting language | 補足的なスクリプト言語 |
W3Cの規定は, 必ずしもJIS又は標準情報(TR)の様式には整合していないため, 整合化の対応が必要である。しかしTRの読者が原規定を参照する際の便を考慮すると, 章・節構成はなるべく原規定のそれを保存することが望まれる。そこで, 次に示すだけの修正(章・節番号の変更なし)を施して, この標準情報(TR)を構成した。
この標準情報(TR)の公表に際して, W3Cから和文及び英文による次の記載を求められている。この記述は原規定にはないため, ここに示して, W3Cの要求に応えることとする。
規定に準拠しているかどうかの基準となる版は, W3Cのサイトにある原規定とする。
この標準情報(TR)は原規定と技術的に同一であることを意図しているが, 翻訳上の誤りはあり得る。
The normative version of the specification is the English version found at the W3C site.
Although this TR is intended to be technically identical to the original, it may contain errors from the translation.
W3Cは, 2003年1月には, SVG 1.0をモジュール化したSVG 1.1[4]の勧告を公表し, さらにそれを用いた, モバイル環境に適したSVGプロファイル[5]の勧告を公表した。同年4月には, SVG 1.1に機能追加を行ったSVG 1.2[6]の作業原案を公表している。
これらの一連の勧告に対応する標準情報(TR)の公表は, 現在予定されていない。
[1] Synchronized Multimedia Integration Language (SMIL 2.0), W3C Recommendation, 2001-08
[2] SMIL Animation, W3C Recommendation, 2001-09
[3] Scalable Vector Graphics (SVG) 1.0 Specification, W3C Recommendation, 2001-09
[4] Scalable Vector Graphics (SVG) 1.1 Specification, W3C Recommendation, 2003-01
[5] Mobile SVG Profiles: SVG Tiny and SVG Basic, W3C Recommendation, 2003-01
[6] Scalable Vector Graphics (SVG) 1.2, W3C Working Draft, 2003-04
この標準情報(TR)の原案を作成した(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター(INSTAC)の次世代コンテンツの標準化に関する調査研究委員会及び作業グループ(WG3)の委員構成を,それぞれ解説表5.1及び解説表5.2に示す。
氏名 | 所属 | |
---|---|---|
(委員長) | 池田 克夫 | 大阪工業大学 |
(幹事) | 村田 真 | 日本アイ・ビー・エム株式会社 |
(幹事) | 小町 祐史 | パナソニックコミュニケーションズ株式会社 |
(幹事) | 平山 亮 | 金沢工業大学 |
内山 光一 | 株式会社東芝 | |
久保田 靖夫 | 大日本印刷株式会社 | |
黒川 利明 | 株式会社CSK | |
斎藤 伸雄 | 凸版印刷株式会社 | |
二本松 勝 | 株式会社日立製作所 | |
木戸 達雄 | 経済産業省産業技術環境局 | |
藤原 洋 | 株式会社インターネット総合研究所 | |
松本 充司 | 早稲田大学 | |
柳町 昭夫 | 株式会社NHKアイテック | |
(事務局) | 山中 正幸 | 財団法人日本規格協会 |
氏名 | 所属 | |
---|---|---|
(主査) | 小町 祐史 | パナソニックコミュニケーションズ株式会社 |
(幹事) | 内山 光一 | 株式会社東芝 |
稲垣 達夫 | グランスフィア株式会社 | |
今城 哲二 | 株式会社日立製作所 | |
荻澤 隆 | ウェブプラネットリミテッド | |
奥井 康弘 | 株式会社日本ユニテック | |
風間 一洋 | 日本電信電話株式会社 | |
上村 圭介 | 国際大学グローバル・コミュニケーション・センター | |
栗林 博 | オムロン株式会社 | |
黒川 利明 | 株式会社CSK | |
八谷 祥一 | 株式会社アプリックス | |
澤田 位 | 財団法人日本規格協会 | |
出葉 義治 | ソニー株式会社 | |
内藤 広志 | 大阪工業大学 | |
西村 利浩 | 富士通株式会社 | |
オブザーバ | 石川 則夫 | 経済産業省商務情報政策局 |
浅利 千鶴 | 浅利会計事務所 | |
篠原 章夫 | 日本電信電話株式会社 | |
山東 滋 | 株式会社日立製作所 | |
萩原 崇弘 | 経済産業省商務情報政策局 | |
高橋 昌行 | 経済産業省産業技術環境局 | |
(事務局) | 山中 正幸 | 財団法人日本規格協会 |