TR X 0035:2000

ユニバーサルディスクフォーマット(UDF) 2.00
解説



1. 公表の趣旨及び経緯

1.1 背景

OSTA(Optical Storage Technology Association)は, ISO/IEC 13346(Volume and file structure of write-once and rewritable media using non-sequential recording for information interchange)についてその実装のためのサブセティングと属性値の設定とを行い, 一連の規定UDF(Universal Disk Format)として公表している。これらのUDFは, DVD Forumの規定に盛り込まれ, DVDなどのボリューム構造及びファイル構造に関する各種規定の基本となっている。

ISO/IEC 13346に一致する日本工業規格JIS X 0607-1996(非逐次記録を用いる追記形及び書換形の情報交換用媒体のボリューム及びファイルの構造)の原案作成を行なった財団法人光産業技術振興協会の光ディスク標準化委員会 フォーマット分科会は, UDF Revision 1.01(1995-11)の翻訳を行ない,標準情報(TR)[情報交換のための非逐次記録高密度光ディスク(DVDなど)のボリューム構造及びファイル構造]の原案として,1996年3月に工業技術院に提出した。それは, TR X 0001:1996[1]として同年8月に公表されている。

OSTAは, Revision 1.01で指摘されていた問題点を解決して, UDF Revision 1.02(1996-08)をウェブ上で公表してた。フォーマット分科会は,このUDFの改訂内容を翻訳に盛込む作業を行い, さらにTR X 0001に含まれていた編集上の誤りを修正して, 1997年6月にJIS原案として工業技術院に提出した。それは, JIS X 0609:1998[2]として1998年2月に制定されている。このJIS X 0609及びTR X 0001は, JIS X 0607の記述に, UDFの規定内容を追加した体裁をとり, 原則としてISO/IEC 13346の参照を不要にしている。

さらにOSTAは, CD-R対応のUDF Revision 1.50(1997-02)を公表し, 引き続いてWindows NT対応のUDF Revision 2.00(1998-04)を発表した。これらのRevision 1.02, 1.50, 2.00(以降, それぞれUDF 1.02, UDF 1.50, UDF 2.00)については, 大きい版数の公表によって, それより小さい版数が廃止されることはなく, 並存したままOSTAのウェブで公開されている。


1.2 公表の趣旨及び経緯

通商産業省の工業技術院は, OSTAの活動の重要性を早くから認識し, UDF 1.01が公表されると, UDFのJIS化を視野に入れた翻訳標準情報(TR)の原案作成を財団法人光産業技術振興協会の光ディスク標準化委員会 フォーマット分科会に指示した。

フォーマット分科会は, UDFの規定内容をJIS X 0607に追加して盛り込む体裁で, UDF 1.01をTR X 0001とし, UDF 1.02をJIS X 0609としてそれぞれの原案作成を行うと共に, UDF 1.02の翻訳を原規定に忠実な体裁で, "ユニバーサルディスクフォーマット規定"[3]として日本規格協会から出版した。UDFの規定の翻訳に際して, OSTAから日本規格協会に対する翻訳・出版の許諾を受けている。

UDF 1.50及びUDF 2.00の翻訳については, 当初はTR X 0001の改正原案の作成として, その作業を開始した。その後, 規定文書としての完結性よりもUDFとの一致性を望む利用者要求(TR X 0001及びJIS X 0609では, ISO/IEC 13346からの差分を規定するUDFの内容に, ISO/IEC 13346の必要な規定内容を加えているため, 規定文書の項目番号が, UDFのそれと異なる。)を受けて, UDFの完全翻訳の体裁でTR原案を作成する方針に切り替えた。

フォーマット分科会は, 2000年10月にUDF 2.00の翻訳としての標準情報(TR)の原案を完成して, 工業技術院に提出した。


2. 審議中の主要検討課題及び懸案事項

2.1 訳語

原案作成委員会では, 関連するJIS又は標準情報(TR)との整合を考慮して, 訳語を選定した。この標準情報(TR)の作成に際して参照した訳語一覧を解説表 2.1に示す。

解説表 2.1 訳語一覧
原語 訳語
Abstract File Identifier抄録ファイル識別子
Access Typeアクセス種別
address番地
Allocation Descriptor割付け記述子
Allocation Extent Descriptor割付けエクステント記述子
Alternative Permissions代替許可条件
anchor point開始点
Anchor Volume Descriptor Pointer開始ボリューム記述子ポインタ
application応用プログラム
Application Use Extended Attribute応用プログラム用拡張属性
Architecture Type体系種別
Attribute Subtype属性副種別
Attribute Type属性種別
Beginning Extended Area Descriptor拡張領域先頭記述子
Boot Descriptor起動記述子
Checkpointチェックポイント
Close Integrity (Descriptor/Entry)クローズ保全(記述子/エントリ)
cyclic redundancy check (CRC)巡回冗長検査
descriptor記述子
Descriptor Character Set記述子用文字集合
dirty不正
Domain Identifier範囲識別子
Entity実体
Equivalent Volume Descriptor Sequence同等ボリューム記述子列
Escape Sequenceエスケープシーケンス
Explanatory Character Set説明用文字集合
Extended Allocation Descriptor拡張割付け記述子
Extended Attribute Header Descriptor拡張属性ヘッダ記述子
extentエクステント
field
fileファイル
File Entryファイルエントリ
File Identifier Descriptorファイル識別記述子
file setファイル集合
File Set Descriptorファイル集合記述子
File Time Existenceファイル日時存在
flagフラグ
Free Space Table利用可能空間テーブル
freed space未初期化空間
Freed Space Bitmap未初期化空間ビットマップ
Freed Space Table未初期化空間表
Generic format共通フォーマット
generic partition map区画マップの共通フォーマット
group IDグループID
ICB hierarchyICB階層
identifier識別子
implementation処理システム
implementation use処理システム用
Implementation Use Extended Attribute処理システム用拡張属性
Implementation Use Volume Descriptor処理システム用ボリューム記述子
Indirect Entry間接エントリ
Information Control Block情報制御ブロック
Information Time Existence情報日時存在
instance of an extended attribute拡張属性のインスタンス
Integrity Sequence Extent保全列エクステント
Integrity Type保全種別
Load Addressロード番地
logical block論理ブロック
Logical Block Size論理ブロック長
logical sector論理セクタ
logical volume論理ボリューム
Logical Volume Contents Use論理ボリューム内容用
Logical Volume Descriptor論理ボリューム記述子
Logical Volume Integrity Descriptor論理ボリューム保全記述子
Long Allocation Descriptor長割付け記述子
Main Volume Descriptor Sequence主ボリューム記述子列
Major Device Identification主装置識別情報
Minor Device Identification副装置識別情報
Next Extent後続エクステント
Next Integrity Extent保全列続きエクステント
Next Volume Descriptor Sequence Extentボリューム記述子列続きエクステント
Non-Allocatable Space List割付け禁止空間リスト
non-sequential recording非逐次記録
Open Integrity (Descriptor/Entry)オープン保全(記述子/エントリ)
originating system作成システム
padding埋込み
partition区画
Partition Descriptor区画記述子
Partition Integrity Table区画保全表
Path Componentパス要素
Pathnameパス名
Permissions許可条件
Predecessor Volume Descriptor Sequence Location先行ボリューム記述子列位置
prevailing最新
Previous Allocation Extent Location先行割付けエクステント位置
Primary Volume Descriptor基本ボリューム記述子
Prior Recorded Number of Direct Entries記録済み直接エントリの個数
protected保護
receiving system受領システム
recordレコード
record structureレコード構造
Recorded Address記録番地
reserved予備
Reserved Volume Descriptor Sequence予備ボリューム記述子列
resolved pathname帰着パス名
schemaスキーマ
sectorセクタ
sequence
Short Allocation Descriptor短割付け記述子
Size Tableサイズテーブル
space bitmap空間ビットマップ
Space Bitmap Descriptor空間ビットマップ記述子
space table空間表
standard for recording記録のための規格
Strategy Parameter方策パラメタ
Strategy Type方策種別
suffix添字
Tag Checksumタグチェックサム
Tag Serial Numberタグ通し番号
Terminal Entry終端エントリ
Terminating Descriptor終端記述子
Terminating Extended Area Descriptor拡張領域終端記述子
type種別
Type 1(2) Partition Map第1(2)種区画マップ
Unallocated Space Bitmap未割付け空間ビットマップ
Unallocated Space Descriptor未割付け空間記述子
Unallocated Space Entry未割付け空間エントリ
Unallocated Space Table未割付け空間表
Unique Id一意ID
user ID利用者ID
version版数
volumeボリューム
Volume Descriptor Pointerボリューム記述子ポインタ
Volume Descriptor Sequenceボリューム記述子列
Volume Descriptor Sequence Numberボリューム記述子順序番号
Volume Sequence Numberボリューム順序番号
volume setボリューム集合
volume spaceボリューム空間


2.2 構成

2.2.1 章・節構成

UDFの規定は, 必ずしもJIS又は標準情報(TR)の様式には整合していないため, 整合化の対応が必要である。しかしTRの読者が原規定を参照する際の便を考慮すると, 章・節構成はなるべく原規定のそれを保存することが望まれる。そこで, 次に示すだけの修正(章・節番号の変更なし)を施して, この標準情報(TR)を構成した。

2.2.2 その他の翻訳表記上の規則

原規定は, ウェブ上のPDFの様式で書かれた電子化テキストで提供されている。この標準情報(TR)は, 翻訳作業に際してテキストにHTMLタグを付与し, 将来のウェブ配布に備えている。タグ付けは, 原規定の文書スタイルから読み取れる構造をできるだけ保存するものとし, 次の配慮を施した。


3. 著作権表示

この規定の発行は, OSTAから日本規格協会に対する翻訳・出版の許諾に基づく。

©1994, 1995, 1996, 1997, OSTA. All right reserved. UNIVERSAL DISK FORMATTM and UDFTM are trademarks of OSTA, and are used with permission od OSTA.

Optical Storage Technology Association
311 East Carrillo Street
Santa Barbara, CA 93101

This document is a translation from the English version issued by OSTA. The English version was translated into Japanese by JSA, and OSTA shall have no liability whatsoever for any errors in translation. In the case of any consistencies between this document and the English version of this document, the English version shall be controlling, and the user is advised to consult the English version of this document.


4. 参考文献

[1] TR X 0001:1996, 情報交換のための非逐次記録高密度光ディスク(DVDなど)のボリューム構造及びファイル構造, 1996-08-06

[2] JIS X 0609:1998, 情報交換用非逐次記録高密度光ディスクのボリューム構造及びファイル構造, 1998-02-20

[3] 光ディスク標準化委員会 フォーマット分科会, ユニバーサルディスクフォーマット規定, 日本規格協会, 1997-08-20


5. 原案作成委員会

この追補の原案は,財団法人光産業技術振興協会に設置された光ディスク標準化委員会のフォーマット分科会で作成され,光ディスク標準化委員会のレビューを受けた。これらの委員会の委員構成を, それぞれ解説表5.2及び解説表5.1に示す。

解説表5.1 光ディスク標準化委員会の構成
氏名所属
(委員長)板生 清東京大学
(副委員長)小町 祐史松下電送システム株式会社
石井 正則日本電気株式会社
土屋 洋一三洋電機株式会社
吉岡 誠富士通株式会社
増井 久之財団法人マルチメディアソフト振興協会
木目 健次朗三菱電機株式会社
入江 満三菱電機株式会社
八田 勲通商産業省工業技術院
横川 文彦パイオニア株式会社
菅谷 寿鴻株式会社東芝
入江 英之株式会社東芝
高橋 正彦株式会社日立製作所
徳丸 春樹日本放送協会
田辺 隆也日本電信電話株式会社
応和 英男ソニー株式会社
松林 宣秀オリンパス光学工業株式会社
戸島 知之NTTインテリジェントテクノロジ株式会社
三和 邦彦日本アイ・ビー・エム株式会社
村上 善照シャ−プ株式会社
山田 昇松下電器産業株式会社
金沢 安矩
橋本 進財団法人日本規格協会
(事務局)増田 岳夫光産業技術振興協会
(事務局)杉森 輝彦光産業技術振興協会
(事務局)田辺 正剛光産業技術振興協会

解説表5.2 光ディスク標準化委員会 フォーマット分科会の構成
氏名所属
(統括)小町 祐史松下電送システム株式会社
(副統括)八谷 祥一株式会社アプリックス
(副統括)高橋 正悦株式会社リコー
石井 正則日本電気株式会社
伊藤 精悟株式会社東芝
工藤 芳明大日本印刷株式会社
後藤 芳稔松下電器産業株式会社
沢田 要川鉄情報システム株式会社
徳丸 春樹日本放送協会
徳光 健司株式会社日立製作所
中根 和彦三菱電機株式会社
八田 勲通商産業省工業技術院
吉岡 誠富士通株式会社
(事務局)増田 岳夫光産業技術振興協会
(事務局)松川 茂樹光産業技術振興協会