XHTML文書は, XMLに適合するため, 標準的なXMLツールを使用することによって容易に閲覧や編集が可能となり, その妥当性の検証も可能である。XMLに基づく利用者エージェントと結びついて機能することは, 今後のWeb環境の方向に適合することであり, 今後の利用者のニーズを充足させるために不可欠である。
XMLを導入することによって, 名前空間を用いて他のタグセットによる記述の導入を可能にし, さらにそれに基づくモジュール化を可能にする。そこで, W3Cはこの標準情報(TR)の原規定である"Modularization of XHTML"を公表してモジュール化に関する規定を行い, それによって, XHTMLのサブセット化と拡張との実装を容易にしている。つまり, ハンドヘルド装置, 携帯電話などのようにXHTML要素のサブセットだけをサポートすればよい簡素なアプリケーション, 追加要素の導入を必要とする大規模アプリケーションなどに対して, 一貫した方法で容易に対応を可能にしている。
拡張可能な共通ベースとして, XHTML Basic[1]が規定されている。その内容はSMIL 2.0[2]などの規定からも参照されると共に, ブラウザへの組込みも開始されている。
そこで経済産業省産業技術環境局は, "文書処理及びフォントの標準化調査研究委員会(DDFD)"に対してModularization of XHTMLのTR化作業を委託した。DDFDではその作業グループ1(DDFD-WG1)が, 2001年度にこの作業を担当し, 2002年2月に標準情報(TR)の原案を完成して産業技術環境局に提出している。
訳語選定に際しては,標準情報 TR X 0033:2000 ハイパテキストマーク付け言語 (HTML) 4.0[3], JIS X 4156:2000 ハイパテキストマーク付け言語(HTML)[4], TR X 0037:2001 拡張可能なハイパテキストマーク付け言語 XHTML 1.0[5], 及びSGML関連規格において使用している訳語との整合を配慮した。
この規格で採用した主な訳語を次に示し, 今後の関連規定の作成等に際しての参考とする。
原語 | 訳語 |
---|---|
appliances | 家電 |
base architecture | 基本体系 |
base module | 基底モジュール |
base URI | 基底URI |
basic forms module | 基本フォームモジュール |
basic tables module | 基本表モジュール |
basic text container | 基本テキストコンテナ |
bi-directional | 双方向 |
braille tactile feedback devices | 点字フィードバック装置 |
composibility | 構成可能性 |
destination targets for a selection | 選択の宛先ターゲット |
evolution | 進展 |
fixed function device | 専用機能装置 |
generic identifier | 共通識別子 |
granularity | 粒度 |
idiosyncrasies | 特異性 |
key entry point | 主要エントリ点 |
points of conformance | 適合性のポイント |
prose definition | 説明定義 |
prose text | 説明テキスト |
readability | 可読性 |
stand-alone DTD | 独立DTD |
target | ターゲット |
validating parser | 妥当性検証パーサ |
version identifier | 版数識別子 |
XHTML host language document type conformance | XHTMLホスト言語文書型の適合性 |
XHTML integration set document type conformance | XHTML統合集合文書型の適合性 |
XML namespace-aware parser | XML名前空間認識パーサ |
XML standards specification | XML規定内容 |
W3Cの規定は, 必ずしもJIS又は標準情報(TR)の様式には整合していないため, 整合化の対応が必要である。しかしTRの読者が原規定を参照する際の便を考慮すると, 章・節構成はなるべく原規定のそれを保存することが望まれる。そこで, 次に示すだけの修正(章・節番号の変更なし)を施して, この標準情報(TR)を構成した。
原規定は, XHTMLを用いて記述されている。この標準情報(TR)も原則として, 原規定のタグを保存することにしたが, 特に次の点に留意した。
この標準情報(TR)の公表に際して, W3Cから和文及び英文による次の記載を求められている。この記述は原規定にはないため, ここに示して, W3Cの要求に応えることとする。
規定に準拠しているかどうかの基準となる版は, W3Cのサイトにある原規定とする。
この標準情報(TR)は原規定と技術的に同一であることを意図しているが, 翻訳上の誤りはあり得る。
The normative version of the specification is the English version found at the W3C site.
Although this TR is intended to be technically identical to the original, it may contain errors from the translation.
W3Cの原規定においては, 本文中に設けられたアンカのクリックによって, テンプレートデータ等にアクセスできる。しかし, この標準情報(TR)のハードコピー版は, その性質上これらのハイパリンクを実装できない。ウェブ版には, その機能が用意されている。
[1] TR X 0051:2001 XHTML基本, 2001-12
備考 W3C Recommendation, XHTML Basic, http://www.w3.org/TR/2000/REC-xhtml-basic-20001219, 2000-12 がこの規定に一致している。
[2] W3C Recommendation, Synchronized Multimedia Integration Language (SMIL 2.0), http://www.w3.org/TR/2001/REC-smil20-20010807/, 2001-08-07
[3] TR X 0033:2000 ハイパテキストマーク付け言語 (HTML) 4.0, 2000-09-01
[4] JIS X 4156:2000 ハイパテキストマーク付け言語(HTML), 2000-10-20
[5] TR X 0037:2001 拡張可能なハイパテキストマーク付け言語 XHTML 1.0, 2001-02-01
原案作成委員会である(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター(INSTAC)の"文書処理及びフォントの標準化調査研究委員会"(DDFD)は, 学識経験者, メーカ及び利用者で構成され, その委員会の中に設置された作業グループ1(DDFD-WG1)が翻訳作業を行った。それらの構成員を次に示す。
氏名 | 所属 | |
---|---|---|
(委員長) | 池田 克夫 | 京都大学 |
(幹事) | 鯵坂 恒夫 | 和歌山大学 |
(幹事) | 小町 祐史 | 松下電送システム株式会社 (SC34専門委員会委員長) |
安達 淳 | 株式会社沖データ | |
内山 光一 | 株式会社東芝 | |
小笠原 治 | 社団法人日本印刷技術協会 | |
高沢 通 | 大日本スクリーン株式会社 | |
高橋 亨 | 株式会社日立製作所 | |
加藤 幸司 | 凸版印刷株式会社 | |
窪田 明 | 経済産業省機械情報産業局 | |
木戸 達雄 | 経済産業省産業技術環境局 | |
大久保 彰徳 | 株式会社リコー | |
宮本 義昭 | 日本ユニシス株式会社 | |
(オブザーバ) | 高橋 昌行 | 経済産業省産業技術環境局 |
(事務局) | 内藤 昌幸 | 財団法人日本規格協会 |
氏名 | 所属 | |
---|---|---|
(主査) | 小町 祐史 | 松下電送システム株式会社 (SC34専門委員会委員長) |
(幹事) | 内山 光一 | 株式会社東芝 |
(幹事) | 高橋 亨 | 株式会社日立製作所 |
安達 淳 | 株式会社沖データ | |
今郷 詔 | 株式会社リコー | |
小笠原 治 | 社団法人日本印刷技術協会 | |
奥井 康弘 | 株式会社日本ユニテック | |
内藤 求 | 株式会社シナジーインキュベート | |
内藤 広志 | 大阪工業大学 | |
海田 茂 | ネクストソリューション株式会社 | |
萩野 剛二郎 | 電気通信大学 | |
渡部 賢一 | 財団法人日本規格協会 | |
(オブザーバ) | 浅利 千鶴 | 浅利会計事務所 |
大久保 彰徳 | 株式会社リコー | |
高橋 昌行 | 経済産業省産業技術環境局 | |
(事務局) | 内藤 昌幸 | 財団法人日本規格協会 |