標準情報(TR)    TR X 0063:2002

XMLスキーマ 第1部 構造 解説



1. 公表の趣旨及び経緯

この標準情報(TR)の公表は, (財)データベース振興センターからの強い要求に基づく。原案委員会は, 2001年度の開始時期にはXMLスキーマに関する作業を計画していなかったが, データベース振興センターからの強い要求に応えて, XMLスキーマのTR化を追加課題として取り上げ, 2002年2月にまず第0部の原案を完成し, 次いで2002年5月に第1部及び第2部を完成して経済産業省の産業技術環境局に提出した。

データベース振興センターの当初の要求は, TR化ではなく, JIS化であった。しかし動向調査の結果, 3.に示す判断に基づき, TR化を行った。


2. 審議中の主要検討課題

2.1 主な訳語

翻訳箇所において採用した主な訳語を解説表2.1に示, 今後の関連規定の作成等に際しての参考とする。

解説表2.1 主な訳語
       原語  訳語
tabulation一覧
particle attribution constraint粒子帰属制約
connection between documents and schemas文書とスキーマとの結合
schema-validity assessmentスキーマ妥当性評価
schema-aware processorスキーマ認識プロセサ
step-by-step introductionステップごとの導入

2.2 章・節などの構成

W3Cの規定は, 必ずしもJIS又は標準情報(TR)の様式には整合していないため, 整合化の対応が必要である。しかしTRの読者が原規定を参照する際の便を考慮すると, 章・節構成はなるべく原規定のそれを保存することが望まれる。そこで, 次に示すだけの修正(章・節番号の変更なし)を施して, この標準情報(TR)を構成した。

2.3 W3Cからの要求

この標準情報(TR)の公表に際して, W3Cから和文及び英文による次の記載を求められている。この記述は原規定にはないため, ここに示して, W3Cの要求に応えることとする。

規定に準拠しているかどうかの基準となる版は, W3Cのサイトにある原規定とする。

この標準情報(TR)は原規定と技術的に同一であることを意図しているが, 翻訳上の誤りはあり得る。

The normative version of the specification is the English version found at the W3C site.

Although this TR is intended to be technically identical to the original, it may contain errors from the translation.


3. 懸案事項

XML Schemaは, W3Cの勧告であるため, 1.に示すとおりJIS化に関する利用者要求があったが, 他のW3C勧告の扱いと同様に, まず標準情報(TR)として公表することとした。

この標準情報(TR)の原案作成を行っていた時期に, ISO/IEC JTC1/SC34において, Document Schema Definition Language (DSDL)の新作業課題が提案され, プロジェクトが成立した。そのプロジェクトにおける議論(2001年12月)において, DSDLは複数パートの構成とし, その中にXML Schemaの規定を含めることが決まった[1]

そこで原案委員会では, XML SchemaのJIS化については, このDSDL(ISO/IEC 19757)の関連パートが発行されてから, その国際規格の翻訳JISとして制定することが適切と判断した。


4. 参考文献

[1] ISO/IEC CD 19757-0 (ISO/IEC JTC1/SC34 N0275), Document Schema Definition Language (DSDL) Part 0 Overview, 2001-12


5. 原案作成委員会

この標準情報(TR)の原案を作成した(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター(INSTAC)の次世代コンテンツの標準化に関する調査研究委員会及び作業グループ(WG3)の委員構成を,それぞれ解説表5.1及び解説表5.2に示す。

解説表5.1 次世代コンテンツの標準化に関する調査研究委員会
氏名 所属
(委員長) 池田 克夫 大阪工業大学
(幹事) 村田 真 日本アイ・ビー・エム株式会社
(幹事) 小町 祐史 松下電送システム株式会社
(幹事) 平山 亮 金沢工業大学
内山 光一 株式会社東芝
久保田 靖夫 大日本印刷株式会社
黒川 利明 株式会社CSK
斎藤 伸雄 凸版印刷株式会社
二本松 勝 株式会社日立製作所
木戸 達雄 経済産業省産業技術環境局
藤原 洋 株式会社インターネット総合研究所
松本 充司 早稲田大学
柳町 昭夫 株式会社NHKアイテック
(事務局) 山中 正幸 財団法人日本規格協会

解説表5.2 作業グループ3(WG3)
氏名 所属
(主査) 小町 祐史 松下電送システム株式会社
(幹事) 内山 光一 株式会社東芝
稲垣 達夫 グランスフィア株式会社
奥井 康弘 株式会社日本ユニテック
海田 茂 ネクストソリューション株式会社
風間 一洋 日本電信電話株式会社
上村 圭介 国際大学グローバル・コミュニケーション・センター
栗林 博 オムロン株式会社
黒川 利明 株式会社CSK
八谷 祥一 株式会社アプリックス
澤田 位 財団法人日本規格協会
出葉 義治 ソニー株式会社
内藤 広志 大阪工業大学
西村 利浩 富士通株式会社
石川 則夫 経済産業省商務情報政策局
オブザーバ 浅利 千鶴 浅利会計事務所
オブザーバ 篠原 章夫 日本電信電話株式会社
オブザーバ 山東 滋 株式会社日立製作所
オブザーバ 萩原 崇弘 経済産業省商務情報政策局
オブザーバ 高橋 昌行 経済産業省産業技術環境局
(事務局) 山中 正幸 財団法人日本規格協会