標準情報(TR)    TR X 0064:2002


XMLスキーマ  第2部 データ型

XML Schema Part 2: Datatypes



序文

この標準情報(TR)は,2001年5月にWorld Wide Web Consortium(W3C)から公表された XML Schema Part 2: Datatypes勧告を翻訳し, 技術的内容を変更することなく作成した標準情報(TR)である。1.3以前については,原規定を全文翻訳し,1.4以降については,それぞれ原規定の同項目の内容を引用するものとした。


0. 概要

XMLスキーマ データ型は, XMLスキーマ言語規定の第2部とする。それは, 他のXML規定と同様に, XMLスキーマにおいて用いられるデータ型を規定するための機能を定義する。データ型言語は, それ自体がXML 1.0で表現され, 要素及び属性のデータ型を規定するために, XML 1.0の文書型定義(DTD)にある機能のスーパセットを提供する。


1. 導入

1.1 目的

[XML 1.0 (Second Edition)]規定は, データ型を文書内容に適用するための限定された機能を規定する。そこでは文書は, 要素及び属性に型を割当てるDTDを含んでよく, 又は参照してよい。しかし, 従来文書の著者及びXMLのデータを運ぶ文書の著者を含む文書作成者は, 文書理解及びデータ交換の強靭性を保証するためにもっと高度な型チェックを必要とすることが多い。

次の表は, データ型が暗黙的であるXMLインスタンスの二つの典型的な例を示す。左のインスタンスは, 請求書を表現し, 右のインスタンスは, XMLで書かれたメモ又は電子メールメッセージを表現する。

データ指向 文書指向
<invoice>
  <orderDate>1999-01-21</orderDate>
  <shipDate>1999-01-25</shipDate>
  <billingAddress>
   <name>Ashok Malhotra</name>
   <street>123 Microsoft Ave.</street>
   <city>Hawthorne</city>
   <state>NY</state>
   <zip>10532-0000</zip>
  </billingAddress>
  <voice>555-1234</voice>
  <fax>555-4321</fax>
</invoice>
<memo importance='high'
      date='1999-03-23'>
  <from>Paul V. Biron</from>
  <to>Ashok Malhotra</to>
  <subject>Latest draft</subject>
  <body>
    We need to discuss the latest
    draft <emph>immediately</emph>.
    Either email me at <email>
    mailto:paul.v.biron@kp.org</email>
    or call <phone>555-9876</phone>
  </body>
</memo>

請求書は, 幾つかの日付, 電話番号, 郵便での州の短縮形(承認された値の一覧表による)及び郵便番号(定義可能な正規形をとる)を含む。メモは, 多くの同じ型の情報, つまり, 日付, 電話番号, 電子メールアドレス及び"重要度"の値("低", "中"又は"高"などの一覧表による)を含む。請求書及びメモを処理するアプリケーションは, 日付又は電話番号であると考えられるものが妥当な日付又は電話番号に関する規則に適合しなければ, 異議を提起する必要がある。

どちらの場合も, 妥当性の制約が, XML DTDでは表現できないインスタンスの内容に存在する。XMLの限定されたデータ型付け機能は, 妥当性検証XMLプロセサが, これらの状況で要求される厳密な型チェックを与えないようにしてきた。その結果, 個々のアプリケーション作成者が, 特定なやり方で型チェックを実装してきた。この規定は, XMLプロセサに組込まれ得る強靭で拡張可能なXMLのデータ型システムに関する文書作成者及びアプリケーション作成者の両者の必要性に言及する。以降に示すとおり, これらのデータ型は, 他のXML関連規格においても利用できる。

1.2 要件

[XML Schema Requirements]の文書は, この規定によって達成される具体的な要件を説明している。それによると, XMLスキーマ言語は次の要件を満たす。

1.3 適用範囲

XMLスキーマ言語のこの部分は, XMLスキーマの中で使用できるデータ型を示す。これらのデータ型は, #PCDATAとして指定される要素内容, 及びDTDの中の多様な型の属性値に関して規定され得る。この規定が, [XSL], [RDF Schema]などの広範囲な他のXML関連活動のために, XMLスキーマの文脈の外で利用できることを, この規定は意図している。

1.4 用語遣い

XML Schema Part 2: Datatypesの 1.4 Terminology による。

1.5 制約及び寄与

XML Schema Part 2: Datatypesの 1.5 Constraints and Contributions による。


2. 型システム

XML Schema Part 2: Datatypesの 2. Type System による。


3. 組込みデータ型

XML Schema Part 2: Datatypesの 3. Built-in datatypes による。


4. データ型の構成要素

XML Schema Part 2: Datatypesの 4. Datatype components による。


5. 適合性

XML Schema Part 2: Datatypesの 5. Conformance による。


附属書A. データ型定義のためのスキーマ(規定)

XML Schema Part 2: Datatypesの Appendix A. Schema for Datatype Definitions (normative) による。


附属書B. データ型定義のためのDTD(参考)

XML Schema Part 2: Datatypesの Appendix B. DTD for Datatype Definitions (non-normative) による。


附属書C. データ型及びファセット

XML Schema Part 2: Datatypesの Appendix C. Datatypes and Facets による。


附属書D. ISO 8601日時フォーマット

XML Schema Part 2: Datatypesの Appendix D. ISO 8601 Date and Time Formats による。


附属書E. dateTimesへの期間の追加

XML Schema Part 2: Datatypesの Appendix E. Adding durations to dateTimes による。


附属書F. 正規表現

XML Schema Part 2: Datatypesの Appendix F. Regular Expressions による。


附属書G. 定義(参考)

XML Schema Part 2: Datatypesの Appendix G. Glossary (non-normative) による。


附属書H. 文献

XML Schema Part 2: Datatypesの Appendix H. References による。


附属書I. 貢献者(参考)

XML Schema Part 2: Datatypesの Appendix I. Acknowledgements (non-normative) による。



附属書1. XML Schema Part 2: Datatypes