附属書D(参考) DAML+OILからの変更

この附属書Dは,DAML+OIL [DAML+OIL] からOWLへの変更事項を要約している。

  1. 意味論の変更は顕著である。三つの下位言語に関しては,DAML+OILの意味論は,OWL DLの意味論に最も近い。
  2. 名前空間は http://www.w3.org/2002/07/owlに変更された。
  3. RDF コア作業グループによるRDF及びRDFスキーマへの様々な更新が組み込まれている。 次のものが含まれている。
    • 循環下位クラスを使用できる。
    • 複数のrdfs:domain及びrdfs:range特性 を積集合として扱う。
    • RDF意味論 [RDF Semantics]
    • データ型
      • RDF及びOWLは,XMLスキーマ名前空間として, http://www.w3.org/2000/10/XMLSchemaではなく, http://www.w3.org/2001/XMLSchemaを使用する。
      • OWLは,次に例を示すように, 型としてデータ型を使用することはできない。
        <size>
          <xsd:integer rdf:value="10"/>
        </size>
        
        上の記述の代わりに次を使用する。
        <size
        rdf:datatype="http://www.w3.org/2001/XMLSchema#integer">10</size>
        
    • 閉じたコレクションを表現するために使用される daml:List構成要素は,ほぼRDFに組み込まれた。
      • rdf:parseType="Collection"は, rdf:parseType="daml:collection"に取って代る。
      • rdf:List, rdf:first, rdf:rest及びrdf:nilが,daml:List, daml:first, daml:rest及びdaml:nilに取って代わる。
      • daml:itemはサポートされない。 この機能は典型的には型付けされたリストの生成に使用されるため, ここでは,daml:itemを使用しないで, これらのリストを生成する例を示す。
                <rdfs:Class rdf:ID="OperaList">
                  <rdfs:subClassOf rdf:resource="&rdf;List"/>
                  <rdfs:subClassOf>
                    <owl:Restriction>
                      <owl:onProperty rdf:resource="&rdf;first"/>
                      <owl:allValuesFrom rdf:resource="#Opera"/>
                    </owl:Restriction>
                  </rdfs:subClassOf>
                  <rdfs:subClassOf>
                    <owl:Restriction>
                      <owl:onProperty rdf:resource="&rdf;rest"/>
                      <owl:allValuesFrom rdf:resource="#OperaList"/>
                    </owl:Restriction>
                  </rdfs:subClassOf>
                </rdfs:Class>
                
        この例は,要素がオペラ(opera) でなければならないリストを定義している。 これには二つの制限が必要となる。 一つ目の制限は,リスト要素の型を表現するrdf:firstの値に課され, 二つ目の制限は,定義されているリストの名前でなければならないrdf:restの値に課される。
  4. 修飾した制限は言語から削除された。 その結果,次の特性が削除されている。
    • daml:cardinalityQ
    • daml:hasClassQ
    • daml:maxCardinalityQ
    • daml:minCardinalityQ
  5. 様々な特性及びクラスの名前が変更された。 それを次の表に示す。
    DAML+OIL OWL
    daml:differentIndividualFrom owl:differentFrom
    daml:equivalentTo owl:sameAs
    daml:sameClassAs owl:equivalentClass
    daml:samePropertyAs owl:equivalentProperty
    daml:hasClass owl:someValuesFrom
    daml:toClass owl:allValuesFrom
    daml:UnambiguousProperty owl:InverseFunctionalProperty
    daml:UniqueProperty owl:FunctionalProperty
  6. owl:SymmetricPropertyが追加された。
  7. owl:AnnotationProperty, owl:OntologyProperty 及びowl:DataRangeも追加された。
  8. owl:DatatypePropertyは, OWL Fullではowl:InverseFunctionalPropertyであってもよい。
  9. RDF及びRDFスキーマのクラス及び特性に関する同義語が言語から削除された。 その結果,次が削除された。
    • daml:comment
    • daml:domain
    • daml:label
    • daml:isDefinedBy
    • daml:Literal
    • daml:Property
    • daml:range
    • daml:seeAlso
    • daml:subClassOf
    • daml:subPropertyOf
    • daml:type
    • daml:value
  10. owl:unionOf又はrdfs:subClassOf及びowl:disjointWithを使用することによって実現できるため, daml:disjointUnionOfが言語から削除された。
  11. daml:equivalentToの名前が変更されて owl:sameAsとなった。 これは,もはや owl:equivalentClass及び owl:equivalentPropertyの上位特性ではない。
  12. 次の特性及びクラスを追加して,版管理情報をサポートした。
  13. owl:AllDifferent及び owl:distinctMembersを追加して, 一意名仮定に対応した。