この附属書は,規定の5.の定理の証明を記述する。
命名 この附属書を通して,Dは,すべての組込みOWLデータ型及びrdf:XMLLiteralのデータ型を含むデータ型対応付け(3.1)となる。Tは,抽象OWLオントロジから4.1のRDFグラフへの対応付けとなる。VBは,組込みOWL語い(彙)となる。同様に,語い(彙)中の普通リテラルには言及しない。
備考 この附属書を通して,すべての解釈はデータ型対応Dと関連する。したがって,すべての結果がDと関連する。構成の詳細は明らかにいくつか欠落している。
A.1では,二つの意味論があるOWLオントロジに関して対応することを示す。二つの意味論とは,ここで直接モデル理論と呼ばれる3.の抽象OWLオントロジの直接モデル理論,及びここでOWL DLモデル理論と呼ばれる5.のOWL DL意味論とする。
定義 Dを上に示すとおりに仮定する場合,特別なOWL語い(彙) (4.2)は,ここではさらに形式化されてURI参照V'となり,V'の互いに素となる区画をもつ使用不能な語い(彙) (4.2)とは互いに素となる。これは,V' = VO + VC + VD + VI + VOP + VDP + VAP + VXPと書き込まれ,そこでは,組込みOWLクラスがVCに属し,URI参照,Dのすべてのデータ型名及びrdfs:LiteralはVDに,OWL組込み注記特性はVAPに,さらに,OWL組込みオントロジ特性はVXPにそれぞれ属する。
定義
特別なOWL語い(彙),V' = VO + VC + VD + VI + VOP + VDP + VAP + VXPの翻訳は,T(V')と書き込まれ,次の形式のすべての三つ組から構成される。
v rdf:type owl:Ontologyの場合はv ∈VO,
v rdf:type owl:Classの場合はv ∈VC,
v rdf:type rdfs:Datatypeの場合はv ∈VD,
v rdf:type owl:Thingの場合はv ∈VI,
v rdf:type owl:ObjectPropertyの場合はv ∈VOP,
v rdf:type owl:DatatypePropertyの場合はv ∈VDP,
v rdf:type owl:AnnotationPropertyの場合はv ∈VAP,及び
v rdf:type owl:OntologyPropertyの場合はv ∈VXPとなる。
定義 特別な語い(彙)(4.)をもつ抽象構文形式のOWL DLオントロジ及び公理並びに事実の集まりO(2.)は,ここでは,特別な語い(彙)の新しい概念V = VO + VC + VD + VI + VOP + VDP + VAP + VXPを用いて,さらに形式化される。次に例を示す。:
証明された定理は次となる。: O及びO'を閉鎖された取込みである抽象構文形式のOWL DLオントロジ及び公理並びに事実の集まりとする。その場合,それらの合併集合が特別な語い(彙)をもつものとし,その逆も成り立つ。その結果,T(O)がT(O')をOWL DLで論理的に帰結する場合に限り,OはO'を直接論理的に帰結し,その逆も成り立つ。
補助定理1 V' = VO + VC + VD + VI + VOP + VDP + VAP + VXPを特別なOWL語い(彙)とする。V = VO ∪ VC ∪ VD ∪ VI ∪ VOP ∪ VDP ∪ VAP ∪ VXP ∪ VBとする。I'= <R,EC,ER,L,S,LV>をV'の直接解釈とする。I = <RI,PI,EXTI,SI,LI,LVI> を,T(V')を満たすVのOWL DL解釈とする。その場合,LVI = LVが成立する。CEXTIに通常の意味をもたせ,構文上のあらゆる構成要素をその表示に対応付けるために,通常どおり,Iをオーバロードさせる。次 の場合を検討する。
さらに,dがあらゆる抽象OWL記述又はV'に関するデータ域である場合は次となる。
証明
補助定理の証明は,構成的帰納法による。証明を通じて,IOT = CEXTI(I(owl:Thing)), IOC = CEXTI(I(owl:Class)), IDC = CEXTI(I(rdfs:Datatype)), IOOP = CEXTI(I(owl:ObjectProperty)), IODP = CEXTI(I(owl:DatatypeProperty)),及び IL = CEXTI(I(rdf:List))とする。
帰納作業を行うに当っては,あらゆるdについて,下位構成要素T(d)をもつ記述又はデータ域が,他の下位構成要素からの三つ組をもつ空ノードを共有しない各下位構成要素の三つ組を含むことを示す必要がある。Tの規則からこれを簡単に検証することができる。
p∈VOPであれば,Iは p∈IOOPを満たす。IはOWL DL解釈であるため,Iは <p,I(owl:Thing)>∈EXTI(I(rdfs:domain)) 及び <p,I(owl:Thing)>∈EXTI(I(rdfs:range))を満たす。したがって,IはT(p)を満たす。p∈VDPの場合も同様とする。
補助定理1.1 V', V, I',及びIを補助定理1の場合と同様とする。dをV'に関するIndividual(…)形式の抽象OWL個体構成要素とする。あらゆるAがT(d)のすべての空ノードをRIに対応付ける場合,I+AがT(d)をOWL DLで満たすのであれば,I+A(M(T(d))) ∈EC(d)が成立する。同様に,あらゆるr ∈EC(d)について,T(d)のすべての空ノードをI+A(M(T(d))) = rとなるようなRIに対応付ける何らかのAが存在する。
証明
簡単な帰納引数は,I+A(M(T(d)))がEC(d)のすべての要件を満たさなければならないことを示す。別の帰納引数が下位構成要素の空ノードの非共有に依存する場合,各r ∈EC(d)について,I+A(M(T(d))) = rとなるような何らかのAが存在することを示す。
補助定理1.9 V', V, I',及びIを補助定理1の場合と同様にする。V'に関して,FをOWL指示文とし,annotation(p x)形式の注記をもつものとする。Fがクラス又は特性の公理である場合,nをクラス又は特性の名前とする。Fが個体の公理である場合,nをT(F)の主ノードとする。その場合,あらゆるAがT(F)のすべての空ノードをRIに対応付けるのであれば,I+Aは,I'が注記による結果としての条件を直接満たす場合に限り,注記による結果としての三つ組をOWL DLで満たし,その逆も成り立つ。
証明
URI参照の注記について,意味論条件及び翻訳の三つ組を検査することによって,補助定理を簡単に確立することができる。Individual(...)の注記の場合は,補助定理1.1の使用も必要となる。
補助定理2 V', V, I',及びIを補助定理1の場合と同様にする。V'に関して,FをOWL指示文とする。その場合,I'がFを満たす場合に限り,IはT(F)を満たし,その逆も成り立つ。
証明
証明の主要部分は,指示文に関しては,構成的帰納法とする。注記は多くの指示文で現れ,全く同様に作用する。そのため,注記は補助定理1.9の使用だけを必す(須)とする。したがって,証明の残りの部分は,注記を無視することになる。非推奨を同じ方法で取扱うことができ,証明の残りの部分では同様に無視されることになる。
d=intersectionOf(d1 … dn)とする。V'に関して,dは記述であるため,IはT(d)を満たし,あらゆるAが,I+AがT(d)を満たすようなT(d)の空ノードを対応付ける場合は,CEXTI(I+A(M(T(d)))) = EC(d)となる。したがって,dのあらゆる下位記述であるd'について,CEXTI(I+A(M(T(d')))) = EC(d')及びI+A(M(T(d')))∈IOCが成立する。 何らかのAが,I+AがT(d)を満たすようなT(d)の空ノードを対応付ける場合,CEXTI(I+A(M(T(d)))) = EC(d)及びI+A(M(T(d)))∈IOCが成立する。さらにdの下位記述である各d'については,CEXTI(I+A(M(T(d')))) = EC(d'), 及びI+A(M(T(d')))∈IOCが成立する。
I'がFを満たす場合,EC(foo) = EC(d)となる。上の記述から,CEXTI(I+A(M(T(d)))) = EC(d) = EC(foo) = CEXTI(I(foo)) かつI+A(M(T(d)))∈IOCとなるような何らかのAが存在する。IがT(V)を満たすため,I(foo)∈IOCとなり,したがって,<I(foo),I+A(M(T(d)))> ∈ EXTI(I(owl:equivalentClass))となる。さらに,I(owl:intersectionOf)の意味論条件のため,<I(foo),I+A(M(T(SEQ d1 … dn)))> ∈EXTI(I(owl:intersectionOf))となる。
dがintersectionOf(d1)形式に属する場合,CEXTI(I+A(M(T(d1)))) = EC(d1) = EC(d) = EC(foo) かつ I+A(M(T(d1)))∈IOCとなる。そのため,I(owl:equivalentClass)の意味論条件から,<I(foo),I+A(M(T(d1)))> ∈ EXTI(I(owl:equivalentClass))となる。d1がcomplementOf(d'1)形式に属する場合,IOT - CEXTI(I+A(M(T(d'1)))) = CEXTI(I+A(M(T(d1)))) = EC(d1) = EC(d) = EC(foo) かつ I+A(M(T(d'1)))∈IOCとなる。そのため,I(owl:complementOf)の意味論条件から, <I(foo),I+A(M(T(d'1)))> ∈ EXTI(I(owl:complementOf))となる。d1が unionOf(d11 … d1m)形式に属する場合,1jmであれば,CEXTI(I+A(M(T(d11)))) ∪ … ∪ CEXTI(I+A(M(T(d1m)))) = CEXTI(I+A(M(T(d1)))) = EC(d1) = EC(d) = EC(foo) かつ I+A(M(T(d1j)))∈IOCとなる。そのため,I(owl:unionOf)の意味論条件から,<I(foo),I+A(M(T(SEQ d11 … d1m)))> ∈ EXTI(I(owl:unionOf))となる。
その結果,潜在的な各T(F)について,IはT(F)を満たす。
IがT(F)を満たす場合,Iは,T(intersectionOf(d1 … dn))を満たす。したがって,上の記述のとおり,<I(foo),I+A(M(T(d)))> ∈ EXTI(I(owl:equivalentClass))となるような何らかのAが存在する。したがって,EC(d) = CEXTI(I+A(M(T(d)))) = CEXTI(I(foo)) = EC(foo)となる。その結果,I'はFを満たす。
d=intersectionOf(d1 … dn)とする。V'に関して,dが記述であるため,IはT(d)を満たし,I+AがT(d)を満たすようなT(d)の空ノードを対応付けするあらゆるAについて,CEXTI(I+A(M(T(d)))) = EC(d)が成立する。したがって,1 i nであれば,CEXTI(I+A(M(T(di)))) = EC(di)となる。 そのため,I+AがT(d)を満たすようなT(d)の空ノードを対応付ける何らかのAについて,1 i nであれば,CEXTI(I+A(M(T(di)))) = EC(di), かつ I+A(M(T(di))∈IOCが成立する。
I'がFを満たす場合,1 i nであれば,EC(foo) ⊆EC(di)が成立する。上の記述から,CEXTI(I+A(M(T(di)))) = EC(di) ⊇ EC(foo) = CEXTI(I(foo)) かつI+A(M(T(di))∈IOCとなるような何らかのAが存在する。IがT(V)を満たすため,I(foo)∈IOCとなり,1 i nであれば,<I(foo),I+A(M(T(di)))> ∈ EXTI(I(rdfs:subClassOf))が成立する。その結果,IはT(F)を満たす。
IがT(F)を満たす場合,1 i nであれば,Iは T(di)を満たす。したがって,1 i nであれば,上の記述のとおり,<I(foo),I+A(M(T(di)))> ∈ EXTI(I(rdfs:subClassOf))となるような何らかのAが存在する。その結果,1 i nであれば,EC(d) = CEXTI(I+A(M(T(di)))) ⊇ CEXTI(I(foo)) = EC(foo)が成立する。よって,I'はFを満たす。
d=oneOf(i1 … in)とする。V'に関して,dは記述であるため,IはT(d)を満たし,I+AがT(d)を満たすようなT(d)の空ノードを対応付ける何らかのAについて,EC(d) = CEXTI(I+A(M(T(d)))) = {SI(M(T(i1)), … SI(M(T(in))}となる。同様に,1 j nであれば,SI(M(T(ij)) ∈IOTが成立する。
I'がFを満たす場合,EC(foo) = EC(d)となる。上の記述から,CEXTI(I+A(M(T(d)))) = EC(d) = EC(foo) = CEXTI(I(foo)) かつ I+A(M(T(d))∈IOCとなるような何らかのAが存在する。 eをI+A(M(T(SEQ i1 … in)))とする。それによって,I(owl:oneOf)の意味論条件から,<I(foo),e> ∈ EXTI(I(owl:oneOf))となる。よって,IはT(F)を満たす。
IがT(F)を満たす場合,Iは,T(SEQ i1 … in)を満たす。したがって,上の記述のとおり, <I(foo),I+A(M(T(SEQ i1 … in)))> ∈ EXTI(I(owl:oneOf))となるような何らかのAが存在する。その結果, {SI(M(T(i1)), …, SI(M(T(in))} = CEXTI(I(foo)) = EC(foo)が成立する。よって,I'はFを満たす。
ここで示す必要があるのは,fooの型付けだけであり,これはクラスの型付けと同様とする。
V'に関して,diが記述であるため,IはT(di)を満たし,I+AがT(di)を満たすようなT(di)の空ノードを対応付けるあらゆるAについて,CEXTI(I+A(M(T(di)))) = EC(di)が成立する。
IがT(F)を満たす場合,1inであれば,それぞれ1i<jnの条件下で,Iが <I+Ai(M(T(di))),I+Aj(M(T(dj)))> ∈EXTI(I(owl:disjointWith))を満たすような何らかのAiが存在する。したがって,i≠jであれば,EC(di)∩EC(dj) = {}となる。よって,I'はFを満たす。
I'がFを満たす場合,i≠jであれば,EC(di)∩EC(dj) = {}となる。あらゆるAi及びAjについて,上の記述のとおり,i≠jであれば,<I+Ai+Aj(M(T(di))),I+Ai+Aj(M(T(dj)))> ∈EXTI(I(owl:disjointWith))が成立する。各iについて,少なくとも一つのAiが存在し,T(dj)の空ノードはすべて互いに素であるため,I+A1+…+Anは T(DisjointClasses(d1 … dn))を満たす。よって,IはT(F)を満たす。
1imの場合にdiはV'に関して記述となるため,IはT(di)を満たし,I+AがT(di)を満たすようなT(di)の空ノードを対応付けるあらゆるAについて,CEXTI(I+A(M(T(di)))) = EC(di)が成立する。1ikの場合のriについても同様となる。
I'がFを満たす場合,p∈VOPであるため,IはI(p)∈IOOPを満たす。IはOWL DL解釈であるため,Iは <I(p),I(owl:Thing)>∈EXTI(I(rdfs:domain)) 及び<I(p),I(owl:Thing)>∈EXTI(I(rdfs:range))を満たす。同様に,1inの場合,ER(p)⊆ER(si)となるため,EXTI(I(p))=ER(p)⊆ ER(si)=EXTI(I(si))が成立し,Iは <I(p),I(si)>∈EXTI(I(rdfs:subPropertyOf))を満たす。次に,1imの場合,ER(p)⊆EC(di)×Rとなるため,<z,w>∈ER(p)はz∈EC(di)を論理的に帰結し,I+AがT(di)を満たすようなあらゆるAについて,<z,w>∈EXTI(p)は z∈CEXTI(I+A(M(T(di))))を論理的に帰結する。したがって,<I(p),I+A(M(T(di)))>∈EXTI(I(rdfs:domain))が成立する。1ikの場合のriについても同様となる。
I'がFを満たし,inverse(i)がFに属する場合,ER(p)及びER(i)は逆となる。したがって,<v,u>∈ER(i)である限り,<u,v>∈ER(p)となり,その逆も成り立つ。<v,u>∈EXTI(i)である限り,<u,v>∈EXTI(p)が成立し,その逆も成り立つため,Iは <I(p),I(i)>∈EXTI(I(owl:inverseOf))を満たす。I'がFを満たし,SymmetricがFに属する場合,ER(p)は対称的となる。したがって,<x,y>∈ER(p)である場合,<y,x>∈ER(p)となり,それによって,<x,y> ∈EXTI(p)の場合,<y, x>∈EXTI(p)が成立する。よって,Iは p∈CEXTI(I(owl:Symmetric))を満たす。Functional,InverseFunctional,及びTransitiveについても同様となる。よって,I'がFを満たす場合,IはT(F)を満たす。
IがT(F)を満たす場合,inであれば,<I(p),I(si)>∈EXTI(I(rdfs:subPropertyOf))となり,それによって,ER(p)=EXTI(I(p)) ⊆ EXTI(I(si))=ER(si)となる。同様に,1imの場合,I+AがT(di)を満たすような何らかのAについて,<I(p),I+A(M(T(di)))>∈EXTI(I(rdfs:domain))が成立し,それによって,<z,w>∈EXTI(p)はz∈CEXTI(I+A(M(T(di))))を論理的に帰結する。したがって,<z,w>∈ER(p)はz∈EC(di)及び ER(p)⊆EC(di)×Rを論理的に帰結する。1ikの場合のriについても同様となる。
IがT(F)を満たし,inverse(i)がFに属する場合,Iは <I(p),I(i)>∈EXTI(I(owl:inverseOf))を満たす。したがって,<v,u>∈EXTI(i)である場合に限り,<u,v>∈EXTI(p)となり,その逆も成り立つため,<v,u>∈ER(i)であり,ER(p)及びER(i)が逆となる場合に限り,<u,v>∈ER(p)が成立し,その逆も成り立つ。IがFを満たし,SymmetricがFに属する場合,Iはp∈CEXTI(I(owl:Symmetric))を満たす。それによって,<x,y> ∈EXTI(p)であれば,<y, x>∈EXTI(p)となる。したがって,<x,y>∈ER(p)であれば,<y,x>∈ER(p)が成立し,ER(p)は対称的となる。Functional, InverseFunctional,及びTransitiveについても同様となる。よって,IがT(F)を満たす場合,I'はFを満たす。
pi∈VOPであり,IがT(V')を満たすため,I(pi)∈IOOPが成立する。IがT(F)を満たす場合,それぞれ1i<jnであれば,<I(pi),I(pj)> ∈EXTI(I(owl:equivalentProperty))となる。そのため,それぞれ1i<jnであれば,EXTI(pi) = EXTI(pj)となり,それぞれ1i<jnであれば,ER(pi) = ER(pj)となり,I'はFを満たす。
I'がFを満たす場合,それぞれ1i<jnであれば,ER(pi) = ER(pj)が成立する。そのため,それぞれ1i<jnであれば,EXTI(pi) = EXTI(pj)となる。owl:equivalentPropertyのOWL DL定義によって,それぞれ1i<jnであれば,<I(pi),I(pj)> ∈EXTI(I(owl:equivalentProperty))となる。よって,IはT(F)を満たす。
IがT(F)を満たす場合,I+AがT(F)を満たすようなT(F)の空ノードを各々対応付ける何らかのAが存在する。T(F)を簡単に検査することによって,Aの対応付け,さらに,そのすべてがIOTに属するFの個体IDに対する対応付けが,I'がFを満たすことを示していることがわかる。
I'がFを満たす場合,Fの各個体構成要素について,型関係及び関係をFで真にする何らかのRの要素が存在しなければならない。T(F)の三つ組は次の三種類に分かれる。1/ 上の要素がRに属するため,Iで真となる owl:Thingとの型関係。2/ I'で真となるため,補助定理1より,Iで真となるOWL記述との型関係。3/ Iで真となるため,I'で真となるOWL特性関係。よって,IはT(F)を満たす。
補助定理3 V' = VO + VC + VD + VI + VOP + VDP + VAP + VXPを特別なOWL語い(彙)とする。V = VO ∪ VC ∪ VD ∪ VI ∪ VOP ∪ VDP ∪ VAP ∪ VXP ∪ VBとする。すべてのOWL DL解釈について,T(V')を満たすVに関して,I = <RI,PI,EXTI,SI,LI,LVI> となる場合,V'の直接解釈I'が存在する。この場合,OWL抽象オントロジ及び公理並びに事実Oのあらゆる集まりが,Oが閉鎖された取込みとなるような語い(彙)V'をもつ場合,IがT(O)をOWL DLで満たす限り,I'はOを直接満たし,その逆も成り立つ。
証明
CEXTIを,通常のとおり,Iから定義されるものとする。必す(須)とされる直接解釈は,次の場合,I' = < RI, EC, ER, L, S, LVI >となる。
V', V, I',及びIは,補助定理 2の要件を満たす。そのため,V'に関するあらゆる指示文Dについて,I'がDを満たす場合に限り,IはT(D)を満たし,その逆も成り立つ。
Oは閉鎖された取込みであるため,Oは,T(O)で取り込まれるすべてのオントロジを取り込み,取込み指示文の取込み部分を同様に扱うことになる。抽象オントロジを満たすことは,単にその指示文を満たしているにすぎず,抽象オントロジの翻訳を満たすことは,単にすべての三つ組を満たしているにすぎない。そのため,I'がKを直接満たす場合に限り,IはT(K)をOWL DLで満たし,その逆も成り立つ。
補助定理4 V' = VO + VC + VD + VI + VOP + VDP + VAP + VXPを特別なOWL語い(彙)とする。V = VO ∪ VC ∪ VD ∪ VI ∪ VOP ∪ VDP ∪ VAP ∪ VXP ∪ VBとする。V'のすべての直接解釈I' = < U, EC, ER, L, S, LV >について,T(V')を満たすVのOWL DL解釈が存在する。この場合,Oが閉鎖された取込みとなるような語彙V'をもつOWL抽象オントロジ及び公理並びに事実のあらゆる集まりについて,IがT(O)をOWL DLで満たす場合に限り,I'がOを直接満たし,その逆も成り立つ。
証明
I = < RI, PI, EXTI, SI, L, LVI >を次のとおり構成する。:
OWL DLのクラス拡張の条件が,クラスに類似するOWL抽象構文の構成要素の条件と対応するため,Iは,OWL DL解釈となる。
V', V, I',及びIは,補助定理2の要件を満たすため,V'に関するあらゆる指示文Dについて,I'がDを満たす場合に限り,IはT(D)を満たし,その逆も成り立つ。
Oが閉鎖された取込みであるため,Oは,T(O)で取り込まれるすべてのオントロジを取り込む。この場合,取込み指示文の取込み部分は同じに取扱われることになる。抽象オントロジを満たすということは,その指示文を満たすにすぎず,抽象オントロジの翻訳を満たすということは,すべての三つ組を満たすにすぎない。そのため,I'がKを直接満たす場合に限り,IはT(K)をOWL DLで満たし,その逆も成り立つ。
定理1 O及びO'を,閉鎖された取込みである抽象構文形式におけるOWL DLオントロジ及び公理並びに事実の集まりとし,それらの合併集合が特別な語い(彙)V'をもち,V'のすべてのURI参照がOで使用されるものとする。その場合,Oは,T(O)がT(O')をOWL DLで論理的に帰結する場合に限り,OはO'を論理的に帰結し,その逆も成り立つ。
その結果,V'の各URI参照がOで使用されるため,IはT(V')を満たす。
証明 OがO'を論理的に帰結すると想定する。IをT(O)を満たすOWL DL 解釈とする。その場合,補助定理3から,何らかの直接解釈I'が存在する。このI'は,V'に関するあらゆる抽象OWLオントロジ又は公理若しくは事実について,I'がXを満たす場合に限り,IがT(X)を満たすという性質をもち,その逆も成り立つ。したがって,I'は,Oの各オントロジを満たす。OはO'を論理的に帰結するため,I'はO'を満たす。そのため,IはT(O')を満たす。よって,T(K),T(V')はT(Q)をOWL DLで論理的に帰結する。
T(O)がT(O')をOWL DLで論理的に帰結すると想定する。I'をKを満たす直接解釈とする。その場合,補助定理4から,何らかのOWL DL解釈 Iが存在する。このIは,V'に関するあらゆる抽象OWLオントロジXについて,I'がXを満たす場合に限り,IはT(X)を満たす性質をもち,その逆も成り立つ。したがって,IはT(O)を満たす。T(O)がT(O')をOWL DLで論理的に帰結するため,IはT(O')を満たす。そのため,I'はO'を満たす。よって,OはO'を論理的に帰結する。
A.2では,OWL DLとOWL Fullとの関係に関する証明概要を解説する。この証明は,十分に解明されたものではない。完全な証明を得るためには,大きな努力が必要とされ,その関係の詳細を幾つか変更する必要があるかもしれない。
KをRDFグラフとする。KのOWL解釈は,KのD解釈であるOWL解釈となる。5.2を参照されたい。
補助定理5 Vを特別な語い(彙)とする。その場合,すべてのOWL解釈Iについて,5.3の場合と同様に,OWL DL解釈I'が存在する。これは,Kについて,特別な語い(彙)Vをもつ抽象構文の中のあらゆるOWLオントロジIが,I'がT(K)のOWL DL解釈である場合に限り,T(K)のOWL解釈となる性質をもち,その逆も成り立つ。
証明概要: すべてのOWL DL解釈がOWL解釈となるため,逆指示文は明らかである。
I = < RI, EXTI, SI, LI > をT(K)を満たすOWL解釈とする。I' = < RI', EXTI', SI', LI' > をT(K)を満たすOWL解釈とする。RI' = CEXTI(I(owl:Thing)) + CEXTI(I(owl:ObjectProperty)) + CEXTI(I(owl:ObjectProperty)) + CEXTI(I(owl:Class)) + CEXTI(I(rdf:List)) + RIとする。この場合,+は互いに素な合併集合とする。コピーの様々な役割を区別するために,EXTI'を定義する。語い(彙)を適切なコピーに対応付けるため,SI'を定義する。Kが特別な語い(彙)をもつため,これは動作する。そのため,役割に従って,Iを分けることができ,EXTIに,不適切な関係は存在しない。本質的に,RI'の最初の構成要素は,OWL個体であり,RI'の2番目の構成要素は,OWLデータ型特性,RI'の三番目の構成要素はOWL個体値特性,RI'の四番目の構成要素はOWLクラス,RI'の五番目の構成要素はRDFリスト,RI'の六番目の構成要素はその他すべてのものとする。
補助定理2 O及びO'を,閉鎖された取込みである抽象構文の形式におけるOWL DLオントロジ及び公理並びに事実の集まりとする。この場合,それらの合併集合は,特別な語い(彙) (4.2)をもつものとする。それによって,Oの翻訳がO'の翻訳をOWL DLで論理的に帰結する場合,Oの翻訳は,O'の翻訳をOWL Fullで論理的に帰結する。
証明 上の補助定理,及びすべてのOWL Full解釈がOWL解釈であることを根拠とする。
備考 命令が真でない場合に限る。