UDF API 解説

標準仕様書(TS)  TS X 0041:2005

ユニバーサルディスクフォーマット(UDF)に基づくファイルシステム
の応用プログラムインタフェース
解説



1. 公表の趣旨及び経緯

可換記憶メディアが普及し, 情報交換の主要な媒体として広く利用されるようになると, データ交換の枠組みとしてのボリューム構造及びファイル構造に関する規定だけでなく, それをさらに便利に利用するための次の拡張規定が必要になる。

これらの技術要素及びその利用者要求については, IEC/TC100およびISO/IEC JTC1のSC等で検討が行なわれている[1]。しかし, 可換記憶メディア固有の課題に関する体系立った検討は, 必ずしも充分ではなかった。

可換記憶メディアに記録される情報の論理構造は, メディアによる物理的記憶特性の違いを吸収して, システム又はアプリケーションに対して共通性のあるボリューム/ファイルサービスを提供する。共通性のない論理構造によって記憶された光ディスクが大量に蓄積される前に, 共通性の高い論理フォーマットを普及させ, 広がりつつあるアプリケーション分野に共通して求められる多用なサービスを提供できる論理構造のサポートファシリティ規定を充実させることが, 急務であった。

そこで財団法人光産業技術振興協会は, 光ディスクシステムの相互運用性検討委員会を設立して, 可換記憶メディアの高度相互運用性のための論理構造としてJIS X 0607のサブセットであるユニバーサルディスクフォーマット(UDF)に着目し, そのセキュリティ機能のサポートファシリティ規定の開発を行ってきた。

その成果の一つであるユニバーサルディスクフォーマット(UDF)に基づくファイルシステム の応用プログラムインタフェースは, 国内での利用者要求に応えるため, 標準情報(TR)の原案として2001年2月に経済産業省産業技術環境局に提出され, 2001年7月にTR X 0041:2001として公表された。さらにその英語版は, IEC/TC100に提案され, 2002年5月にIEC TR 62291:2002 Multimedia data storage - Application program interface for UDF based file systems として発行された。

その後, 日本工業標準調査会(JISC)におけるTS制度導入に伴い, このTRがUDF応用システムの開発に際して参照されることを考慮して, TSとして公表を継続する必要があることが2003年度のフォーマット分科会で提案され, 光ディスク標準化委員会で承認を受けた。

しかし, TR X 0041:2001の内容を変更することなくTSとして体裁付けして公表することのJISC 情報技術専門委員会での承認は, 事務処理の著しい遅れによって, 2005年7月になった。


2. 審議中の主要検討課題及び懸案事項

2.1 継続検討

TR X 0041:2001の原案を開発した光ディスクシステムの相互運用性検討委員会(Fプロジェクト)は, その3年間の活動を終了して既に解散し, Fプロジェクトフォローアップ委員会に活動が引き継がれた。


3. 参考文献

[1] IEC TR 61998, Model and framework for standardization in multimedia equipment and systems, 1999-10


4. 原案作成委員会

TR X 0041:2001をTSとして体裁付けしたTS X 0041原案は,財団法人光産業技術振興協会に設置された光ディスク標準化委員会のフォーマット分科会で作成され,光ディスク標準化委員会のレビューを受けた。これらの委員会の委員構成(2003年度末)を, それぞれ解説表4.2及び解説表4.1に示す。

解説表4.1 光ディスク標準化委員会の構成
氏名所属
(委員長)小町 祐史パナソニックコミュニケーションズ株式会社
(副委員長)入江 満大阪産業大学
(副委員長)菅谷 寿鴻株式会社東芝
布施 剛之ソニー株式会社
横川 文彦パイオニア株式会社
入江 英之DVDフォーラム
小川 博司ソニー株式会社
金澤 安矩日立マクセル株式会社
高橋 正悦株式会社リコー
田中 誠一財団法人デジタルコンテンツ協会
田辺 隆也日本電信電話株式会社
土屋 洋一三洋電機株式会社
徳丸 春樹日本放送協会
戸島 知之NTTエレクトロニクス株式会社
中根 和彦三菱電機株式会社
八谷 祥一株式会社ガイア・システム・ソリューション
藤本 健文日本フィリップス株式会社
山下 経株式会社日立製作所
山田 昇松下電器産業株式会社
渡部 賢一財団法人日本規格協会
谷口 裕則経済産業省産業技術環境局
(事務局)増田 岳夫財団法人光産業技術振興協会
(事務局)伊藤 和弘財団法人光産業技術振興協会
(事務局)川井 隆志財団法人光産業技術振興協会

解説表4.2 フォーマット分科会の構成
氏名所属
(統括)小町 祐史パナソニックコミュニケーションズ株式会社
(副統括)高橋 正悦株式会社リコー
(副統括)八谷 祥一株式会社ガイア・システム・ソリューション
石井 正則日本電気株式会社
伊藤 精悟株式会社東芝
工藤 芳明大日本印刷株式会社
小出 大一日本放送協会
後藤 芳稔松下電器産業株式会社
沢田 要川鉄情報システム株式会社
菅谷 寿鴻株式会社東芝
徳光 健司株式会社日立製作所
中根 和彦三菱電機株式会社
吉岡 誠有限会社aIPid
渡部 賢一財団法人日本規格協会
谷口 裕則経済産業省産業技術環境局
(事務局)増田 岳夫財団法人光産業技術振興協会
(事務局)川井 隆志財団法人光産業技術振興協会