Her Friend

6. 小公子セーラ

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そろそろ暑くなってきたある日、ネロ君がいつものようにご飯を食べに来ました。 飼い主♀もいつものように猫缶を開けて、ネロ君の食器に盛って、ネロ君お気に入り の玄関の隅に置きました。

その時です! ネロ君の首にピンクの首輪が付いていたのを発見したのです!

飼い主♀は(ネロ君を驚かさないように)湧き上がる歓声を抑えて家の中に入り、 息せき切って飼い主♂に告げました。 「ネ、ネロ君、飼い猫になってるぅー!」


数週間後、飼い主がわかりました。 飼い主は大物でした。 なんと、ネロ君は「会社社長/マンション・オーナー/町内会長」宅の 飼い猫におさまっていたのです。 ひぇ〜〜〜っ、信じられない大出世! ネロ君はいつの間にか町内一の猫の座についていたのです。

ネロ君は町内会長さん宅で「セーラ」と呼ばれていました。 だから、これからは私もセーラ君と呼びます。

町内会長さんご夫妻の話

10年近く前のことになります。 セーラはトラちゃん(会長宅でシーザーちゃんはトラちゃんと呼ばれていた(^^;)と2匹で (会長宅の)庭に現れました。2匹は前の公園にいた捨て猫でしたが、去勢済だった ためか他の公園猫にいじめられていたみたいで、(会長さん宅)の庭でエサをあげた ところ、次第に会長さん宅のお庭に常駐するようになりました。

その後、突然トラちゃんがいなくなって、セーラ君1匹になりました。 1匹になったセーラ君は、少しずつ会長さんのお家の中に入るようになってきました。

ある日、「この猫知りませんか?」の張り紙を見つけました。 その張り紙の猫の写真は、セーラちゃんそっくりでした。 「迷い猫だったのか、、、」 と少しさみしい気持ちで電話をすると、張り紙した女性が引き取りに来ました。 けれど、セーラちゃんを一目見て、 「同じ猫種だけど、うちの子じゃない」 とがっかりした様子でした。 「この子は純血種の『いい猫』なんですよ。大切にしてあげてください」 と言って、帰っていきました。

その女性の探していた猫の名前は「セーラ」でした。セーラ君はその名前をもらいました。 そして、その日から、セーラ君は完璧に会長さん宅の飼い猫になりました。

キャンディ注

セーラ君は我が家でもエサを食べていたけど、 その頃からしっかり会長さん宅のお庭猫やっていたんだね。 で、いつの間にか、会長宅の飼い猫に昇格してた。 なのに、私の飼い主♂♀はそれを知らずにセーラ君を自分ちの猫にしようとしてたみたい。(笑)

「猫の飼い主は猫が決める」のです。


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