標準情報(TR)  TR X 0008:1999

拡張可能なマーク付け言語 (XML) 1.0

Extensible Markup Language (XML) 1.0



序文

この標準情報(TR)は, 1998年2月にWorld Wide Web Consortium(W3C)から公表された Extensible Markup Language (XML) 1.0勧告を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した標準情報(TR)である。

1. 一般

1.0 適用範囲

拡張可能なマーク付け言語XML(eXtensible Markup Language)は,XML文書というデータオブジェクトのクラスを規定し,XML文書を処理するプログラムの動作の一部を規定する。XMLは,SGML(Standard Generalized Markup Language)[ISO 8879]の制限したサブセットとする。XML文書は,必ずSGML規格に適合する。

XML文書は実体という記憶単位から成り,実体は構文解析されるデータ又は構文解析されないデータから成る。構文解析されるデータは,文字から成り,その一部は文字データを構成し,一部はマーク付けを構成する。マーク付けは,文書の記憶レイアウト及び論理構造を記述する符号とする。XMLは,記憶レイアウト及び論理構造についての制約条件を記述する機構を提供する。

XMLプロセサ というソフトウェアモジュールは,XML文書を読み込み,その内容及び構造へのアクセスを提供するために用いる。 XMLプロセサは,他のモジュールのために動作することを前提としており,そのモジュールをアプリケーションという。この標準情報(TR)は,XMLプロセサに要求される振舞いを規定する。つまり,XMLデータの読込み方法を規定し,アプリケーションに提供する情報を規定する。

1.1 経緯及び目標

1996年にWorld Wide Web Consortium(W3C)の中に設立されたXML作業グループ(以前は,SGML編集レビュー委員会と呼ばれた。)がXMLを開発した。この作業グループの議長を,Sun MicrosystemsのJon Bosakが務めた。W3Cが組織し,以前はSGML作業グループと呼ばれたXML SIG(Special Interest Group)も,XMLの制定に非常に活発に参画した。XML作業グループのメンバを附属書Gに示す。Dan Connollyは,作業グループとW3Cとの調整役を務めた。

XMLの設計目標を次に示す。

  1. XMLは,インターネット上でそのまま使用できる。
  2. XMLは,広範囲のアプリケーションを支援する。
  3. XMLは,SGMLと互換性をもつ。
  4. XML文書を処理するプログラムは容易に書ける。
  5. XMLでは,オプションの機能はできるだけ少なくし,理想的には一つも存在しない。
  6. XML文書は,人間にとって読みやすく,十分に理解しやすい。
  7. XMLの設計は,すみやかに行う。
  8. XMLの設計は,厳密で,しかも簡潔なものとする。
  9. XML文書は,容易に作成できる。
  10. XMLでは,マーク付けの数を減らすことは重要ではない。

XML第1.0版を理解し,それを処理する計算機プログラムを書くために十分な情報は,この標準情報(TR),関連する規格など(文字についてはUnicode及びISO/IEC 10646,言語識別タグについてはIETF RFC 1766,言語コードについてはISO 639,並びに国コードについてはISO 3166。)によってすべて示す。

この版のXMLの規定は, テキスト及び法律上の注意を一切改変しない限り,自由に配布してもよい.

1.2 定義

XML文書を規定するために使用する用語は,この標準情報(TR)内で定義する。次に示す語句は,それらの用語を定義するため,及びXMLプロセサの動きを規定するために使用する。

1.2.1 してもよい(may)
適合する文書又はXMLプロセサは,記述されたとおりに動作してもよいが,そのとおりにする必要はない。
1.2.2 しなければならない(must)
適合する文書又はXMLプロセサは,記述されたとおりに動作することが要求され る。そうでなければ,エラーとする。
1.2.3 エラー(error)
この標準情報(TR)が定める規則に対する違反。結果は定義しない。適合するソフトウェアは,エラーを検出して報告してもよく,エラーから回復してもよい。
1.2.4 致命的エラー(fatal error)
適合するXMLプロセサが検出し,アプリケーションに報告しなければならないエラー。プロセサは,致命的エラーを発見したあとも,それ以降のエラーを探すためにデータ処理を続行し,見つかったエラーをアプリケーションに報告してもよい。エラー訂正をサポートするために,プロセサは,処理していないデータ(文字データ及びマーク付けの混在したもの。)を文書から取り出し,アプリケーションに渡してもよい。しかし,プロセサは,致命的エラーを一度でも検出したなら通常の処理を続行してはならない。つまり,プロセサは,文字データ及び文書の論理構造についての情報を,通常の方法でアプリケーションに渡し続けてはならない。
1.2.5 ユーザのオプション指定によっては(at user option)
適合するソフトウエアは,記述されたとおりに振る舞ってもよい(may),又は振る舞わなくてはならない(must)(文章中の助動詞による。)。そのとおりに振る舞う場合は,記述された振舞いを選択又は拒否する手段をユーザに提供しなければならない。
1.2.6 妥当性制約(validity constraint)
すべての妥当な XML文書に適用する規則。妥当性制約の違反は,エラーとする。ユーザのオプション指定によっては,検証を行うXMLプロセサは,このエラーを報告しなければならない。
1.2.7 整形式制約(well-formedness constraint)
すべての整形式のXML文書に適用する規則。整形式制約の違反は致命的エラーとする。
1.2.8 マッチ(match)
a) 文字列又は名前のマッチ 比較する二つの文字列又は名前は,同一でなければならない。ISO/IEC 10646において,複数の表現が可能な文字[例えば,合成形式及び基底文字+発音符(ダイアクリティカルマーク)形式]は,どちらの文字列も同じ表現のときに限り,マッチする。ユーザのオプション指定によっては,プロセサは,その文字を標準形に正規化してもよい。比較のとき ,大文字と小文字との区別をする。
b) 文字列と文法中の規則とのマッチ ある生成規則から生成する言語に,ある文字列が属するとき,この文字列は,この生成規則にマッチするという。
c) 内容と内容モデルとのマッチ ある要素が,制約"要素の妥当性"に示す意味で適合するとき,この要素は,その宣言にマッチするという。
1.2.9 互換性のためには(for compatibility)
XMLの機能であって,XMLがSGMLと互換であることを保証するためだけに導入されるもの。
1.2.10 相互運用性のためには(for interoperability)
拘束力はもたない推奨事項。ISO 8879へのWebSGML適用附属書以前から存在するSGMLプロセサが,XML文書を処理できる可能性を高めるために取り入れるもの。

2. 文書

この標準情報(TR)で定義する意味で,整形式のデータオブジェクトをXML文書という。整形式のXML文書が,ある制約条件を満足すれば,妥当なXML文書という。

XML文書は,論理構造及び物理構造をもつ。物理的には,文書は,実体という単位からなる。実体が他の実体を参照すれば,参照された実体も文書の一部になる。文書は,"ルート"すなわち文書実体から始まる。論理的には,文書は,宣言,要素,コメント,文字参照及び処理命令を含み,これらすべては,文書内で明示的なマーク付けによって示す。論理構造及び物理構造は,"4.3.2 整形式の解析対象実体"に示すとおりに,厳密に入れ子になっていなければならない。

2.1 整形式のXML文書

あるテキストオブジェクトが,次の条件を満たすとき,そのテキストオブジェクトを整形式のXML文書と呼ぶ。

文書
[1]  document ::= prolog element Misc*

document生成規則にマッチするとは,次を意味する。

これらの結果として,文書内のどの非ルート要素Cに対しても,ある他の要素Pが存在し,Cは,Pの内容に含まれるが,Pの内容に含まれる他の要素に含まれることはない。このとき,PCといい,CPという。

2.2 文字

解析対象実体は,テキスト(文字の並びであって,マーク付け又は文字データを表してもよい。)を含む。文字 は,テキストの最小単位であって,[ISO/IEC 10646]に規定されている。使用できる文字は,タブ,改行,復帰及び(Unicode及びISO/IEC 10646に規定する)図形文字とする。[Unicode]の6.8節で定義される互換性文字は使用を避けることが望ましい。

文字の範囲
[2]  Char ::= #x9 | #xA | #xD | [#x20-#xD7FF] | [#xE000-#xFFFD] | [#x10000-#x10FFFF] /* 任意のUnicode文字。ただし,サロゲートブロック,FFFE及びFFFFは除く。 */

文字番号をビットパタンに符号化する機構は,実体ごとに違ってもよい。すべてのXMLプロセサは,ISO/IEC 10646のUTF-8符号化方式及びUTF-16符号化方式を受け付けなければならない。二つのどちらが用いられているかを明示するための機構,及び他の符号化方式を利用するための機構は,"4.3.3 実体における文字符号化"に記述する。

2.3 共通の構文構成子

2.3では,文法内で広く使用するいくつかの記号を定義する。

S (空白)は,一つ以上のスペース文字(#x20),復帰,改行又はタブから成る。

空白
[3]  S ::= (#x20 | #x9 | #xD | #xA)+

便宜上,文字を,字,数字又は他の文字に分類する。字は,アルファベット的,若しくは表音的である基底文字(一つ以上の結合文字が,後に続くこともある。),又は統合漢字から成る。各クラスにおける実際の文字についての完全な定義は,"B. 文字クラス"に示す。

Nameは,字又はいくつかの区切り文字の一つで始まり,その後に字,数字,ハイフン,下線,コロン又はピリオドが続く。これらの文字を名前文字という。文字列"xml"で始まる名前,又は正規表現(('X'|'x') ('M'|'m') ('L'|'l'))にマッチする任意の文字列で始まる名前は,この標準情報(TR)の現在の版又は将来の版での標準化のために予約する。

備考: XMLの名前の中のコロンは,名前空間での実験のために予約する。コロンの意味は,将来のある時点で標準化するものとし,そのときには,実験的な目的でコロンを使用する文書を更新する必要が生じる可能性がある。XMLで採用する名前空間の機構が,区切り子として実際にコロンを使用するという保証はない。事実上,これは,名前空間の実験の一つとして以外には,XMLの名前の中でコロンを使用しないほうがよいことを意味する。しかし,XMLプロセサは,名前文字としてコロンを受け付けることが望ましい。

Nmtoken(名前トークン)は,名前文字の列とする。

名前及びトークン
[4]  NameChar ::= LetterDigit | '.' | '-' | '_' | ':' | CombiningCharExtender
[5]  Name ::= (Letter | '_' | ':') (NameChar)*
[6]  Names ::= Name (S Name)*
[7]  Nmtoken ::= (NameChar)+
[8]  Nmtokens ::= Nmtoken (S Nmtoken)*

リテラルデータは,引用符で囲まれた文字列とし,その列の区切り子として使用する引用符は含まない。リテラルは,内部実体(EntityValue),属性値(AttValue),外部識別子(SystemLiteral)の内容の指定に使用する。SystemLiteralはマーク付けの走査を行なわずに解析できることに注意せよ。

リテラル
[9]  EntityValue ::= '"' ([^%&"] | PEReferenceReference)* '"'
| "'" ([^%&'] | PEReferenceReference)* "'"
[10]  AttValue ::= '"' ([^<&"] | Reference)* '"'
| "'" ([^<&'] | Reference)* "'"
[11]  SystemLiteral ::= ('"' [^"]* '"') | ("'" [^']* "'")
[12]  PubidLiteral ::= '"' PubidChar* '"' | "'" (PubidChar - "'")* "'"
[13]  PubidChar ::= #x20 | #xD | #xA | [a-zA-Z0-9] | [-'()+,./:=?;!*#@$_%]

2.4 文字データ及びマーク付け

テキストは,文字データ及びマーク付けから成る。マーク付けは,開始タグ終了タグ空要素タグ実体参照文字参照コメントCDATAセクション の区切り子, 文書型宣言及び 処理命令の形をとる。

マーク付けではないすべてのテキストは,文書の文字データを構成する。

アンド記号(&)及び左山括弧(<)は,マーク付けの区切り子として,又はコメント処理命令若しくはCDATAセクション内で使用する場合にだけ,そのままの形で出現してよい。これらの文字は,内部実体宣言のリテラル実体値内に記述してもよい。詳しくは,"4.3.2 整形式の解析対象実体"を参照。これらの文字が他の部分で必要な場合,番号による文字参照又は文字列"&amp;"及び文字列"&lt;"を使用して別扱いしなければならない。右山括弧(>)は,文字列"&gt;"を使用して表現してもよい。内容の中で列"]]>"を使用するときは,それが,CDATAセクションの終了をマーク付けしない限り,互換性のため,"&gt;"又は文字参照を使用して別扱いしなければならない。

要素の内容では,文字データは,いかなるマーク付けの開始区切り子を含まない任意の文字列とする。CDATAセクションでは,文字データとは,CDATAセクションの終了区切り子 "]]>"を含まない任意の文字列とする。

属性値が一重引用符及び二重引用符を含むためには,アポストロフィ又は一重引用符(')は,"&apos;"として表現し,二重引用符(")は,"&quot;"として表現する。

文字データ
[14]  CharData ::= [^<&]* - ([^<&]* ']]>' [^<&]*)

2.5 コメント

コメント は,他のマーク付けの外ならば,文書のどこに現れてもよい。さらに,文書型宣言の中で,文法が許す場所に現れてもよい。コメントは,文書の文字データの一部ではない。XMLプロセサは,アプリケーションがコメントのテキストを取り出すことを可能としてもよいが,そうしなくともよい。 互換性のためには,文字列 "--"(二連ハイフン)は,コメント内で現れてはならない。

コメント
[15]  Comment ::= '<!--' ((Char - '-') | ('-' (Char - '-')))* '-->'

コメントの例を次に示す。

<!-- declarations for <head> & <body> -->

2.6 処理命令

処理命令(PI)によって,アプリケーションのための命令を文書に入れることができる。

処理命令
[16]  PI ::= '<?' PITarget (S (Char* - (Char* '?>' Char*)))? '?>'
[17]  PITarget ::= Name - (('X' | 'x') ('M' | 'm') ('L' | 'l'))

PIは,文書の文字データの一部ではないが,アプリケーションに渡されなければならない。PIは,命令が渡されるアプリケーションを特定するために使用するターゲット(PITarget)で始まる。ターゲット名"XML","xml"などは,この標準情報(TR)の現在の版又は将来の版の標準化のために予約する。XMLの記法機構を,PIのターゲットを宣言するために使用してもよい。

2.7 CDATAセクション

CDATAセクション は,文字データが出現するところであれば,どこに出現してもよい。これは,CDATAセクションで囲まなければマーク付けとして認識されてしまう文字を含むテキストを別扱いするのに使用する。CDATAセクションは,文字列"<![CDATA["で始まり,文字列 "]]>"で終わる。

CDATAセクション
[18]  CDSect ::= CDStart CData CDEnd
[19]  CDStart ::= '<![CDATA['
[20]  CData ::= (Char* - (Char* ']]>' Char*))
[21]  CDEnd ::= ']]>'

CDATAセクション内では,文字列CDEndだけをマーク付けとして認識するので,左山括弧及びアンド記号は,そのままの形で出現してよい。"&lt;"及び"&amp;"を使用して別扱いする必要はない。CDATAセクションは入れ子にはできない。

"<greeting>" 及び"</greeting>"を,マーク付けではなく,文字データとして認識するCDATAセクションの例を次に示す。

<![CDATA[<greeting>Hello, world!</greeting>]]>

2.8 前書き及び文書型宣言

XML文書は,使用するXMLの版を指定するXML宣言で始めてもよく,又そうするのが望ましい。 例えば,次に示す完全なXML文書は,整形式であるが 妥当ではない。

<?xml version="1.0"?>
<greeting>Hello, world!</greeting>

次の文書も同様とする。

<greeting>Hello, world!</greeting>

この標準情報(TR)のこの版に適合することを示すためには,版番号 "1.0" を使用しなければならない。ある文書が,この標準情報(TR)のこの版に適合しないとき,値"1.0"を使用するのは,エラーとする。この標準情報(TR)の今後の版に"1.0"以外の値を付与することが,XML作業グループの意図だが,XMLの将来の版を作成することを確約するわけではなく,作成したとしても番号付けについて,特定の方法を使用することを確約するわけでもない。将来の版を作成する可能性があるので,必要な場合に自動的な版の認識を可能とするため,この構成子を提供する。プロセサは,それがサポートしていない版番号のついた文書を受け取ったならエラーを通知してもよい。

XML文書内のマーク付けの機能は,記憶構造及び論理構造を記述すること,並びに属性及び属性値の対を論理構造に関連づけることにある。XMLは,論理構造についての制約条件を定義するため,及びあらかじめ定義された記憶単位を使用するための機構として文書型宣言を提供する。 妥当なXML文書とは,文書型宣言をもち,その文書型宣言に示す制約条件を満たすXML文書とする。

文書型宣言は,文書の最初の要素の前に現れなければならない。

前書き
[22]  prolog ::= XMLDecl? Misc* (doctypedecl Misc*)?
[23]  XMLDecl ::= '<?xml' VersionInfo EncodingDecl? SDDecl? S? '?>'
[24]  VersionInfo ::= S 'version' Eq ("'" VersionNum "'" | '"' VersionNum '"')
[25]  Eq ::= S? '=' S?
[26]  VersionNum ::= ([a-zA-Z0-9_.:] | '-')+
[27]  Misc ::= CommentPIS

[訳注(これは原規定にはない)] W3Cから公開されている訂正に従って、生成規則[24]に現れる引用符をさらに引用符で囲んだ。

XMLの文書型宣言は,ある文書クラスのための文法を記述するマーク付け宣言を含むか,参照する。この文法を,文書型定義又はDTDという。文書型宣言は,マーク付け宣言を含んだ外部サブセット(特別な種類の外部実体)を参照することができ,又は内部サブセットにマーク付け宣言を直接含むこともできる。外部サブセットと内部サブセットの両方を使うこともできる。ある文書のDTDは,両方のサブセットをまとめたものとして構成される。

マーク付け宣言は,要素型宣言属性リスト宣言実体宣言又は記法宣言とする。次に示す整形式制約及び妥当性制約に規定する通り,これらの宣言は,パラメタ実体内に全体又は一部が含まれてもよい。さらに詳しい規定は,"4. 物理構造"を参照のこと。

[訳注(これは原規定にはない)] W3Cから公開されている訂正に従って、「詳しい」の前に「さらに」を補った。

文書型定義
[28]  doctypedecl ::= '<!DOCTYPE' S Name (S ExternalID)? S? ('[' (markupdeclPEReferenceS)* ']' S?)? '>' [ 妥当性制約: ルート要素型 ]
[29]  markupdecl ::= elementdeclAttlistDeclEntityDeclNotationDeclPIComment [ 妥当性制約: 宣言及びパラメタ実体が厳密に入れ子をなすこと ]
[ 整形式制約: 内部サブセット内のパラメタ実体 ]

マーク付け宣言は,その全体又は一部を,パラメタ実体置換テキストで構成してもよい。各々の非終端記号 (elementdeclAttlistDeclなど)のための生成規則は,この標準情報(TR)の3.2節,3.3節,及び4.2節にあり,すべてのパラメタ実体を取り込んだの宣言について記述する。

Validity Constraint: ルート要素型
文書型宣言におけるNameは,ルート要素の型とマッチしなければならない。

Validity Constraint: 宣言及びパラメタ実体が厳密に入れ子をなすこと
パラメタ実体の置換テキストは,マーク付け宣言内において,厳密に入れ子になっていなければならない。つまり,マーク付け宣言(markupdecl)の最初又は最後の文字が,パラメタ実体参照の指し示す置換テキストに含まれれば,両方とも同じ置換テキストに含まれなければならない。

Well-Formedness Constraint: 内部サブセット内のパラメタ実体
DTDの内部サブセットでは,パラメタ実体参照は,マーク付け宣言が出現可能な場所だけに出現できる。マーク付け宣言の一部としては出現できない。この制約は,外部パラメタ実体又は外部サブセットでの参照には適用しない。

内部サブセットのときと同様に,外部サブセットと,DTDにおいて参照する任意の外部パラメタ実体とは,非終端記号markupdeclによって許される型の一連の完全なマーク付け宣言で構成されなければならない。マーク付け宣言の間には,空白又はパラメタ実体参照を置いてもよい。外部サブセット又は外部パラメタ実体の内容の一部は,条件付きセクションを使用して無視してもよいが,内部サブセットではこれは許されない。外部サブセットとDTDから参照される外部パラメタ実体とは,extPEに対応する生成規則にマッチしなければならない。"4.3.2 整形式の解析対象実体"を参照。

外部サブセット
[30]  extSubset ::= TextDecl? extSubsetDecl
[31]  extSubsetDecl ::= ( markupdeclconditionalSectPEReferenceS )*

[訳注(これは原規定にはない)] W3Cから公開されている訂正に従って、生成規則[30]の直前に二つの文を追加した。

外部サブセット及び外部パラメタ実体は,その中では,パラメタ実体参照がマーク付け宣言のだけでなく,マーク付け宣言のでも認められる,という点でも内部サブセットとは異なる。

文書型宣言付きのXML文書の例を,次に示す。

<?xml version="1.0"?>
<!DOCTYPE greeting SYSTEM "hello.dtd">
<greeting>Hello, world!</greeting>

システム識別子 "hello.dtd"が,文書のDTDのURIとなる。

次の例の通り,宣言を局所的に与えることもできる。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?>
<!DOCTYPE greeting [
  <!ELEMENT greeting (#PCDATA)>
]>
<greeting>Hello, world!</greeting>

外部サブセット及び内部サブセットの両方を使用するときは,内部サブセットが外部サブセットより先に出現したと見なす。これは,内部サブセットの実体及び属性リスト宣言が,外部サブセットの実体及び属性リスト宣言に優先するという効果をもたらす。

2.9 スタンドアロン文書宣言

XMLプロセサは,アプリケーションに文書の内容を渡すが,マーク付け宣言は,この内容に影響を与えることがある。例えば,属性のデフォルト値及び実体宣言は影響を与える。スタンドアロン文書宣言は,XML宣言の一部分として出現することができ,影響を与えるマーク付け宣言が文書実体の外部に出現するかどうかを示す。

スタンドアロン文書宣言
[32]  SDDecl ::= S 'standalone' Eq (("'" ('yes' | 'no') "'") | ('"' ('yes' | 'no') '"')) [ 妥当性制約: スタンドアロン文書宣言 ]

スタンドアロン文書宣言においては, "yes"の値は,文書実体の外部に(DTDの外部サブセット内に,又は内部サブセットから参照される外部パラメタ実体内に),XMLプロセサからアプリケーションへと渡される情報に影響するマーク付け宣言が存在しないことを意味する。"no"の値は,その外部マーク付け宣言が存在するか,又は存在する可能性があることを意味する。スタンドアロン文書宣言は,その宣言が文書外部に存在するかどうかを示すだけに注意すること。外部実体への参照が文書内に存在していても,その実体が内部的に宣言されているときは,文書のスタンドアロンの値には影響を与えない。

外部にマーク付け宣言が存在しなければ,スタンドアロン文書宣言は意味をもたない。外部にマーク付け宣言は存在するが,スタンドアロン文書宣言が存在しない場合は,"no"の値が設定されているものとする。

XML文書で standalone="no" が設定されているものは,あるアルゴリズムでスタンドアロン="yes"であるような文書に変換でき,変換後の文書のほうがネットワークによる配信には望ましいかもしれない。

Validity Constraint: スタンドアロン文書宣言
スタンドアロン文書宣言は,何らかの外部マーク付け宣言が次のいずれかを宣言しているときは,値 "no"を取らなければならない。

スタンドアロン文書宣言付きのXML宣言の例を,次に示す。

<?xml version="1.0" standalone='yes'?>

2.10 空白の取扱い

XML文書を編集するときは,マーク付けを目立たせ読みやすくするために,"空白"(スペース,タブ及び空白行。この標準情報(TR)では,非終端記号のSで表す。)を使うと便利なことが多い。これらの空白は,配布する版の文書の一部に含めることを普通は意図していない。しかし,"意味のある"空白であって,配布する版に保持されなければならないものも多い。例えば,詩及びソースコードにおける空白がこれにあたる。

XMLプロセサは,文書内のマーク付け以外のすべての文字を,変更せずにそのままアプリケーションに渡さなければならない。妥当性を検証するXMLプロセサは,これらの文字の中でどの文字が要素内容に出現する空白を構成するかをアプリケーション側に伝えなければならない。

"xml:space"という特別な属性を要素に加えることによって,アプリケーションはこの要素の中の空白を保存することが望ましいという意図を示してもよい。妥当な文書では,この属性を使用する場合は,他の属性と同じように宣言しなければならない。宣言するときは,取り得る値を"default"及び"preserve"だけとする列挙型でなければならない。例を次に示す。

    <!ATTLIST poem   xml:space (default|preserve) 'preserve'>

値"default"は,アプリケーションのデフォルトの空白処理モードを,その要素に適用可能とすることを意味する。値"preserve"は,アプリケーションがすべての空白を保存することを意味する。この宣言の意図は," xml:space"属性の別の指定で上書きしない限り,要素の内容に現れるすべての要素に適用すると解釈する。

文書のルート要素については,この属性の値を指定するか,又はこの属性のデフォルト値がある場合を除いては,アプリケーションによる空白の取扱いについて,いかなる意図も示さないと解釈する。

2.11 行末の取扱い

XMLの構文解析対象実体は,通常コンピュータのファイル内に保存され,編集の便宜のために複数の行に分けることが多い。これらの行は,普通は,carriage-return (#xD)コード及びline-feed (#xA)コードの何らかの組合せによって分けられる。

アプリケーションの処理を簡単にするため,外部解析対象実体又は内部解析対象実体のリテラル実体値が,"#xD#xA"の2文字の連続とするリテラル又は#xDの単独のリテラルを含む場合に,XMLプロセサは,アプリケーションに単一の文字#xAだけを渡さなければならない(この処理は,入力内に存在する改行コードを構文解析の前に正規化することによって,容易に実現できる。)。

2.12 言語識別

文書処理においては,その文書の中身がどんな自然言語又は形式言語で書かれているか明示することが,役に立つことが多い。XML文書内の要素のもつ内容又は属性値において使用する言語を指定するために,"xml:lang"という名前の特別な属性を,文書内に挿入してもよい。妥当な文書においてこの属性を使用する場合は,他の属性と同様に宣言 されなくてはならない。属性の値は,[IETF RFC 1766]"RFC1766:言語識別のためのタグ"によって規定される言語識別コードに従う。

言語識別
[33]  LanguageID ::= Langcode ('-' Subcode)*
[34]  Langcode ::= ISO639CodeIanaCodeUserCode
[35]  ISO639Code ::= ([a-z] | [A-Z]) ([a-z] | [A-Z])
[36]  IanaCode ::= ('i' | 'I') '-' ([a-z] | [A-Z])+
[37]  UserCode ::= ('x' | 'X') '-' ([a-z] | [A-Z])+
[38]  Subcode ::= ([a-z] | [A-Z])+

Langcodeは,次のどれでもよい。

Subcode は複数回使ってもよい。最初のサブコードが存在し,その内容が二つの文字から成るときは,[ISO 3166]ISO3166の"国名を表すコード(国コード)"でなければならない。最初のサブコードが3文字以上から成るときは, Langcode の先頭がC"x-"又は "X-"で始まらない限り,指定した言語に対するサブコードとし,IANAに登録されたものでなければならない。

言語コードは,小文字で表記する慣行があり,国コードは(存在するならば)大文字での表記する慣行がある。しかし,XML文書内における他の名前とは異なり,これらの値については,大文字及び小文字の区別をしないことに注意すること。

例を次に示す。

<p xml:lang="en">The quick brown fox jumps over the lazy dog.</p>
<p xml:lang="en-GB">What colour is it?</p>
<p xml:lang="en-US">What color is it?</p>
<sp who="Faust" desc='leise' xml:lang="de">
  <l>Habe nun, ach! Philosophie,</l>
  <l>Juristerei, und Medizin</l>
  <l>und leider auch Theologie</l>
  <l>durchaus studiert mit heißem Bemüh'n.</l>
  </sp>

xml:langで宣言した意図は,この要素の内容の中に現れる他の要素のxml:lang属性で上書きされない限り,指定した要素のすべての属性と内容に適用される。

xml:langを次に示す通り,簡単に(デフォルト値を与えずに)宣言してもよい。

xml:lang  NMTOKEN  #IMPLIED

必要ならば,特定のデフォルト値を与えてもよい。英語を母語とする学生用のフランス語の詩集では,説明及び注を英語で記述すれば,xml:lang属性を次のとおりに宣言することとなる。

    <!ATTLIST poem   xml:lang NMTOKEN 'fr'>
    <!ATTLIST gloss  xml:lang NMTOKEN 'en'>
    <!ATTLIST note   xml:lang NMTOKEN 'en'>

3. 論理構造

いかなるXML文書も,一つ以上の要素を含む。要素の境界は,開始タグ及び終了タグによって区切る。要素が要素のときは,空要素タグで示す。各々の要素は型をもつ。要素型は名前(共通識別子(generic identifier)又はGIと呼ぶことがある。)によって特定される。要素はいくつかの属性をもつことができる。属性は名前及びをもつ。

要素
[39]  element ::= EmptyElemTag
STag content ETag [ 整形式制約: 要素型のマッチ ]
[ 妥当性制約: 要素の妥当性 ]

この標準情報(TR)は,要素型及び属性の意味,使用方法,又は(構文に関することを除き)名前に制約を与えない。ただし,正規表現(('X'|'x')('M'|'m')('L'|'l'))にマッチする文字列で始まる名前は,この版又は今後の版のこの標準情報(TR)での標準化のために予約する。

Well-Formedness Constraint: 要素型のマッチ
要素の終了タグの名前は,その要素の開始タグにおける要素型(の名前)とマッチしなければならない。

Validity Constraint: 要素の妥当性
要素が妥当とは,その要素型(の名前)とマッチするNameをもつ宣言(elementdeclにマッチするもの)が存在し,さらに次のいずれかの条件を満たす場合とする。

  1. a) 宣言がEMPTYにマッチし,要素が 内容をもたない。
  2. b) 宣言がchildrenにマッチし,要素の子要素の並びが,内容モデル中の正規表現によって生成される言語に属する。子要素の間に空白(非終端記号Sにマッチする文字の並び)があってもよい。
  3. c) 宣言が Mixedにマッチし,要素の内容が文字データ及び子要素からなる。子要素の要素型は,要素の内容モデルに出現する名前にマッチする。
  4. d) 宣言がANYにマッチし,どの子要素の要素型も宣言されている。

3.1 開始タグ,終了タグ及び空要素タグ

空でない任意のXML要素の始まりは,開始タグによってマーク付けする。

開始タグ
[40]  STag ::= '<' Name (S Attribute)* S? '>' [ 整形式制約: 属性指定の一意性 ]
[41]  Attribute ::= Name Eq AttValue [ 妥当性制約: 属性値の型 ]
[ 整形式制約: 外部実体への参照がないこと ]
[ 整形式制約: 属性値に<を含まないこと ]

開始タグ及び終了タグ内のNameは,要素の を表わす。Name及びAttValueの対を要素の属性指定といい,個々の対におけるName属性名といい,AttValueの内容(区切り子' 又は"の間のテキスト)を属性値という。

Well-Formedness Constraint: 属性指定の一意性
開始タグ又は空要素タグでは,同一の属性名が二回以上出現してはならない。

Validity Constraint: 属性値の型
属性は宣言されていなければならない。属性値の型は,その属性に対して宣言した型でなければならない(属性の型については,"3.3 属性リスト宣言"を参照。)。

Well-Formedness Constraint: 外部実体への参照がないこと
属性値には,外部実体への直接的又は間接的な参照を含むことはできない。

Well-Formedness Constraint: 属性値に<を含まないこと
属性値内で直接的又は間接的に参照する実体("&lt;"を除く。)の置換テキストには,<を含んではならない。

開始タグの例を次に示す。

<termdef id="dt-dog" term="dog">

開始タグで始まる要素の終わりは,終了タグでマーク付けしなければならない。この 終了タグは,対応する開始タグの要素型と同じ名前をもつ。

終了タグ
[42]  ETag ::= '</' Name S? '>'

終了タグの例を,次に示す。

</termdef>

要素の開始タグと終了タグとの間のテキストをその要素の内容という。

要素の内容
[43]  content ::= (elementCharDataReferenceCDSectPIComment)*

要素がのとき,その要素は,直後に終了タグをもつ開始タグ又は空要素タグで表現しなければならない。空要素タグは,次の特別な形式をとる。

空要素のためのタグ
[44]  EmptyElemTag ::= '<' Name (S Attribute)* S? '/>' [ 整形式制約: 属性指定の一意性 ]

空要素タグは,内容をもたない任意の要素の表現に利用できる。空要素タグで表現する要素を,キーワードEMPTYを用いて宣言しなくてもよい。 相互運用性のためには,空要素タグは,EMPTYとして宣言された要素には必ず使用しなければならず,またこれ以外の要素には使用しない。

空要素の例を,次に示す。

<IMG align="left"
 src="http://www.w3.org/Icons/WWW/w3c_home" />

</br>
<br/>

3.2 要素型宣言

妥当性を保証するため,要素型宣言及び属性リスト宣言を用いてXML文書要素の構造に制約を加えることができる。要素型宣言は,要素の 内容についての制約とする。

要素型宣言は,要素のとして出現可能な要素型について,制約を加えることが多い。ユーザのオプション指定によっては,要素型宣言をもたない要素型が他の要素型宣言によって参照されれば,XMLプロセサは警告を出してもよい。しかし,これはエラーとはしない。

要素型宣言は次の形式をとる。

要素型宣言
[45]  elementdecl ::= '<!ELEMENT' S Name S contentspec S? '>' [ 妥当性制約: 要素型宣言の一意性 ]
[46]  contentspec ::= 'EMPTY' | 'ANY' | Mixedchildren

ここで,Nameは宣言されている要素の型を示す。歴史的には,キーワードPCDATAは"parsed character data"に由来する。

[訳注(これは原規定にはない)] W3Cから公開されている訂正に従って、直前の段落の最後の文を追加した。

Validity Constraint: 要素型宣言の一意性
一つの要素型を二回以上宣言できない。

要素型宣言の例を次に示す。

<!ELEMENT br EMPTY>
<!ELEMENT p (#PCDATA|emph)* >
<!ELEMENT %name.para; %content.para; >
<!ELEMENT container ANY>

3.2.1 要素内容

あるの要素が要素だけを必ず含み(文字データを含まない。) ,それらの間には空白(非終端記号Sにマッチする文字)だけしか現れないとき,その要素型は,要素内容をもつという。 この場合,内容モデルが制約となる。内容モデルは,子要素の型及び子要素の出現順序を制御する簡単な文法とする。この文法は,内容素子(cp)から成る。内容素子は,名前,内容素子の選択リスト又は内容素子の列リストから構成される。

要素内容モデル
[47]  children ::= (choiceseq) ('?' | '*' | '+')?
[48]  cp ::= (Namechoiceseq) ('?' | '*' | '+')?
[49]  choice ::= '(' S? cp ( S? '|' S? cp )* S? ')' [ 妥当性制約: グループ及びパラメタ実体が厳密な入れ子をなしていること ]
[50]  seq ::= '(' S? cp ( S? ',' S? cp )* S? ')' [ 妥当性制約: グループ及びパラメタ実体が厳密な入れ子をなしていること ]

ここで,Nameは,として出現してよい要素の型を示す。この文法で選択リストが現れる位置では,選択リスト内のいずれの内容素子も要素内容の中に現れてよい。列リストに現れる内容素子は,リストで指定する順番のとおりに,要素内容に現れなければならない。名前又はリストの後に出現するオプションの文字は,リスト内の要素又は内容素子が,1回以上任意の回数(+),0回以上任意の回数(*)又は0回若しくは1回(?)出現可能なことを規定する。この演算子がない場合は要素又は内容素子が正確に1度だけ現われなくてはならないことを意味する。 ここで示す構文及び意味は,この標準情報(TR)における生成規則で用いるものと同一とする。

要素の内容が内容モデルにマッチするのは,列,選択及び繰返し演算子に従って,内容の中の要素と内容モデル内の要素型とをマッチさせながら,内容モデル内の一つのパスをたどれるときに限る。互換性のため,文書内の要素が,内容モデルにおける要素型の複数の出現位置とマッチすることは,エラーとする。詳細な規定については,"E. 決定的内容モデル"を参照。

Validity Constraint: グループ及びパラメタ実体が厳密な入れ子をなしていること
パラメタ実体の置換テキストは,かっこで囲まれたグループによって,厳密な入れ子を構成しなければならない。つまり,選択又は混在部品に,開きかっこ又は閉じかっこのいずれか一方が パラメタ実体の置換テキストに含れれば,他方も同じ置換テキストに含まれなければならない。 相互運用性のためには,パラメタ実体参照が 選択又は 混在内容内容に含まれれば,その置換テキストは空でないことが望ましく,置換テキストの先頭及び末尾の空白でない文字は,コネクタ(|又は,)でない方がよい。

要素内容モデルのいくつかの例を次に示す。

<!ELEMENT spec (front, body, back?)>
<!ELEMENT div1 (head, (p | list | note)*, div2*)>
<!ELEMENT dictionary-body (%div.mix; | %dict.mix;)*>

3.2.2 混合内容

ある要素の要素内に,要素に混在して文字データが含まれる可能性があるとき,その要素型は,混合内容をもつという。 この場合,子要素の型についての制約が存在してもよいが,子要素の順序又は出現回数についての制約は存在しない。

混合内容宣言
[51]  Mixed ::= '(' S? '#PCDATA' (S? '|' S? Name)* S? ')*'
| '(' S? '#PCDATA' S? ')' [ 妥当性制約: グループ及びパラメタ実体が厳密な入れ子をなしていること ]
[ 妥当性制約: 要素型の重複の禁止 ]

ここで,Nameは子として出現してもよい要素の型を示す。

Validity Constraint: 要素型の重複の禁止
一つの混合内容宣言内に,同じ名前が複数回出現してはならない。

混合内容宣言の例を次に示す。

<!ELEMENT p (#PCDATA|a|ul|b|i|em)*>
<!ELEMENT p (#PCDATA | %font; | %phrase; | %special; | %form;)* >
<!ELEMENT b (#PCDATA)>

3.3 属性リスト宣言

属性は,名前及び値の対を要素に関連付けるために用いる。属性指定は,開始タグ又は空要素タグ内でだけ可能とする。したがって,属性指定を認識するための生成規則は,"3.1 開始タグ,終了タグ及び空要素タグ"に示されている。属性リスト宣言は,次の目的で用いる。

属性リスト宣言は,ある要素型と関連付けられた各属性に対し,名前,データ型及び(存在すれば)デフォルト値を規定する。

属性リスト宣言
[52]  AttlistDecl ::= '<!ATTLIST' S Name AttDef* S? '>'
[53]  AttDef ::= S Name S AttType S DefaultDecl

AttlistDecl規則に含まれるNameは,要素型の名前とする。ユーザのオプション指定によっては,宣言していない要素型に対して属性を宣言したならば,XMLプロセサは,警告を出してもよい。しかし,これはエラーとはしない。 AttDef規則におけるNameは,属性の名前とする。

ある要素に対して,複数のAttlistDeclを与える場合,これらすべての内容はマージする。ある要素型の同じ属性に,複数の定義を与える場合には,最初の宣言を有効とし,他の宣言は無視する。相互運用性のためには,DTDの作成者は,ある要素型には高々一つの属性リスト宣言しか与えない,ある属性リスト宣言の中の一つの属性名には高々一つの属性定義しか与えない,及びすべての属性リスト宣言には少なくとも一つの属性定義を与える,という選択をしてもよい。相互運用性のためには,XMLプロセサは,ユーザのオプション指定によっては,ある要素型に複数の属性リスト宣言を与えたり,ある属性に複数の属性定義を与えたりしたときに,警告を出してもよい。しかし,これは,エラーとはしない。

[訳注(これは原規定にはない)] W3Cから公開されている訂正に従って、「ある属性名には高々一つの属性定義しか与えない」を「ある属性リスト宣言のなかのある属性名には高々一つの属性定義しか与えない」に変更した。

3.3.1 属性の型

XMLの属性の型は,3種類とする。これらは,文字列型,トークン化型及び列挙型とする。文字列型は,値として任意のリテラル文字列をとる。トークン化型は,字句及び意味に関して,様々な制約をもつ。この文法に示されている妥当性制約は,"3.3 属性リスト宣言"の記述に従って属性値を正規化した後で適用される。

Attribute Types
[54]  AttType ::= StringTypeTokenizedTypeEnumeratedType
[55]  StringType ::= 'CDATA'
[56]  TokenizedType ::= 'ID' [ 妥当性制約: ID ]
[ 妥当性制約: 1要素ごとに一つのID ]
[ 妥当性制約: ID属性のデフォルト ]
| 'IDREF' [ 妥当性制約: IDREF ]
| 'IDREFS' [ 妥当性制約: IDREF ]
| 'ENTITY' [ 妥当性制約: 実体名 ]
| 'ENTITIES' [ 妥当性制約: 実体名 ]
| 'NMTOKEN' [ 妥当性制約: 名前トークン ]
| 'NMTOKENS' [ 妥当性制約: 名前トークン ]

[訳注(これは原規定にはない)] W3Cから公開されている訂正に従って、「この文法に示されている妥当性制約は,"3.3 属性リスト宣言"の記述に従って属性値を正規化した後で適用される。」を追加した。

Validity Constraint: ID
ID型の値は,生成規則Nameにマッチしなければならない。一つのXML文書内では,一つの名前が,この型の値として複数回現れてはならない。つまり,IDの値は,要素を一意に特定しなければならない。

Validity Constraint: 1要素ごとに一つのID
要素型は,複数のID属性をもってはならない。

Validity Constraint: ID属性のデフォルト
ID属性は,デフォルトとして,#IMPLIED又は#REQUIREDを宣言しなければならない。

Validity Constraint: IDREF
IDREF型の値は,生成規則Nameにマッチしなければならない。IDREFS型の値は,Namesにマッチしなければならない。各々のNameは,XML文書内に存在する要素のID属性の値とマッチしなければならない。つまり,IDREFの値は,あるID属性の値とマッチしなければならない。

Validity Constraint: 実体名
ENTITY型の値は,Name生成規則にマッチしなければならない。ENTITIES型の値は,Namesにマッチしなければならない。各々のNameは,DTDで宣言する解析対象外実体とマッチしなければならない。

Validity Constraint: 名前トークン
NMTOKEN型の値は,Nmtoken生成規則にマッチしなければならない。NMTOKENS型の値は,Nmtokensにマッチしなければならない。

列挙型の属性は,宣言した幾つかの値の一つを取ることができる。列挙型には,2種類ある。

列挙属性の型
[57]  EnumeratedType ::= NotationTypeEnumeration
[58]  NotationType ::= 'NOTATION' S '(' S? Name (S? '|' S? Name)* S? ')' [ 妥当性制約: 記法属性 ]
[ 妥当性制約: 一つの要素型には一つの記法 ]
[59]  Enumeration ::= '(' S? Nmtoken (S? '|' S? Nmtoken)* S? ')' [ 妥当性制約: 列挙 ]

NOTATION属性は,その属性が付与されている要素を解釈するのに使用する記法を特定する。記法は,DTD内で宣言され,システム識別子及び公開識別子のどちらか,又は,両方に関連付けられる。

Validity Constraint: 記法属性
この型の値は,宣言に含まれる幾つかの記法の名前の一つとマッチしなければならない。つまり,宣言に含まれる記法名は,すべて宣言されていなければならない。

Validity Constraint: 一つの要素型には一つの記法
一つの要素型に二つ以上の記法属性を指定してはならない。

[訳注(これは原規定にはない)] W3Cから公開されている訂正に従って、妥当性制約「一つの要素型には一つの記法」を追加した。

Validity Constraint: 列挙
この型の値は,宣言に含まれる幾つかのNmtokenトークンの一つとマッチしなければならない。

相互運用性のためには,同じNmtokenは,一つの要素型のいくつかの列挙型の属性として,複数回現れない方がよい。

3.3.2 属性のデフォルト

属性宣言は,属性の指定が必須かどうかについての情報を与える。必須でない場合には,文書内で属性が指定されていないとき,XMLプロセサがどう処理しなければならないか又は処理するほうがいいかの情報も与える。

属性のデフォルト
[60]  DefaultDecl ::= '#REQUIRED' | '#IMPLIED'
| (('#FIXED' S)? AttValue) [ 妥当性制約: 必須属性 ]
[ 妥当性制約: 属性デフォルトの正しさ ]
[ 整形式制約: 属性値に<を含まないこと ]
[ 妥当性制約: 固定の属性デフォルト ]

属性宣言において,#REQUIREDはその属性が必須であること,#IMPLIEDはデフォルト値がないことを意味する。 宣言が#REQUIREDでも#IMPLIEDでもないときには,AttValueの値が,デフォルト値となる。#FIXEDキーワードは,その属性の値がデフォルト値と常に同一でなければならないことを示す。デフォルト値を宣言している場合,この属性が省略されているのを見つけたなら,宣言したデフォルト値が属性値に指定しているとして,XMLプロセサは振舞うものとする。

Validity Constraint: 必須属性
デフォルトの宣言が#REQUIREDキーワードの場合,属性リスト宣言で参照した要素型のすべての要素で,その属性を指定しなければならない。

Validity Constraint: 属性デフォルトの正しさ
宣言したデフォルト値は,宣言した属性型の字句制約を満たさなければならない。

Validity Constraint: 固定の属性デフォルト
属性が#FIXEDキーワードで宣言されたデフォルト値を持つ場合,その属性のインスタンスはデフォルト値にマッチしなければならない。

属性リスト宣言の例を,次に示す。

<!ATTLIST termdef
          id      ID      #REQUIRED
          name    CDATA   #IMPLIED>
<!ATTLIST list
          type    (bullets|ordered|glossary)  "ordered">
<!ATTLIST form
          method  CDATA   #FIXED "POST">

3.3.3 属性値の正規化

XMLプロセサは,属性値をアプリケーションに渡す前,又は妥当性を判定する前に,次のとおりに正規化しなければならない。

[訳注(これは原規定にはない)] 以下の箇条書きは,"と"の間(もしくは'と'の間)の文字の並びに対して繰り返し実行される条件分岐である。一度実行されるたびに,正規化された文字列が先頭から少しずつ構築されていく。

[訳注(これは原規定にはない)] 2.11で述べたように,文字を読み込むルーチンがCR+LFやCRをLFに置き換えているものと考えると理解しやすい。

さらに,属性の型がCDATAでない場合は,XMLプロセサは正規化された属性値に対して,次の処理をしなければならない。まず,先頭又は末尾にあるスペース文字(#x20)をすべて取り除く.つぎに,連続するスペース文字(#x20)を一つのスペース文字(#x20)に置き換える。

妥当性を検証しないパーサは,宣言が見つからない属性は,すべて,CDATAを宣言しているとして扱うものとする。

3.4 条件付きセクション

条件付きセクションとは,文書型宣言の外部サブセットの一部であって,制御キーワードの指定によって,DTDの論理構造に含めたり,除いたりする部分とする。

条件付きセクション
[61]  conditionalSect ::= includeSectignoreSect
[62]  includeSect ::= '<![' S? 'INCLUDE' S? '[' extSubsetDecl ']]>'
[63]  ignoreSect ::= '<![' S? 'IGNORE' S? '[' ignoreSectContents* ']]>'
[64]  ignoreSectContents ::= Ignore ('<![' ignoreSectContents ']]>' Ignore)*
[65]  Ignore ::= Char* - (Char* ('<![' | ']]>') Char*)

条件付きセクションは,DTDの内部サブセット及び外部サブセットと同様に,完全な宣言,コメント,処理命令又は入れ子になった条件付きセクションを,いくつか含んでよい。これらの間に,空白が現れてもよい。

条件付きセクションのキーワードがINCLUDEならば,条件付きセクションの内容はDTDの一部である。条件付きセクションのキーワードがIGNOREならば,条件付きセクションの内容は論理的にはDTDの一部ではない。構文解析を正しく行うためには,無視する条件付きセクション(IGNORE)に関しても,内容を読まなければならないことに注意すること。これは,入れ子になった条件付きセクションを見つけ,(無視する)最も外側の条件付きセクションを正しく検出することを目的とする。キーワードをINCLUDEとする小さな条件付きセクションが,キーワードをIGNOREとするより大きな条件付きセクションに含まれるならば,外側及び内側の条件付きセクションの両方とも無視する。

条件付きセクションのキーワードがパラメタ実体参照ならば,XMLプロセサは条件付きセクションの扱いを判断する前に,このパラメタ実体を展開しなければならない。

例を次に示す。

<!ENTITY % draft 'INCLUDE' >
<!ENTITY % final 'IGNORE' >
 
<![%draft;[
<!ELEMENT book (comments*, title, body, supplements?)>
]]>
<![%final;[
<!ELEMENT book (title, body, supplements?)>
]]>

4. 物理構造

XML文書は,一つ以上の記憶単位から構成する。この記憶単位を,実体という。実体は,内容をもち,文書実体及び外部DTDサブセットを除いて,実体名で特定する。 各XML文書は,文書実体と呼ぶ実体を一つもつ。XMLプロセサは,この文書実体から処理を開始する。文書実体が,文書のすべてを含んでもよい。

[訳注(これは原規定にはない)] W3Cから公開されている訂正に従って、「名前」を「実体名」に変更した。また,"see below"に対応する部分を取り除いた。

実体は,解析対象実体又は解析対象外実体とする。解析対象実体の内容は,解析対象実体の置換テキストと呼ぶ。このテキストは,文書の本体の一部として解釈する。

解析対象外実体は,内容がテキストでもそうでなくともよいリソースとする。テキストの場合,XMLでなくともよい。各解析対象外実体には,記法が関連付けられ,この記法は,名前で特定する。XMLプロセサが実体や記法の識別子をアプリケーションに渡すという要件以外は,XMLは解析対象外実体の内容を制限しない。

解析対象実体は,実体参照によって名前で呼び出す。解析対象外実体は,ENTITY型又はENTITIES型の属性の値として,名前で参照する。

一般実体は,文書内容の中で使用する実体とする。あいまいにならない限り,この標準情報(TR)では,一般実体を単に実体と呼ぶ。パラメタ実体は,DTD内で使用する解析対象実体とする。これらの2種類の実体は,異なる書式で参照し,異なる文脈で認識する。さらに,それらは異なる名前空間にある。したがって,同じ名前のパラメタ実体と一般実体は,2つの異なった実体である。

4.1 文字参照及び実体参照

文字参照は,ISO/IEC 10646文字集合の特定の文字,例えば,入力機器から直接入力不可能な文字を参照する。

文字参照
[66]  CharRef ::= '&#' [0-9]+ ';'
| '&#x' [0-9a-fA-F]+ ';' [ 整形式制約: 使用できる文字 ]

Well-Formedness Constraint: 使用できる文字
文字参照で参照する文字は,Charの生成規則にマッチしなければならない。

文字参照が "&#x" で始まれば,終端の ; までの数字及び字は,ISO/IEC 10646の文字コード位置の16進数表現とする。文字が "&#" で始まれば,終端の ; までの数字は,文字コード位置の10進数表現とする。

実体参照は,名前の付いた実体の内容を参照する。一般解析対象実体への参照は,アンド記号(&)及びセミコロン記号(;)を区切り子として用いる。パラメタ実体への参照は,パーセント記号(%)及びセミコロン(;)を区切り子として用いる。

実体参照
[67]  Reference ::= EntityRefCharRef
[68]  EntityRef ::= '&' Name ';' [ 整形式制約: 実体が宣言されていること ]
[ 妥当性制約: 実体が宣言されていること ]
[ 整形式制約: 解析対象実体 ]
[ 整形式制約: 再帰なし ]
[69]  PEReference ::= '%' Name ';' [ 妥当性制約: 実体が宣言されていること ]
[ 整形式制約: 再帰なし ]
[ 整形式制約: DTDの中 ]

Well-Formedness Constraint: 実体が宣言されていること
DTDをもたない文書,パラメタ実体参照を含まない内部DTDサブセットだけをもつ文書,又は "standalone='yes'" をもつ文書において,実体参照で用いる Name は,ある実体宣言に含まれる名前とマッチしなければならない。ただし,整形式の文書は,実体amp, lt, gt, apos, quot を宣言する必要はない。パラメタ実体の場合は,宣言は,参照に先行しなければならない。同様に,一般実体の場合は,属性リスト宣言のデフォルト値内での参照より先に,宣言が現れなければならない。 外部サブセット又は外部パラメタ実体で実体を宣言するとき,妥当性を検証しないプロセサが,宣言を読み,処理することを義務づけないことに注意。それらの文書では,実体は宣言されなければならないという規則は,standalone='yes'の場合のみ,整形式制約となる。

Validity Constraint: 実体が宣言されていること
外部サブセット又は外部パラメタ実体をもっていて,"standalone='no'"をもつ文書において,実体参照で用いる Name は,ある実体宣言に含まれる名前とマッチしなければならない。相互運用性のためには,妥当な文書は"4.6 定義済み実体"で指定した書式によって,実体 amp, lt, gt, apos, quotを宣言することが望ましい。パラメタ実体の場合は,宣言は,参照に先行しなければならない。同様に,一般実体の場合は,属性リスト宣言のデフォルト値内での参照よりも先に,宣言が現れなければならない。

Well-Formedness Constraint: 解析対象実体
実体参照は,解析対象外実体の名前を含んでいてはならない。解析対象外実体は,ENTITY型又はENTITIES 型として宣言した属性値としてだけ参照できる。

Well-Formedness Constraint: 再帰なし
解析対象実体は,それ自体への参照を,直接にも間接にも含んではならない。

Well-Formedness Constraint: DTDの中
パラメタ実体参照は,DTD内にだけ,出現してよい。

文字参照及び実体参照の例を,次に示す。

Type <key>less-than</key> (&#x3C;) to save options.
This document was prepared on &docdate; and
is classified &security-level;.

パラメタ実体参照の例を,次に示す。

<!-- declare the parameter entity "ISOLat2"... -->
<!ENTITY % ISOLat2
         SYSTEM "http://www.xml.com/iso/isolat2-xml.entities" >
<!-- ... now reference it. -->
%ISOLat2;

4.2 実体宣言

実体は,次のとおりに宣言する。

実体宣言
[70]  EntityDecl ::= GEDeclPEDecl
[71]  GEDecl ::= '<!ENTITY' S Name S EntityDef S? '>'
[72]  PEDecl ::= '<!ENTITY' S '%' S Name S PEDef S? '>'
[73]  EntityDef ::= EntityValue | (ExternalID NDataDecl?)
[74]  PEDef ::= EntityValueExternalID

Name は,実体参照において実体を特定する。解析対象外実体ならば,ENTITY 型又はENTITIES型の属性値内で,実体を特定する。同一の実体が一回以上宣言されれば,最初の宣言を用いる。ユーザのオプション指定によっては,複数回宣言される実体に関し,XMLプロセサは,警告を出してもよい。

4.2.1 内部実体

実体の定義が EntityValueのとき,これを内部実体という。これは,別個の物理的記憶単位をもたず,実体の内容は宣言内で与える。正しく置換テキストを生成するには,リテラル実体値内での実体参照及び文字参照の処理が必要となるかもしれないことに注意する。詳細は,"4.5 内部実体置換テキストの構築"を参照。

内部実体は,解析対象実体とする。

内部実体宣言の例を,次に示す。

<!ENTITY Pub-Status "This is a pre-release of the specification.">

4.2.2 外部実体

内部実体でない実体は外部実体であって,次のとおりに宣言する。

外部実体宣言
[75]  ExternalID ::= 'SYSTEM' S SystemLiteral
| 'PUBLIC' S PubidLiteral S SystemLiteral
[76]  NDataDecl ::= S 'NDATA' S Name [ 妥当性制約: 記法が宣言されていること ]

NDataDecl が存在すれば,この実体は,一般解析対象外実体とし,そうでなければ,解析対象実体とする。

Validity Constraint: 記法が宣言されていること
Name は,宣言した記法の名前とマッチしなければならない。

SystemLiteral を,実体のシステム識別子と呼ぶ。システム識別子としてはURIを使い,その実体の内容を取り出すために用いてもよい。URIと共に使うことの多いシャープ記号(#)及びフラグメント識別子は,正式には,URI自体の一部ではない。フラグメント識別子が,システム識別子の部分として与えられている場合,XMLプロセサは,エラーを出してもよい。この標準情報(TR)の適用範囲外の情報(例えば,ある特定のDTDの特別なXML要素又は特定のアプリケーションの仕様によって定義された処理命令)によって上書きされない限り,相対的なURIは,その実体の位置,すなわち,その実体の宣言があるファイルに相対的とする。したがって,そのURIは,文書実体外部DTDサブセットを含む実体,又は,いくつかの外部パラメタ実体に対して,相対的である。

XMLプロセサは,非ASCII文字がURIに含まれている場合,これを次のとおりに扱う。非ASCII文字は,UTF-8によって一つ以上のバイトで表現し,これらのバイトをURIの別扱い機構を用いて(すなわち,バイト値の16進数による表現をHHとしたとき,各バイトを%HHの形式に変換することによって)別扱いする。

[訳注(これは原規定にはない)] この規定はHTML 4.0の附属書Bと RFC 2141"URN Syntax", R. Moats, May 1997にあるものである。

システム識別子以外に,外部実体は,公開識別子を含んでもよい。 実体の内容を取り出すXMLプロセサは,この公開識別子を用いて,代わりのURIの生成を試みてもよい。XMLプロセサがこれに失敗した場合は,システムリテラルとして指定したURIを用いなければならない。マッチする前に,公開識別子内にある空白文字からなる文字列は,すべて単一のスペース文字(#x20)に正規化しなければならず,先頭及び末尾の空白文字はすべて削除しなければならない。

外部実体宣言の例を,次に示す。

<!ENTITY open-hatch
         SYSTEM "http://www.textuality.com/boilerplate/OpenHatch.xml">
<!ENTITY open-hatch
         PUBLIC "-//Textuality//TEXT Standard open-hatch boilerplate//EN"
         "http://www.textuality.com/boilerplate/OpenHatch.xml">
<!ENTITY hatch-pic
         SYSTEM "../grafix/OpenHatch.gif"
         NDATA gif >

4.3 解析対象実体

4.3.1 テキスト宣言

外部解析対象実体は,テキスト宣言で始まってもよい。

テキスト宣言
[77]  TextDecl ::= '<?xml' VersionInfo? EncodingDecl S? '?>'

テキスト宣言は,そのままの形で現れなければならず,解析対象実体への参照を経由してはならない。外部解析対象実体において,テキスト宣言は,先頭以外のいかなる位置にも出現しない。

4.3.2 整形式の解析対象実体

ラベルdocumentをもつ生成規則にマッチすれば,文書実体は整形式とする。ラベルextParsedEntをもつ生成規則にマッチすれば,外部の一般解析対象実体は,整形式とする。ラベルextPEをもつ生成規則にマッチすれば,外部パラメタ実体は整形式とする。

整形式の解析対象実体
[78]  extParsedEnt ::= TextDecl? content
[79]  extPE ::= TextDecl? extSubsetDecl

置換テキストが,ラベルcontentをもつ生成規則にマッチすれば,内部の一般解析対象実体は,整形式とする。すべての内部のパラメタ実体は,定義から整形式になる。

実体はすべて整形式なので,XML文書の論理的及び物理的構造は,厳密に入れ子となる。開始タグ終了タグ空要素タグ要素コメント処理命令文字参照及び実体参照が,一つの実体で開始し,別の実体で終了することはない。

4.3.3 実体における文字符号化

XML文書内の外部解析対象実体は,それぞれ別の文字符号化方式を用いてもよい。すべてのXMLプロセサは,UTF-8で符号化した実体,及びUTF-16で符号化した実体を処理できなければならない。

[訳注(原規定にはない)]原規定ではeither〜orであるが意訳した。

UTF-16で符号化した実体は,ISO/IEC 10646の附属書E及びUnicodeの付録Bで規定するバイト順マーク(ZERO WIDTH NO-BREAK SPACE文字,#xFEFF)で始まらなければならない。これは,符号化方式の標識であって,XML文書のマーク付けの一部でも,文字データの一部でもない。XMLプロセサは,UTF-8で符号化した文書とUTF-16で符号化した文書との区別を行うために,この文字を認識可能でなければならない。

XMLプロセサは,UTF-8及びUTF-16で符号化した実体を読めなければならない,他の符号化方式が世界では用いられることも多く,それらの符号化方式を用いる実体をXMLプロセサは処理できることが望ましい。UTF-8又はUTF-16以外の符号化方式を用いて格納する解析対象実体は,符号化宣言を含むテキスト宣言で始めなければならない。

符号化宣言
[80]  EncodingDecl ::= S 'encoding' Eq ('"' EncName '"' | "'" EncName "'")
[81]  EncName ::= [A-Za-z] ([A-Za-z0-9._] | '-')* /* ラテン文字だけを含む符号化方式名 */

文書実体では,符号化宣言は,XML宣言の一部とする。EncNameは,使用する符号化方式の名前とする。

符号化宣言では,値"UTF-8","UTF-16","ISO-10646-UCS-2"及び"ISO-10646-UCS-4"は,Unicode及びISO/IEC 10646の各種符号化方式のために用いる。値"ISO-8859-1"から"ISO-8859-9"までは,ISO 8859の対応するパートのために用いる。値"ISO-2022-JP","Shift_JIS"及び"EUC-JP"は,JIS X-0208-1997の各種符号化方式のために用いる。XMLプロセサは,ここに挙げた以外の符号化方式を認識してもよい。Internet Assigned Numbers Authority[IANA]に,(charsetsとして)登録された文字符号化方式については,ここに挙げたもの以外についても,登録された名前で参照することが望ましい。これらの登録された名前は,大文字・小文字の区別をせずに定義されているので,これらに対する比較を試みるプロセサは,大文字・小文字の区別をしない方法をとることに注意する。

外部の伝送プロトコル(すなわち,HTTP, MIMEなど)で与えられる情報が存在しないとき,XMLプロセサに渡された実体が,符号化宣言を含むにもかかわらず,宣言で示したもの以外の方式で符号化されている場合,又はバイト順マークでも符号化宣言でも始まらない実体が,UTF-8以外の符号化方式を使用した場合は,エラーとする。ASCIIはUTF-8のサブセットなので,通常のASCIIの実体は厳密には符号化宣言を必要としないことに注意。

[訳注(これは原規定にはない)] W3Cから公開されている訂正に従って、「符号化宣言が外部実体の最初以外の位置に出現した場合,」を削除し、次の段落を追加した。

TextDeclが外部実体の先頭以外で出現することは致命的エラーとする。

[訳注(これは原規定にはない)] W3Cから公開されている訂正ではエラーとなっているが,明らかに致命的エラーの誤りなので変更した。

処理できない符号化方式を使用した実体をXMLプロセサが発見したときは,致命的エラーとする。

符号化宣言の例を次に示す。

<?xml encoding='UTF-8'?>
<?xml encoding='EUC-JP'?>

4.4 XMLプロセサによる実体及び参照の扱い

次の表に,文字参照,実体参照及び解析対象外実体の呼出しが現れる文脈,並びに,それぞれの場合におけるXMLプロセサに要求される振舞いを要約する。一番左の列のラベルは,参照が現れる文脈を示す。

内容における参照
要素の開始タグ及び終了タグの間の任意の場所での参照。非終端記号contentに対応する。
属性値における参照
開始タグの属性の値,又は属性宣言におけるデフォルト値のいずれかでの参照。非終端記号AttValueに対応する。
属性値として出現
参照ではなく,Nameとして出現。ENTITY型として宣言した属性の値として出現するか,又はENTITIES型として宣言した属性の値におけるスペースで区切るトークンの一つとして出現する。
実体値における参照
実体の宣言における,パラメタ実体又は内部実体のリテラル実体値の中での参照。非終端記号EntityValueに対応する。
DTDにおける参照
DTDの内部サブセット又は外部サブセットでの参照。ただし,EntityValue又はAttValueの外側とする。
実体の型 文字
パラメタ 内部一般 外部解析対象実体一般 解析対象外実体
内容での参照 認識 しない 取込み 検証のために取込み 禁止 取込み
属性値での参照 認識 しない リテラル内での取込み 禁止 禁止 取込み
属性値として出現 認識 しない 禁止 禁止 通知 認識 しない
実体値での参照 リテラル内での取込み 処理しない 処理しない 禁止 取込み
DTDでの参照 PEとして 取込み 禁止 禁止 禁止 禁止

4.4.1 "認識しない"

DTDの外では,%文字は,いかなる特別な意味ももたない。したがって,DTDの中ではパラメタ実体参照として認識するものであっても,contentの中ではマーク付けとしては認識しない。同様に,適切に宣言した属性の値の中に現れる場合を除き,解析対象外実体の名前は認識しない。

4.4.2 "取込み"

実体参照を処理するには,その置換テキストを取り出し,処理する。参照自体の代わりに,参照があった位置で,文書の一部として含まれるものとして取り込む。置換テキストは,文字データ及び(パラメタ実体を除く。)マーク付けのいずれを含んでもよく,これらは,通常の方法で認識されなければならない。ただし,マーク付けの区切り子を別扱いするために用いる実体(amp, lt, gt, apos, quot)の置換テキストは,常にデータとして扱う(文字列"AT&amp;T;"は,"AT&T;"に展開され,残されたアンド記号は,実体参照の区切り子としては認識しない。)。文字参照は,番号で示した文字を参照自体の代わりに取り込む

4.4.3 "検証のために取込み"

文書の妥当性を検証するには,XMLプロセサは解析対象実体への参照を認識したとき,その置換テキストを取り込まなければならない。実体が外部実体であって,XML文書の妥当性を検証しないときは,実体の置換テキストを取り込んでもよいが,取り込むことを義務づけられてはいない。妥当性を検証しないパーサが置換テキストを取り込まない場合,実体を認識したが,読み込まなかったことをアプリケーションに通知しなければならない。

この取決めは,SGML及びXMLの実体の機構が提供する自動取込み機能が,文書作成時のモジュール化を主な目的として設計されており,その他のアプリケーション(特に,文書のブラウジング)には,必ずしも適切ではない,という認識による。例えば,ブラウザは外部解析対象実体への参照を見つけると,その実体が存在するという表示だけを行い,表示を要求されたときにだけ,内容を取り出すかもしれない。

4.4.4 "禁止"

次は禁止されており,致命的エラーとする。

4.4.5 リテラル内での取込み

実体参照が属性値の中で現れたとき,又はパラメタ実体への参照がリテラル実体値の中で現れたとき,置換テキストは,参照自体の代わりに,参照があった位置に文書の一部としてあったものとして処理される。ただし,置換テキストの中の一重引用符又は二重引用符文字は,常に通常の文字データとして扱われ,リテラルを終了させることはない。例えば,次の文書例は整形式である。

<!ENTITY % YN '"Yes"' >
<!ENTITY WhatHeSaid "He said %YN;" >

一方,次の例は整形式ではない。

<!ENTITY EndAttr "27'" >
<element attribute='a-&EndAttr;>

[訳注(これは原規定にはない)] W3Cから公開されている訂正に従って、最初の例の二行目をパラメタ実体への参照に修正した。

4.4.6 "通知"

解析対象外実体の名前が,ENTITY型又はENTITIES型の属性値においてトークンとして現れたとき,妥当性を検証するプロセサは,アプリケーションに対して,その実体及び関連する記法のシステム識別子並びに(存在すれば)公開識別子を通知しなければならない。

4.4.7 "処理しない"

一般実体参照が,実体宣言におけるEntityValue内に現れるとき,一般実体参照は処理されないで,そのまま残る。

4.4.8 "PEとして取込み"

外部解析対象実体の場合と同様に,パラメタ実体は,妥当性を検証するときだけ取り込む必要がある。パラメタ実体参照をDTD内に認識して取り込むとき,その置換テキストは,その前後に一つのスペース文字(#x20)の付加によって引き伸ばされる。パラメタ実体の置換テキストがDTD内の文法的トークンを完全に含むようにすることを,この規程は意図している。

4.5 内部実体置換テキストの構築

内部実体の取扱いの規定で,実体値を二つの形式に区別することは役に立つ。リテラル実体値は,実体宣言内に実際に存在する,引用符で囲まれた文字列とする。これは,非終端記号EntityValueとマッチする。置換テキストは,文字参照及びパラメタ実体参照の置換え後における,実体の内容とする。

内部実体宣言内で与えるリテラル実体値(EntityValue)は,文字参照,パラメタ実体参照及び一般実体参照を含んでもよい。これらの参照は,リテラル実体値内に完全に含まれていなければならない。展開する実際の置換テキスト(先に示したもの)は,参照するパラメタ実体の置換テキストを含み,リテラル実体値内での文字参照の代わりに参照した文字を含む。しかし,一般実体参照はそのまま残し, 展開してはならない。例えば,次の宣言を与えたとする。

<!ENTITY % pub    "&#xc9;ditions Gallimard" >
<!ENTITY   rights "All rights reserved" >
<!ENTITY   book   "La Peste: Albert Camus, 
&#xA9; 1947 %pub;. &rights;" >

実体の置換テキスト"book"は,次のとおりとなる。

La Peste: Albert Camus, 
© 1947 Éditions Gallimard. &rights;

参照"&book;"が文書の内容又は属性値内に出現すれば,一般実体参照"&rights;"は展開される。

これらの単純な規則は,複雑な相互作用をもちうる。 難しい例についての詳細は,附属書"D. 実体参照及び文字参照の展開"を参照のこと。

4.6 定義済み実体

左山括弧,アンド記号及び他の区切り子を別扱いするには実体参照及び文字参照のどちらも使用できる。いくつかの一般実体(amp, lt, gt, apos, quot)をこの目的のために使用する。番号による文字参照も,この目的のために使用できる。文字参照は,認識されると直ちに展開され,文字データとして扱われるので,番号による文字参照"&#60;"及び"&#38;"は,文字データ内に出現する<及び&を別扱いするために使用できる。

すべてのXMLプロセサは,宣言されているかどうかに関係なく,これらの実体を認識しなくてはならない。相互運用性のためには,妥当なXML文書は,これらの実体を使用する前に他の実体と同様に宣言する。実体を宣言する場合は,別扱いする1文字を置換テキストとして指定した内部実体,又は,その文字への文字参照を指定した内部実体として,次のとおりに宣言しなければならない。

<!ENTITY lt     "&#38;#60;"> 
<!ENTITY gt     "&#62;"> 
<!ENTITY amp    "&#38;#38;"> 
<!ENTITY apos   "&#39;"> 
<!ENTITY quot   "&#34;"> 

lt及びampの宣言内の"<"及び"&"文字は,実体の置換テキストが整形式となるように二重に別扱いされることに注意。

4.7 記法宣言

記法は,解析対象外実体の形式,記法属性を持つ要素の形式,又は処理命令の対象とするアプリケーションを特定する名前とする。

記法宣言は,記法の名前及び外部識別子を提供する。この名前は,外部実体宣言,属性リスト宣言,及び属性指定に用いる。外部識別子は,与えられた記法のデータを処理できるソフトウェア(ヘルパアプリケーションなど)を,XMLプロセサ又はクライアントアプリケーションが探すために利用できる。

記法宣言
[82]  NotationDecl ::= '<!NOTATION' S Name S (ExternalIDPublicID) S? '>'
[83]  PublicID ::= 'PUBLIC' S PubidLiteral

XMLプロセサは,宣言されていて,属性値,属性定義又は実体宣言で参照されているすべての記法について,XMLプロセサは,記法の名前及び外部識別子をアプリケーションに提供しなければならない。さらに,外部識別子を,システム識別子,ファイル名又はその他の情報に展開してもよく,これらを用いて,アプリケーションは,その記法のデータを処理するプロセサを起動する。しかし,XMLプロセサ又はアプリケーションが動作するシステムでは利用できない記法を,XML文書が宣言し参照しても,これは,エラーとはしない。

4.8 文書実体

文書実体は,実体の成す木構造のルートであって,XMLプロセサが処理を開始する対象とする。この標準情報(TR)は,XMLプロセサが,文書実体の存在する場所をどのように見つけるかは規定しない。他の実体と異なり,文書実体は名前をもたず,いかなる識別もなしにプロセサへの入力ストリームに出現してもよい。

5. 適合性

5.1 妥当性を検証するプロセサ及び検証しないプロセサ

適合XMLプロセサは,妥当性を検証するもの及び妥当性を検証しないものの二つに分類される。

妥当性を検証するプロセサも妥当性を検証しないプロセサも,読み込んだ文書実体及び他のすべての解析対象実体において,この標準情報(TR)の整形式制約への違反を報告しなければならない。

妥当性を検証するプロセサは,DTD内の宣言によって示された制約への違反と,この標準情報(TR)が規定する妥当性制約への違反とを,すべて報告しなければならない。 これを実現するために,妥当性を検証するXMLプロセサは,DTD全体と文書内で参照されているすべての外部解析対象実体とを読み込んで処理しなければならない。

妥当性を検証しないプロセサは,整形式であることを確認するために,DTDの内部サブセット全体を含めた文書実体を調べることだけが義務づけられている。文書の妥当性を確認する必要はないが,読み込んでいないパラメタ実体への参照が最初に起きるまでに読み込んだDTDの内部サブセットとパラメタ実体とに現れるすべての宣言を処理しなければならない。すなわち,属性値を正規化し,内部実体の置換テキストを取込みデフォルトの属性値を与えるために,これらの宣言にある情報を使用しなければならない。 実体の宣言は上書きされる可能性があるので,妥当性を検証しないプロセサは,読み込んでいないパラメタ実体への参照より後に現れた実体宣言及び属性リスト宣言処理してはならない。

5.2 XMLプロセサの使用

妥当性を検証するXMLプロセサの振舞いはほとんど予測可能である。すなわち,文書のすべての断片を読み込み,整形式及び妥当性に対するすべての違反を報告しなければならない。妥当性を検証しないプロセサに必要とされることはそれより少ない。すなわち,文書実体以外の文書の断片を読み込む必要はない。したがって,XMLプロセサのユーザに対して重要な二つ効果をもつ。

異なるXMLプロセサ間での相互運用性を最も高めるためには,妥当性を検証しないプロセサを使用するアプリケーションは,そのようなプロセサでは必要とされない振舞いに依存すべきではない。外部実体で宣言されている属性のデフォルトや内部実体を使用するような場合は,妥当性を検証するプロセサを使用する。

6. 表記法

XMLの形式的な文法は,簡単な拡張Backus-Naur Form(EBNF)表記法によって与える。文法の各規則は,次の形式で記号を定義する。

symbol ::= expression

記号は,正規表現で定義するときは大文字で始め,そうでなければ小文字で始める。リテラル文字列は引用符で囲む。

規則の右辺では,一つ以上の文字からなる文字列とマッチするために,次の式を使用する。

#xN
ここで,Nは16進の整数とする。ISO/IEC 10646の文字であって,標準形の(UCS-4)コード値を符号なし2進数として解釈したとき,指定した値と等しいものとマッチする。#xN形式の先頭にゼロがいくつか現れるかは意味をもたない。コード値における先頭のゼロの数は,文字の符号化によって決定されるのでXMLにとっては意味がない。
[a-zA-Z], [#xN-#xN]
指定した範囲の値(両端の値を含む。)をもつ任意の文字とマッチする。
[^a-z], [^#xN-#xN]
指定した範囲の値をもつ任意の文字とマッチする。
[^abc], [^#xN#xN#xN]
指定した文字以外の値をもつ任意の文字とマッチする。
"string"
二重引用符で囲むリテラル文字列とマッチするリテラル文字列とマッチする。
'string'
一重引用符で囲むリテラル文字列とマッチするリテラル文字列とマッチする。
これらの記号は,次の形式の組合せで使用する。ここで,A及びBは式とする。
(expression)
ここに示す組合せによる式(expression)を,一つのまとまりとして扱うために使う。
A?
Aのオプショナルな出現とマッチする(オプションのA)。
A B
Aの次にBが出現するものとマッチする。
A | B
A又はBのどちらかとマッチする。
A - B
AとマッチするがBとはマッチしない任意の文字列とマッチする。
A+
Aの1回以上の繰返しとマッチする。
A*
Aの0回以上の繰返しとマッチする。
生成規則内で使用する他の記法を次に示す。
/* ... */
コメント。
[ 整形式制約: ... ]
整形式制約。生成規則に関連した,整形式の文書に関する制約を名前によって特定する。
[ 妥当性制約: ... ]
妥当性制約。生成規則に関連した,妥当な文書に関する制約を名前によって特定する。