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8. DSDL

8.1 開発にあたっての戦略



W3CにおけるXML Schemaの議論の膠着状態を打開するため,日本は国内で開発された類似の規定であるRELAXをまず標準情報(TR)として公表[12]し,それをISO/IEC JTC1にFast-track手続きを用いて提案した.この提案に驚いたW3Cは,RELAXの投票期限直前に突然,XML Schemaの勧告を公表した.

文書記述言語における重要技術の国際的合意を日本からの提案に奪われることを嫌った欧米は,RELAXの公表を阻止しようとさまざまな画策をした[9]が,規定内容として洗練されしかも正規の手続きに従って進められたこの日本提案を阻止できず,その提案内容はISO/IEC TR 22250として発行[13]された.

それでもなおスキーマ言語においてリーダシップを取ろうとする欧米は,別のスキーマ言語規格を作る課題提案(NP)を行ってISO/IEC TR 22250を事実上使われないものにしようと画策した.そのNP投票が承認されてDSDL(Document Schema Definition Languages,文書スキーマ定義言語)プロジェクトができると,さらに同様の繰返しを回避するため,欧米は,類似規格の課題提案NPを事前にチェックする手続きをJTC1 Directivesに導入して日本を牽制した.


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