附属書G 定義
次の定義の中には,他のW3C文書若しくは規定文書における類似の定義から採用したもの又は修正したものがある。詳細な情報については,定義中のリンクを参照すること。
- 16ビット単位(16-bit unit)
DOMString
の基礎単位。これは,DOMString
のインデクス付けが16ビット単位で発生することを示している。これを,DOMString
が,任意の16ビット単位を記憶できるという意味に誤解してはならない。DOMString
は,UTF-16で符号化された文字列とする。これは,文字列に関する他の関連する制約と同様にUTF-16の制約が維持管理されなければならないことを意味する。例えば,数値文字参照の形式での一文字は,一つ又は二つの16ビット単位に対応する。
詳しい情報は,[Unicode]及び[ISO/IEC 10646]を参照すること。
- 先祖(ancestor)
- 任意のノードAの先祖
ノードは,一つの文書の木モデルにおいてAよりも上位の任意のノードとする。ここで,"上位の"とは,"ルートに向かって"を意味する。
- API
- API は,アプリケーションプログラムインタフェースのことで,ある機能をアクセスするために使用する関数又はメソッド
の集合とする。
- 子(child)
- 子 は,一つのノードの直接の子孫 ノードとする。
- クライアントアプリケーション(client application)
- (クライアント)アプリケーションは,ホスト実装が提供する文書オブジェクトモデルのプログラムインタフェースを使用し,役に立つ作業を達成する任意のソフトウェアとする。クライアントアプリケーションの例として,HTML文書内又はXML文書内のスクリプトがある。
- COM
- COM はMicrosoftのComponent Object Model [COM]のことで,バイナリソフトウェア構成部品からアプリケーションを構築する技術である。
- 簡便性(convenience)
- 簡便性メソッド
は,一つのオブジェクト上の操作であって,そのオブジェクト上のより基本的な操作から構成されるプログラムによって達成可能なものとする。簡便性メソッド
は,通常,APIの使用をより簡単及び単純にするために,又は共通操作のより最適化された実装を特定のプログラムが生成可能とするために提供される。同様の定義が簡便性特性
に対しても成立する。
- データモデル(data
model)
- データモデル
は,データ構造及びそれに含まれるフィールドからなる記述の集まりで,それらを扱う操作及び関数を伴ったものとする。
- 子孫(descendant)
- 任意のノードAの子孫
ノードは,一つの文書の木モデルにおけるAよりも下位の任意のノードとする。ここで,"上位"のとは,"ルートに向かって"を意味する。
- ECMAScript
- ECMA-262規定[ECMAScript]によって定義されるプログラム言語。その規定で示されているように,ECMAScriptの元となった技術は,JavaScript [JavaScript]である。ECMAScript言語束縛において,単語"特性"は,IDL用語"属性"と同じ意味で使用する。
- 要素(element)
- 各文書は,一つ以上の要素を含む。要素の境界は,開始タグ及び終了タグによって仕切る。なお,空要素の場合は,空要素タグによって区切る。各要素は,名前で識別される型をもつ。属性の集合をもってもよい。各属性は,名前及び値をもつ。XML[XML]の
論理構造 を参照すること。
- 情報項目(information item)
- 情報項目は,XML文書の幾つかの構成部品の抽象表現とする。詳しくは,[Infoset]を参照すること。
- ホスト実装(hosting implementation)
- (ホスト)実装は,クライアントアプリケーションが使用可能なDOMインタフェースの実装を提供するソフトウェアモジュールとする。ホスト実装の例に,ブラウザ,エディタ及び文書リポジトリがある。
- HTML
- HyperText Markup Language (HTML)
は,プラットフォーム間で可搬なハイパテキスト文書を作成するために使用する単純なマーク付け言語とする。HTML文書は,広範囲のアプリケーションにおいて情報を表現するために適切な一般的セマンティクスをもつSGML文書になっている[HTML4.0]。
- 継承(inheritance)
- オブジェクト指向プログラミングにおける,他のクラス(又はインタフェース)のすべてのメソッド及び特性に,付加的なメソッド及び特性を追加して,新しいクラス(又はインタフェース)を生成する能力。クラス(又はインタフェース)Dがクラス(又はインタフェース)Bから継承する場合,DはBから派生するという。Bは,Dの基底クラス(又はインタフェース)という。プログラム言語の中には,多重継承,すなわち,一つ以上のクラス又はインタフェースからの継承を許すものもある。
- インタフェース(interface)
- インタフェース は,実装についての情報をもたないメソッドの集合の宣言とする。インタフェース及び継承をサポートするオブジェクトシステムでは,インタフェースは,一般に他のインタフェースから継承できる。
- 言語束縛(language binding)
- IDL規定に対するプログラム言語束縛
は,与えられた言語に対する規定におけるインタフェースの実装とする。例えば,文書オブジェクトモデルのIDL規定に対するJava言語束縛は,そのインタフェースが開示する機能を提供する具象Javaクラスを実装する。
- 局所名(local name)
- 局所名 は,修飾された名前 の局所部分である。これは,XML名前空間[Namespaces]では,局所部分と呼ぶ。
- メソッド(method)
- メソッド は,オブジェクトに関連付けられた操作又は関数であって,オブジェクトのデータを操作することを可能とする。
- モデル(model)
- モデル
は,手元にある情報の実際的なデータ表現とする。その例に,文書に関連付けられた構文構造及びスタイル情報を表現する構造モデル及びスタイルモデルがある。モデルは,木,有向グラフなどであってよい。
- 名前空間接頭辞(namespace prefix)
- 名前空間接頭辞 は,XMLの名前空間URI に要素名又は属性名を関連付ける文字列とする。XML名前空間[Namespaces]の名前空間接頭辞を参照すること。
- 名前空間URI(namespace URI)
- 名前空間URI は,XML名前空間 を識別するURIとする。厳密に言うと,これは実際には名前空間URI参照になる。これは,XML名前空間[Namespaces]では,名前空間名と呼ぶ。
- オブジェクトモデル(object model)
- オブジェクトモデル
は,クラス又はインタフェースを,それらのメンバデータ,メンバ関数及びクラスの静的な操作と共に記述した集まりとする。
- 親(parent)
- 親 は,一つのノードの直前の先祖 のノードとする。
- 修飾された名前(qualified name)
- 修飾された名前 は,オプションで名前空間接頭辞 とコロン文字が前置され,(この規定で定義されているとおりの)局所名 のつらなりとして定義された,要素名又は属性名とする。XML名前空間[Namespaces]の修飾された名前 を参照すること。
- 読取り専用ノード(readonly node)
- 読取り専用ノード は,変更できないノードのこととする。これは,それが要素の場合,その子のリスト,その内容,及びその属性はどのようにしても変更されないことを意味する。しかし,読取り専用ノードは,それ自体が読取り専用ノードに含まれていない場合,移動することはできる。
- ルートノード(root node)
- ルートノード
は,いかなる他のノードの子
にならない特別なノードとする。すべてのノードは,ルートノードの子又は子孫とする。
- 兄弟(sibling)
- 二つのノードが同じ親
ノードをもつ場合,それらのノードは兄弟
とする。
- 文字列比較(string comparison)
- 文字列の照合が要求された場合,文字列比較は,Unicode 3.0規定[Unicode]の符号位置の二つの列の間で行うものとする。
- トークン(token)
- トークン化 されたXMLの名前などの情報項目。
- トークン化(tokenized)
- XMLプロセサによって処理された後の様々な情報項目(例えば,様々な型の属性値。ただし,文字列型CDATAは含まない)に与えられた記述。処理は,先頭及び末尾の空白の除去,及び複数のスペース文字を一つのスペース文字へ置き換えることを含む。トークン化型の定義を参照すること。
- 整形式文書(well-formed document)
- 文書がタグ妥当であって,実体が一つの要素(すなわち,一つの部分木)に限定されている場合,その文書は,整形式 とする。XML[XML]の整形式XML文書
を参照すること。
- XML
- 拡張可能なマーク付け言語(Extensible Markup Language, XML )は,SGMLの非常に単純な方言とする。その目的は,現在はHTMLを用いて可能な方法で,一般的なSGMLに対して,Web上でのサービス,受信及び処理を可能とすることにある。XML [XML] は,実装が容易で,SGML及びHTMLの両方と相互運用可能となるために設計された。
- XMLの名前(XML name)
- XML規定のXMLの名前 を参照すること[XML]。
- XML名前空間(XML namespace)
- XML名前空間 は,名前の集まりであって,URI参照[RFC2396]によって識別される。これは,XML文書の中で,要素型及び属性名として使用される[Namespaces]。