1.1 導入

文書は, それに関連する1個以上の"ビュー", 例えば, CSSスタイルシートを適用した後の文書に関する計算されたビュー, 又はクライアントにおける同一文書に関する複数表示(HTMLフレームなど)をもってよい。すなわち, ビューは, 一つのソース文書の代替表現又は一つの表示であって, そのソース文書に関連している。

ビューは, それが生成されたときの文書の状態を反映して静的であってもよいし, ビューが生成された後の対象文書における変化をその変化が現れるとおりに反映して動的であってもよい。この水準のDOMの規定は, これらの振舞いについては何も言及しない。

1.は, これらのすべてのビューの派生元でなければならない基底インタフェースを与えるAbstractViewインタフェースを定義する。それは, AbstractViewの対象文書を参照する属性を定義する。 ここで定義するAbstractViewのセマンティクスだけが, ビューとその対象文書との関連を生成する。

DOM水準2で定義するAbstractViewの下位インタフェースは存在しない。

しかし, AbstractViewは, この水準では次の二つの場所で定義され, 用いられる。

• 文書は, それに関連するデフォルトビューの属性をもつDocumentViewを実装してよい。このデフォルトビューは, 通常はその実装(例えば, その文書をレンダリングするブラウザのフレーム)に依存する。デフォルトビューは, (AbstractViewのオブジェクトの同等性を試験するか, 又はDocumentView属性を得ることによって)ビューを識別し, ビューをその対象文書に関連付けるために使用できる。
• UIEventは, 通常, 文書のビューの上に現れる。(例えば, 特定の文書インスタンスをレンダリングするブラウザのフレームの上でのマウスクリックがそうである。) UIEventは, それと関連付けられるAbstractViewをもつ。この場合，AbstractViewは, イベントが現れる特定の(実装依存の)ビューと, UIEventが関係する対象文書との両方を識別する。

1.に示すインタフェースは, 必須ではない。DOM応用は, このモジュールが実装によってサポートされるかどうかを決定するために, DOMImplementationインタフェースのhasFeature(feature, version)メソッドを，パラメタ値をそれぞれ"Views"及び"2.0"として使ってよい。 このモジュールを完全にサポートするために, 実装は, 文書オブジェクトモデル水準2 コア規定[DOM Level 2 Core]で定義される"コア"機能もサポートしなければならない。DOM水準2 コア規定における適合性に関する追加情報を参照すること。

1.2 インタフェース

インタフェース AbstractView (DOM水準2で導入)

すべてのビューの派生元でなければならない基底インタフェース。

IDL定義

// Introduced in DOM Level 2:
interface AbstractView {
  readonly attribute DocumentView     document;
};

属性

型DocumentViewのdocument，読取り専用

このインタフェースがAbstractViewとなるソースDocumentView。

インタフェース DocumentView (DOM水準2で導入)

DocumentViewインタフェースは, DOMビューをサポートするDOM実装におけるDocumentオブジェクトによって実装される。このインタフェースは，文書のデフォルトビューを取得するための属性を提供する。

IDL定義

// Introduced in DOM Level 2:
interface DocumentView {
  readonly attribute AbstractView     defaultView;
};

属性

型AbstractViewのdefaultView，読取り専用

このDocumentのためのデフォルトAbstractView，又は利用可能でない場合にはnull。