H. 設計目標
附属書H.では,設計目標を"Gn"というラベルで識別し,必要条件を"Rn.n"というラベルで識別している。XHTMLのモジュール化枠組みには, 主要な設計目標が四つある。
- [G1] セマンティックに関連のあるXHTMLの部分をまとめてグループ化する。
- [G2] DTD技術を使用して,固有の目的(小型の装置,特定の目的をもつ装置)に対して,関連言語(サブセット,スーパセット)の生成をサポートし,その一方で,重なる部分の一般性を保証する。
- [G3] 言語の残りの部分を乱さずに,フォームなどの改善されたモジュールが言語の一部を置換可能にすることによって,将来的な開発を容易にする。
- [G4] 他言語におけるモジュールの再利用を奨励し,それを容易にする。
前節で列挙された設計目標を達成するには,モジュール化枠組みの必要条件が数多く存在する。これらの必要条件はここで要約されて,記述される枠組みの主な機能に従えば,それらをさらに細分化することができる。
ここでの必要条件は,全体として,枠組み内で定義されたモジュールが正しい細分化レベルにあたることを目的としている。
- [R1.1] 抽象モジュールは内容の移植性を促進し,維持するのが望ましい。
- [R1.2] 抽象モジュールはプラットフォームプロファイルの標準化を促進するのが望ましい。
- [R1.3] 抽象モジュールの大きさは相互運用性の促進に十分であることが望ましい。
- [R1.4] 抽象モジュールはサブセットの必要性を回避するのに必要なだけ小さいことが望ましい。
- [R1.5] 抽象モジュールは,類似するセマンティクス又は関連するセマンティクスを用いて,要素を集めるのが望ましい。
- [R1.6] 抽象モジュールは,類似しないセマンティクス又は関連のないセマンティクスを用いて,要素を分離するのが望ましい。
- [R1.7] モジュールは,単一の要素文書型モジュールを使用できる程度に小さいのが望ましい。
ここで列挙される構成可能性必要条件は,モジュール化枠組みが枠組みによって提供されることになるコミュニティが必須とする対象モジュールの正しい集合を確実に表現できることを意図したものとする。
- [R2.1] モジュール枠組みは,XHTML 1.0に抽象モジュールを構築できることが望ましい。
- [R2.2] モジュール枠組みは,HTML 4に極めて近い抽象モジュールを構築できることが望ましい。
- [R2.3] モジュール枠組みは,他のW3C勧告に抽象モジュールを構築できることが望ましい。
- [R2.4] モジュール枠組みは,他のXML文書型に抽象モジュールを構築できることが望ましい。
- [R2.5] モジュール枠組みは,広範囲のプラットフォームプロファイルに抽象モジュールを構築できることが望ましい。
モジュール化枠組みが,対象となる視聴者の枠組み使用を簡単にする機構を記述する場合,広範囲にわたる採択を受け入れるにすぎない。
- [R3.1] モジュール枠組みは,文書型設計者がXHTML抽象モジュールをサブセット化し,拡張するのを簡単にするのが望ましい。
- [R3.2] モジュール枠組みは,文書型設計者が他のXML文書型に抽象モジュールを生成するの簡単にするのが望ましい。
- [R3.3] モジュール枠組みは,文書作成者が異なる抽象モジュールから要素の妥当性を検証するのを簡単にするのが望ましい。
この規定は,ここで記述されるモジュール化枠組みが,XML及びW3C作業グループが開発した他の規定とともに,十分に作動することを意図している。
- [R4.1] モジュール枠組みは,XML 1.0勧告に厳密に適合するのが望ましい。
- [R4.2] モジュール枠組みは,XML リンク言語(XLink)[XLINK]規定と互換性があることが望ましい。
- [R4.3] モジュール枠組みは,XML文書と関連するスタイルシート[XMLSTYLE]規定と互換性があるのが望ましい。
- [R4.4] モジュール枠組みは,新しいW3C勧告を適切な場所で採用できることが望ましい。
- [R4.5] モジュール枠組みは,進行中のW3C作業に依存しないのが望ましい。
- [R4.6] モジュール枠組みは,W3C外で行われた作業に依存しないのが望ましい。
枠組みの効果は,その枠組みに従って開発されたモジュールの振る舞いの検査,及び妥当性検証にそれらのモジュールを採用する文書の検査がどれほど容易かによっても判断されることになる。
- [R5.1] 抽象モジュールからの要素及び属性を使用して構築された文書の妥当性を検証できることが望ましい。
- [R5.2] 抽象モジュールからの要素及び属性の振舞いを明確に記述できることが望ましい。
- [R5.3] 抽象モジュールからの要素及び属性の振舞いを確認できることが望ましい。
- [R5.4] 混成文書型をXHTML文書型として確認できることが望ましい。
- [R5.5] この規定の方式に従って定義されたモジュールは,XHTMLモジュールで定義された要素の名前又はパラメタ実体とは重ならない。