多くの場合,出版者の企画に従って著者が論理構造文書として原稿を執筆し,それを大容量文書バンクに送出し登録する。編集者はそれにアクセスしてフォーマット指定を施し,出版物として読み易いフォーマット/スタイルを整えた文書に仕立て上げ,文書バンクに登録する。
読者はいずれの文書にもアクセスすることもできることが望ましい。
従来のハードコピー書籍と同様の利用をする場合は, Final Form文書(フォーマット済み文書)が便利である。
電子文書の一部を再編集して新たな文書を作成する場合には, 論理構造化文書を利用する必要がある。
電子文書を可視化するビュワ等の装置の機能的制約により指定フォーマットでの表示が不可能な場合には,フォーマット指定は無視され, 論理構造化情報だけが利用される。機械読取りのための文書もフォーマット指定は不要である。
フィードバック情報(読者からの声)もまた出版情報になり得る。電子出版環境では,それを直ちに出版物として反映できるため,通常の定期刊行物でも間に合わないような,進歩の激しい先端技術の論文誌などに最適である。
大容量文書バンクの内容を出版者の要望に従って取り出し,可換記憶媒体に書込んだ後,従来の流通系を使ってその配布を行うような電子出版, 又は読者の要求ごとに印刷・製本するような電子出版もあり得る。