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9. SGML/XML応用

9.3 ODF/OOXML,(1) ODF(オフィス応用のための開放形文書フォーマット)



マイクロソフトのWordによるワードプロセッサの独占状態を打開するため,IBM, SunなどはXMLに基づく文書処理系の開発を進め,その交換様式をODF(Open Document Format for Office Applications)としてOASIS(Organization for the Advancement of Structured Information Standards)に提案した.OASISでの承認(OASIS規格ODF 1.0)の後,OASISはISO/IEC JTC1が規定するPAS(Publicity available specification)のFast-track手続きを使ってISO/IEC JTC1でのODFの追認を求めた.

2006年5月を期限とするISO/IEC DIS 26300(ODF)についての投票の結果,反対投票なしでDISが承認された.これはマイクロソフト固有の閉じた仕様からオープンな規定への利用者要求の顕在化と見ることができる.その後JTC1/SC34は,JTC1セクレタリアートの助言に従って投票結果対処会議の予定を取消し,OASISのODF TCがコメント対処を行って,改訂テキストとコメント対処とをSC34セクレタリアートが各国に送付して,30日デフォルト投票が開始された.デフォルト投票での承認を受けて,ISO/IEC 26300が2006年12月に出版された.

その後,日本でのこの規格のJIS化作業に際して幾つもの技術的問題点が明らかになり,日本からのその指摘に基づいてISO/IEC 26300のプロジェクトエディタであるP. Durusauが技術訂正案を用意して,SC34/WG1からリエゾンステートメントをOASISに送付した.しかしOASISでの対応がないため,SC34の中にODFメンテナンスのための作業グループを作ろうとする動きがある.


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