W3Cでは, 97年12月版に対するコメントへの回答が98年2月10日に公開され, それを反映して変更を加えたW3Cの勧告"Extensible Markup Language (XML) 1.0"が98年2月に発行された。
INSTACは, 98年4月に"高速Webにおける標準化に関する調査研究委員会"を設立し, その作業グループ(WG3)のXML特別作業グループ(XML-SWG)が, TR X 0008:1998のメンテナンスを担当して, W3C勧告のXML1.0の翻訳作業を開始した。その翻訳原案は, 99年2月までのW3C正誤表の内容を反映して, TR X 0008:1998の改正案として同年2月末に工業技術院に提出された[5]。これは, TR X 0008:1999 拡張可能なマーク付け言語(XML)1.0 として, 99年5月に発行された。
翻訳における訳語選定に際しては,SGMLを規定しているJIS X 4151との整合を配慮した。しかしその後にJISとして出版されたSGML関連規格において,適切な理由に基づいてJIS X 4151の訳語を変更している用語については,なるべく新しいSGML関連JISの訳語を採用している。
この標準情報(TR)で採用した主な訳語の例を表2.1に示す。
原語 | 訳語 |
---|---|
well-formed | 整形式 |
valid | 妥当 |
validity | 妥当性 |
parsed entity | 解析対象実体 |
unparsed entity | 解析対象外実体 |
escape | 別扱い |
surrogate blocks | サロゲートブロック |
ideographic | 統合漢字 |
base character | 基底文字 |
composed form | 合成形式 |
validating | 妥当性を検証する |
content particle | 内容素子 |
mixed content | 混合内容 |
match | マッチ |
character value | 文字番号 |
byte order mark | バイト順マーク |
extender | エクステンダ |
W3Cの規定は, 必ずしもJIS又はTRの様式には整合していないため, 多少の変更が必要になる。しかしTRの読者が原規定を参照する際の便を考慮すると, 章・節構成はなるべく原規定のそれを保存することが望まれる。そこで, 次に示すだけの修正(章・節番号の変更なし)を施して, TR原案とした。