標準情報(TR)    TR X 0033:2000


ハイパテキストマーク付け言語 (HTML) 4.0

HyperText Matrkup Language (HTML) 4.0 Specification



序文

この標準情報(TR)は, 1998年4月にWorld Wide Web Consortium(W3C)から改訂公表されたHTML 4.0 Specification勧告を翻訳し, 技術的内容を変更することなく作成した標準情報(TR)である。



1 概要

1.0 適用範囲

この規定は, World Wide Webの出版言語であるハイパテキストマーク付け言語(HTML)の版4.0を定義する。HTMLの以前の版における, テキスト, マルチメディア及びハイパリンクの各機能に加えて, HTML 4.0は, もっと多くのマルチメディアオプション, スクリプト言語, スタイルシート, より高度な印刷機能, 及び障害をもつ利用者にとってよりアクセスしやすい文書をサポートする。HTML 4.0は, ウェブを真に国際化する目標をもって, 文書の国際化への大きな進展をも示している。

HTML 4.0は, 国際規格であるISO 8879 Standard Generalized Markup Language[ISO8879]に適合するSGMLアプリケーションとする。

1.1 規定の構成

この標準情報(TR)は, 次のとおり章構成される。

a) 2及び3: HTML 4.0への導入

この導入は, World Wide Webの方式におけるHTMLの位置付けを記述し, HTMLの開発の歴史を簡単に示し, HTML 4.0を用いて何ができるかを強調して, HTML文書作成の幾つかのヒントを示す。

簡単なSGMLの解説は, 読者に対してHTMLとSGMLとの関係の理解を与えるものであり, HTMLの文書型定義(DTD)の読み方に関する概要情報を提供する。

b) 4〜24: HTML 4.0の参照マニュアル

この参照マニュアルの大部分は, HTML言語のすべての要素及び属性を定義するHTML言語参照から構成される。

この規定は, HTMLの文法ではなく課題によって構成された。課題は, 構造, 表示及び対話性 の三つに分類される。HTMLの構成をこれらの3分類に完全に区分することは容易ではないが, そのモデルは, 文書の構造を表示から分離することが文書の効率及び保守性を高めるという, HTML作業グループの経験を反映している。

言語参照は, 次の情報から成る。

c) 附属書

附属書Aは, 文書作成者及び実装者に対してHTML 4.0への移行を支援するために, HTML 3.2からの変更情報及び1997年12月18日の規定からの変更情報 を含む。

附属書Bは, 性能及び実装のための備考を含み, これは主に, 実装者がHTML 4.0の利用者エージェントを作成することを支援することを 目的とする。

附属書Cとして, 引用規定及び参考文献のリストを示す。

附属書D, E及びFとして, 三つの索引を与え, 読者に対してそれぞれ主要な 概念, 要素 及び 属性の定義への高速アクセスを可能にする。

1.2 文書規約

この規定は, 文書作成者及び実装者という二つの種別の読者を想定して書かれた。規定は次のものであることが望ましい。つまり, 文書作成者に対しては, 彼らが, HTML実装の詳細に必要以上に触れることなく, 効率的, 魅力的でアクセスしやすい文書を書くために必要なツールを与える。しかし実装者は, 適合する利用者エージェントを構築するのに必要なすべてを獲得することが望ましい。

規定の読み方にはいくつか方法がある。

1.2.1 要素及び属性

要素名は大文字で書かれる(例えば, BODY)。属性名は小文字で書かれる(例えば, lang, onsubmit)。HTMLでは, 要素名及び属性名は, 大文字・小文字を区別しないことを思い出して頂きたい。つまりこの規約は, 可読性を高めることを意図している。

この規定における要素名及び属性名は, 既にマーク付けされており, 利用者エージェントがそれらに特定のレンダリングを行ってもよい。

各属性定義は,その値の型を指定する。型の値として許されるものが少数の場合は,その定義は, 縦線(|)で区切られた値の集合をリストする。

型情報の次に, 各属性定義が, 角大括弧("[]")の中に, その値の大文字・小文字の区別を示す。 詳細については, 大文字・小文字情報のセクションを参照のこと。

1.2.2 備考及び例

参考は, 周囲のテキストから区別するため強調され, 利用者エージェントがそれらに特定のレンダリングを行ってもよい。

推奨しない使用を示すどの例にも, "推奨しない例"とマーク付けする。推奨しない例には, 推奨する代替解をつける。不正な使用を示すどの例にも, "不正な例"と明確にマーク付けする。

例及び備考(又は参考)は, 既にマーク付けされており, 利用者エージェントがそれらに特定のレンダリングを行ってもよい。

1.3 貢献者

HTML 4.0の原規定になった作業原案の作成に支援頂いた各位に感謝し, 提案及び訂正を送付された皆様に感謝する。

HTMLのアクセス可能性の改善作業に関して Web Accessibility Initiative タスクフォース(WAI HC group)に感謝し, アクセス可能フォームの開発における初期の作業に関して T.V. Raman (Adobe)に謝意を表する。

この原規定の著者である W3C HTML作業グループのメンバは, 彼らのこの原規定の詳細レビュー, 建設的なコメント及び膨大な作業に関して絶賛に値する。 メンバの氏名を次に示す。 John D. Burger (MITRE), Steve Byrne (JavaSoft), Martin J. Dürst (University of Zurich), Daniel Glazman (Electricité de France), Scott Isaacs (Microsoft), Murray Maloney (GRIF), Steven Pemberton (CWI), Robert Pernett (Lotus), Jared Sorensen (Novell), Powell Smith (IBM), Robert Stevahn (HP), Ed Tecot (Microsoft), Jeffrey Veen (HotWired), Mike Wexler (Adobe), Misha Wolf (Reuters), and Lauren Wood (SoftQuad)。

非常勤のエディタとして厳密で省略のない入力を行い, HTML作業グループの議長として 思慮深い指導をした Dan Connolly (W3C)に感謝する。新聞発表に必要な作業に関して, Sally Khudairi (W3C)に感謝する。

原規定の注意深い査読及び建設的なコメントに関して, David M. Abrahamson 及び Roger Priceに感謝する。

原規定のPostscript版の作成に多大な支援を頂いた, html2psの著者のJan Karrmanに 感謝する。

Sophia-AntipolisのW3Cからは, Janet Bertot, Bert Bos, Stephane Boyera, Daniel Dardailler, Yves Lafon, Håkon Lie, Chris Lilley及び Colas Nahaboo (Bull)に特に尽力頂いた。

最後に, この作業に不可欠であった Tim Berners-Leeに感謝する。

1.4 著作権表示

Copyright © 1997 World Wide Web Consortium, (Massachusetts Institute of Technology, Institut National de Recherche en Informatique et en Automatique, Keio University). All Rights Reserved.

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